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ココイチラブ

#わたしが応援する会社  というハッシュタグを見て、何かないかなとずっと考えていた。便利だなと思うサービスは世の中にいくらでもある。でも例えば服であれば好きなブランドはあるけど、別にとにかく大好きみたいなブランドがあるわけでもない。同業他社と比べても、そこが何よりも一番、と言えるほどの会社ってあるかなってずっとぼんやり考えていて。
そもそも応援ってどういうことだ・・・?最近好きになったとかはまってるんですとかで応援て言えるか・・・?とかほんともうわからなくなったんだけど、突然降ってきました。あったわ。かれこれ10年程、結構な頻度で利用してる会社が俺にもあったわ。学生の時も社会人になっても利用頻度が衰えない唯一の会社だわ。

ココイチがめっちゃ好きです。 

株式会社壱番屋、誰もが知ってる全国チェーンのカレーレストランである。
高校生までは殆ど食べたことがなかったよ。そもそも実家暮らしで外食とかあんまりしないし。
大学生で一人暮らしを始めた門前仲町にココイチがあって。結構な頻度で通う様になった。学生にとってココイチって決して安いとは言えないんだけど、でも普通に値段以上の満足はあるから割と頻繁に通っていた。
社会人になって札幌に帰り、車営業をしているとまあまあココイチに出会う。僕は営業中に外で食事を取る人だったので、週1は行っていたと思う。国道36号線で街中から清田側に出るときにすぐあるもんだから、しょっちゅう立ち寄っていた。
転勤先は東京の浜松町で、そこのココイチは24時間営業だった。たまに出社前に朝飯として食べることすらしていた。飲んだ後謎に先輩同期と締めにつかったりもしてた(同期がひたすらソーセージカレーを激推ししてた)
転職先の神田にもココイチはあって。家の最寄りの国分寺にもあって。とにかく僕の生活圏にココイチは必ずある。今思い出せば国分寺に引っ越してきた日、家の鍵をもらった後まず僕はココイチに行った。夏のスパイスカレーをどうしても食べてみたくて行った記憶がある(めっちゃうまかった)
せっかくいい機会をもらったので、何故ここまでココイチが好きなのか今一度考えてみることにしよう。


【ココイチのいいところ①】
 おいしい

うん、まあね。「考えてみることにしよう」とか言った直後に何も考えてなさそうで申し訳ないんだけど。項目数稼ぐなとか思われそうだけど。
でも考えて欲しい。これは結構凄いことで、何故かっていうとそもそもカレーというだけでおいしいわけで。市販のカレールーで作る家のカレーも普通においしいし、インドカレーもおいしい。そんな中で、ココイチのカレーって、完全にココイチの味なんですよ。で、うまいんですよ。サラサラしてて、結構しっかり辛い。揚げ物とかに使うソースも卓上にあるんですが、酸味強めなソースと混ざっても変わらずおいしい感じに作られてて。トッピングがめちゃくちゃあるから、なんにでも合うように作ってるんでしょうね。ルーというよりなんかカレーソースって感じで、全ての受け皿になってる感じ。
更に推したいのが、期間限定メニューがうまい。
最近夏の定番と化したスパイスカレーもチェーンでやるんだ、、ってくらいしっかりした本格派カレーだし、冬に出るスープカレーがまた凄い。僕札幌出身なので結構スープカレー好きで。東京あんまりないもんだから帰省すると必ず食べるようにしてるんだけど、冬はココイチにお世話になっている。
スープカレーって、カレーをスープにしたものっていうよりは香辛料スープを飲みながら野菜とか肉を食べる、って感じなんだけど、それがちゃんと再現されてる。単なるついでのメニューで終わってなくて、スープカレーとしての美味しさがちゃんとあるの。
カレーって万人向けの食べ物なので、結構誰でもグルメになれちゃう食べ物で。そんな中でしっかりとおいしいメニューを全国チェーンで提供するって、かなり凄いことだと思う。

【ココイチのいいところ②】
接客、店内の雰囲気が凄い良い

もうこれです。僕がココイチで一番好きなところ。ほんっっっとにすごい。
基本的にチェーン店で食事をとる時、僕はあんまり接客に期待しない。というか、過剰に求めるのが間違いだと思っている。そもそも比較的安価に結構美味しいものを食べさせてもらえるだけで充分いいサービスな訳で、もし接客の質を求めるならそれなりに高い店に行くべきでしょう、と思ってるからだ。

