京急線の車両の概要
2022年現在、現役で活躍している京急の電車は、1500形、600形、2100形、新1000形の4形式である。そして、都営地下鉄から乗り入れてくる車両として5500形と5300形、京成線からは3000形と3700形、3400形、3100形北総線からは7300形、7500形、9100形、9200形、9800形の3社局11形式が京急線に乗り入れる。細かい所に関しては、後述するとして今回は、京急の車両の概要を述べようと思う。
➀ 京急1500形
京急1500形は、1985年に老朽化した旧1000形を置き換える為に導入された。都営浅草線への乗り入れに対応しており、活躍の幅が広い。京急1500形には、初期に製造された鋼製車とアルミ車の2つに大別できる。1990年以降に製造された車両からは、GTO素子のVVVFインバーター制御装置が搭載されるようになった。番号も、1700番台と他の1500形と区別されている。最終的には、166両が製造された。4両、6両、8両編成がある。
② 京急600形
京急600形は、1994年から前述した京急1500形の後継車両として導入された。京急600形の特徴として、都営浅草線への乗り入れに対応している形式であるが、全車クロスシートが採用されていることが挙げられる。このクロスシートは、混雑時には2列から1列に変更することが可能な構造になっている。ツイングル600という愛称で親しまれていた。8両編成と4両編成のみ製造され、6両編成は存在しない。2009年からの更新工事で、車内の座席をクロスシートからロングシートに変更された。
③ 京急2100形
京急2100形は、1998年から営業運転を開始した京急の特急車両である。他の形式と異なり、ドアが2つで転換クロスシートが採用されているのが特徴的である。車両の進行方向に応じて自動的に座席の向きを変えることが出来る。通常はWing号や特急、快特といった優等種別に用いられる。2015年からはモーニング・wing号にも同形式が充当されるようになった。これとは別に、同形式は登場当初はシーメンス製のGTO素子のVVVFインバータ制御が採用されており、この制御装置が奏でる音が特徴的で鉄道愛好家を中心に親しまれてきた。しかし、2013年からの更新工事で国産製のIGBT素子のVVVFインバータ―制御装置に換装されることになり、同形式の特徴的な制御装置の音は見納めになった。8両編成のみ在籍。
④ 京急新1000形
京急新1000形は、2002年から製造された都営浅草線への乗り入れに対応した通勤型電車である。2100形とは異なり、3つドア、ロングシートを採用された。京急新1000形は、アルミ車とステンレス車の2つに大別できる。
アルミ車には、2100形と同様にシーメンス製GTO素子VVVFインバーター制御装置を採用した初期の編成と、同じシーメンス製でもIGBT素子を用いたインバーター制御装置を採用した後期の編成に分けられる。アルミ車は、4両と8両編成のみ在籍。
2007年からはステンレス車が登場した。当初は8両編成のみ在籍していたが、後に4両編成も登場し、2011年には6両編成も登場した。アルミ車と一緒に老朽化した旧1000形、700形、2000形、800形を置き換えていった。
2015年には、中央に貫通扉を配置した1800番台も登場した。
2016年には、ラッピングを施した1600番台が登場した。
2017年には、ステンレス車でありながら車体に塗装を施し、sic素子を用いた制御装置を搭載した1200番台も登場した。
2020年には、貸し切り列車やwing号また通常時でも使用できるようにロングシートとクロスシートの変換が出来る1890番台が登場。Le Ciel(ルシエル)という愛称がつき、鉄道友の会からブルーリボン賞を受賞した。