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京急1500形の歴史 ⑵(アルミ車:1521F~1549F)

⑴ 1500形アルミ車の概要
1500形アルミ車は、大きく分けて1500番台(1521F~1549F) 、1600番台、1700番台の3種類があります。
➀ 1500番台(1521F~1549F)

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1500形1500番台アルミ車(杉田にて)
1500番台アルミ車は、登場時は4両編成で界磁チョッパ制御が採用されていたグループです。更新工事を経て、最終的には6両編成でIGBT素子VVVFインバータ制御装置を搭載した車両に生まれ変わりました。今回は、こちらの車両について取り上げていきます。
② 1600番台

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京急1500形1600番台(平和島にて)                   http://mmiyk.sakura.ne.jp/photo/train/1500.htmlより引用  
1600番台は、6両or8両編成で界磁チョッパ制御がされていたグループです。こちらも更新工事を経て、8両編成に関しては4両編成の1500番台アルミ車と組成を組み替えた上で6両編成でIGBT素子VVVFインバータ制御装置を搭載した車両に生まれ変わりました。6両編成に生まれ変わった際に、車両の番号を1600番台から1500番台に改番されています。従って、2022年現在は1500形1600番台という車両は存在しません。
③ 1700番台

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1500形1700番台 青砥~京成立石にて
1700番台は、8両編成で登場時からGTO素子VVVFインバータ制御装置を搭載した車両です。京急電鉄で、初めてVVVFインバータ制御装置を搭載した車両となり、環境に配慮した省エネな電車として登場しました。更新工事では、内装が変わった(客席の仕切り板が大型化)ぐらいで、機器類には変化が有りませんでした。事故に伴い、1700番台のトップナンバーである1701編成が廃車になった以外は、特に大きな変化もないです。現在でも、都営浅草線や京成線、北総線、成田スカイアクセス線にも乗り入れ活躍の幅が広いのが特徴的です。

⑵ 1500形アルミ車(1521F~1549F)の歩み                今回は、1編成ずつ紹介していこうと思います。その前に、まず1500形1500番台アルミ車6両編成の編成組み換えの大まかな流れを説明します。1500形1500番台アルミ車6両編成は、1980年代後半~1990年代前半にかけて4両編成で製造されました。その後、2000年代になってからは主に1600番台車8両編成から、中間車両2両分を抜き取り組み込むことで1500番台は6両編成になります。その後、2000年代後半~2010年代前半にかけて電装解除とVVVFインバーター化を行い4M2Tの6両編成になりました。これが、基本的な流れです。これを、踏まえた上で読み進めていただくと頭に入りやすくなると思います。

① 1521F

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1521F 品川~北品川にて                        https://raillab.jp/carset/4850/photos/listより引用                                      1988年1月に、4両編成で登場しました。床下機器は、界磁チョッパ制御。編成組成は、組み替えられないまま現在も4両編成の電車として、大師線や本線系統などの普通、快特や特急の増結運用を中心に活躍しています。最近では、新1000形1890番台と連結して✈急行の運用に入ることもあります。2018年には、京急120年歩み号と称し特殊なラッピングを施して大師線を中心に運用されていました。                      ② 1525F

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1525F 川崎大師にて                        1988年6月に、4両編成で登場しました。床下機器は、界磁チョッパ制御。編成組成は、組み替えられないまま現在も4両編成の電車として、大師線や本線系統などの普通、快特や特急の増結運用を中心に活躍しています。最近では、新1000形1890番台と連結して✈急行の運用に入ることもあります。  ③ 1529F 

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1529F 杉田にて                             1988年6月に、4両編成で登場しました。登場時の床下機器は、界磁チョッパ制御。2009年9月からは、1601編成の1617、1616号車を組み込んで6両編成になりました。2011年8月に、1617、1616号車の電装解除を行い付随車になり、4M2Tの6両編成になりました。その際に、床下機器を界磁チョッパ制御から東洋製IGBT素子VVVFインバーター制御に換装し、現在に至ります。普通列車や✈急行を中心に活躍しています。                ④ 1533F

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1533F 立会川~鮫洲にて

1989年3月に、4両編成で登場しました。登場時の床下機器は、界磁チョッパ制御。2008年12月から、1545編成の1635、1634号車を組み込んで6両編成になりました(1635、1634号車は、登場時は1631編成に組み込まれていました。しかし、2008年4月に1545編成に組み込まれ、同年12月に1533編成に組み込まれました)。2012年10月に、1635、1634号車の電装解除を行い付随車になり、4M2Tの6両編成になりました。その際に、床下機器を界磁チョッパ制御から東洋製IGBT素子VVVFインバーター制御に換装し、現在に至ります。普通列車や✈急行を中心に活躍しています。                  ⑤ 1537F