なんだけど、ココイチはほんとすごい。今まで行った全ての店舗で、接客がとにかく良かったという思い出しかない。
一番良いなと思うのが、店長(多分そう)的な立場の人の、従業員に対する指導が凄く明るい。
僕が一番嫌いなタイプの飲食店はお客さんの前で従業員を怒ったりするタイプの店だ。(怒の感情はどう考えても食事を不味くする。食事に対する対価を払っているのだから食事の質を落とさないでほしい)
まあとはいえ何かミスとかがあった時に多少「もう!」みたいになっちゃうのはわかる。それはしょうがないと思う。人間だし。
ココイチ、そこを飛び越えて、全力で爽やかな指導をしている現場しか見たことがない。
新人さんがメニューを聞き終わって戻ってきたときに、中で仕事してた店長がめっちゃ明るく「〜〜についてなんて言ってた?それで注文変わるからちゃんと聞いてみて!」って言ってたり、終わった後に店長がお客さんのとこ行って、「新人がオーダーをとっておりまして確認なんですが、〜〜でよろしいでしょうか?お手数かけますありがとうございます!」って笑顔で接客してたりとか。ほんとにどの店舗でもそういう対応がなされてるのを見る。

悪い気がする人は一人もいないと思う。

なんというか、普通のお客さんて接客が心もとないと、嫌な人じゃなくても「大丈夫かな、、」って不安にはなると思うんだよね。
そこのお客さんの気持ちすら「頑張れ〜」ってなっちゃう様な雰囲気を作ってて、プラスの循環が生まれてる。

これを、マニュアルでやってるんだぜ?

だってほんとにどの店舗行ってもその感じなんだもん。
何が正しいとされてたとしても、人がどう動くかって結局人の気持ち次第なわけで、そこのマニュアル化って僕は無理だと思ってる。
その中でそこまで同じ質の高い接客が出来るって、もう想いのレベルで浸透してないと無理だと思うんだよね。


で、その想いって、多分創業者の宗次さんからしっかりと受け継がれてる。
僕はあんまりこういう経営者のインタビューって読まない。卑屈な人間なので、「そりゃ良く書かれるよな」って思ってしまうから。
でも、このインタビューを読んだとき、普段店舗に通って僕が感じることとちゃんと一致してたから、ほんとにこういう想いで経営してきたんだろうなってスッとと入ってきた。


名古屋ではほぼすべての喫茶店がモーニングサービスをつけますが、うちは一切やりませんでした。仕入先の社長からは「名古屋でそんな店はないですよ。やめなさい」と強く言われましたが、ゆで卵やトーストなどの「おまけ」ではなく「笑顔と接客」で他店と差別化しようと最初から考えていました。
(PRESIDENT ONLINE/ココイチ創業者「シャツは980円で十分」

創業時のこの想いが全国チェーンになっても浸透してるって、ちょっと普通じゃない。人を動かすのは人でしかないと思ってるんだけど、巨大な規模になってそこまでちゃんと隅々までいきわたるものなのかと僕は正直到底信じられない。

とはいっても資本主義のルールの中できちんと利益を出していかなきゃいけないわけで、気持ちがないことは続かないけど気持ちだけでも人を縛り付けることは僕は出来ないと思っている。
じゃあどうすればいいのかというと、「気持ちにこたえる制度を作る」これが凄く重要だと思ってるんだけど、ココイチの場合独立支援システムがめちゃくちゃしっかりしてるんだろうなと思う。
株式会社壱番屋では「ブルームシステム」と呼んでるみたいなんだけど、独立後の継続経営率が92%(HPに書いてある)、異常に高い。
「独立までに時間がかかるが、手厚く成長させます」言ってしまえばそれを推してるんだけど、めちゃくちゃ誠実だなあと思う。
そして独立を認める時には相当自信があるんだろう。株式会社壱番屋は独立店舗の保証債務残高が多い。
2020年2月の第三四半期短信で282,121千円。資産合計が42,803千円、純資産額が30,505千円のなかでこの額を許容している。これを許せる信頼関係を金融機関やステークホルダーと築いているのもすごい。
自社の経営基盤による金融機関から得られる信用までも、ちゃんと育てた従業員に還元してる。

想いがなきゃ最終的に人は動かないと確信しているのだけど、想いだけでも人の動きは続かない。「想いがあり続けるにはどうあるべきか」を考え抜いた先に今のココイチがあるんだと思う。

明日ココイチ食べよ。ちなみにぜひみなさんビーフソースにしてみてください。ちょっとの値段の違いでめちゃくちゃおいしくなります。

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