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アポロ計画

アポロ計画においては、1960年代のうちに月面にロケットを打ち上げることは決まったものの、計画が着手された直後、解決しなくてはならない技術的な問題は数万点にのぼったという。

つまり計画がスタートした段階では、月面に打ち上げることができないことだけは確かだった。

ある目標を立て、これから先の時間の中でそれを実現しようとするとき、自分と目標はまったく別個のものとして感じられる。

だから計画は「でなけれはならない」「かくあれかし」の意図で書かれる。だが、いまの時点で解決しないことがこの先において解決されるとは限らない。

アポロ計画のおもしろさは、解決されない限り実行不可能の計画は、未解決の問題との関わりのプロセスそのものが解となるような試みであったことだ。

自転車に乗るために自転車に乗らない限り、乗れはしないということであろうか。いや、稽古というものの本質はここにあるのかもしれない。

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