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1537F 新馬場~青物横丁にて               https://raillab.jp/photo/24273/Lより引用

1990年3月に、4両編成で登場しました。登場時の床下機器は、界磁チョッパ制御。2009年4月から、1541編成の1629、1628号車を組み込んで6両編成になりました(1629、1628号車は、登場時は1625編成に組み込まれていました。しかし、2008年9月に1541編成に組み込まれ、同年12月に1537編成に組み込まれました)。2013年9月に、1629、1628号車の電装解除を行い付随車になり、4M2Tの6両編成になりました。その際に、床下機器を界磁チョッパ制御から東洋製と三菱製のIGBT素子VVVFインバーター制御に換装し、現在に至ります。普通列車や✈急行を中心に活躍しています。                ⑥ 1541F

京急1500形 金沢文庫にて

1541F 金沢文庫にて                                    1990年2月に、4両編成で登場しました。登場時の床下機器は、界磁チョッパ制御。2007年から、1643編成の1647、1646号車を組み込んで6両編成になりました。2008年2月に、1647、1646号車を抜いて一時的に4両編成になりましたが、同年3月に両号車を再度組み込んで6両編成になりました。同年9月からは、更に1625編成の1629、1628号車を組み込んで8両編成になりました。                                前述しましたが、基本的には1500番台を名乗る車両は登場時は4両編成で編成の組み換えを行い6両編成になる車両です。しかし、1541編成と1545編成だけは一時的に8両編成を組んで、浅草線、京成線、北総線に乗り入れていました。結構、珍しい編成であるといえます。             2008年12月には、1628、1629号車を1537Fに組み込むことになり、それに伴い6両編成になりました。2015年2月に、1647、1646号車の電装解除を行い付随車になり、4M2Tの6両編成になりました。その際に、床下機器を界磁チョッパ制御から東洋製IGBT素子VVVFインバーター制御に換装し、現在に至ります。普通列車や✈急行を中心に活躍しています。            ⑦ 1545F 

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1545F 神奈川新町にて                                  1990年2月に、4両編成で登場しました。登場時の床下機器は、界磁チョッパ制御。2006年6月から、1649編成の1653、1652号車を組み込んで6両編成になりました。2008年4月からは、更に1631編成の1635、1634号車を組み込んで8両編成になりました。                      前述しましたが、基本的には1500番台を名乗る車両は登場時は4両編成で編成の組み換えを行い6両編成になる車両です。しかし、1541編成と1545編成だけは一時的に8両編成を組んで、浅草線、京成線、北総線に乗り入れていました。結構、珍しい編成であるといえます。
2008年12月には、1635、1634号車を1533Fに組み込むことになり、それに伴い6両編成になりました。2011年2月に、1635、1634号車の電装解除を行い付随車になり、4M2Tの6両編成になりました。その際に、床下機器を界磁チョッパ制御から三菱製IGBT素子VVVFインバーター制御に換装し、現在に至ります。普通列車や✈急行を中心に活躍しています。
⑧ 1549F

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1549F 能見台にて                             1991年3月に、4両編成で登場しました。登場時の床下機器は、界磁チョッパ制御。2010年4月から、1607編成の1623、1622号車を組み込んで6両編成になりました(1623、1622号車は、登場時は1619編成に組み込まれていました。しかし、2007年9月に1607編成に組み込まれ、2010年4月に1541編成に組み込まれました)。2012年4月に、1623、1622号車の電装解除を行い付随車になり、4M2Tの6両編成になりました。その際に、床下機器を界磁チョッパ制御から三菱製IGBT素子VVVFインバーター制御に換装し、現在に至ります。普通列車や✈急行を中心に活躍しています。

(3) 1500形アルミ車(1521F~1549F)の今後              1500形アルミ車(1521F~1549F)は、2022年現在、4両編成2本と6両編成6本の44両が活躍しています。そのうち床下機器に関しては、4両編成は界磁チョッパ制御で6両編成はIGBT素子のVVVFインバーター装置が搭載されています。ご存知の通り、京急では新1000形電車の増備が進んでおり、既に700形や旧1000形、2000形、800形を置き換えてきました。先日の発表では、1500形に関しても新1000形で置き換えをすると発表しています。1500形鋼製車が4両編成2本いるので、直ぐに置き換えとはならないと思います。しかし、鋼製車の置き換えが終わり次第、置き換えが始まる可能性はあります。特に、今だに界磁チョッパ制御装置を搭載している1521編成と1525編成に関しては、アルミ車とは言え鋼製車の置き換えが完了次第、置き換えが始まるかもしれません。早めの撮影を、おすすめします。

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