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都営5300形の歴史

⑴ 都営5300形の概要

都営5300形5320F 四ツ木にて


都営5300形は、開業時から運行されている都営5000形を置き換える為に1991年に都営地下鉄浅草線に導入された電車です。1998年までに8両編成27本が導入されました。走行機器は、三菱製GTO素子VVVFインバーター制御装置を採用しています。前面と室内の行先案内装置には、3色LEDのものが採用されています。また、神奈川新町や金沢文庫といった行先に関しては、省略して新町や文庫と表示しているのも特徴的です。5300形は、車体のスカートの長さによって2つに分けることが出来ます(ミニスカート車とロングスカート車)

⑵ 都営5300形のバリエーション

➀ ミニスカート車

都営5300形5320F 青砥~京成立石にて


1次車:5301F、5302F (1990年度製造、日立製)
2次車:5303F~5306F (1991年度製造、川崎製)
3次車:5307F~5310F (1992年度製造、日本車輛製)
4次車:5311F~5314F (1993年度製造、日立製)

1~3次車は、落成当初は東京都のシンボルマークを急行灯の下に設けられていました。4次車以降の編成は、前面貫通扉に設けられました。1~3次車に関しては、後に4次車と同様になるように張り替えられています。

② ロングスカート車

https://kiiroitori-e233.amebaownd.com/posts/3534985より引用


5次車:5315F~5321F (1994年度製造、日本車輛製・近畿車輛製)
6次車:5322F~5326F (1995年度製造、日立製)
7次車:5327F (1997年度製造近畿車輛製)

5315編成以降は、車体のスカートの長さが長くなっており見た目が変化しました。5327編成に関しては、京急線内で快特に時速120Kmで運転する計画があり、床下機器を高性能なものに変更されています。都営5300形で唯一、時速120Kmでの運転が可能です。しかし、引退するまで時速120Kmで運転することはありませんでした。

⑶ 運用


京成電鉄(押上~成田空港、東成田間)、北総線、京急線(本線(泉岳寺~堀ノ内間)、空港線、久里浜線、逗子線)、都営浅草線で運行されていました。最高時速は時速110Kmとしました。従って、成田スカイアクセス線や京急蒲田以南の快特には運用されませんでした。✈快特の運行開始時は、京成上野駅まで乗り入れたこともありました(現在は、乗り入れしてません)。また、2006年までは芝山鉄道の芝山千代田駅まで乗り入れてました。2010年からは、✈急行の運用に入るようになりました。前述の通り、5300形は運用の範囲は広範囲であった為、夜間停泊も行われていました。

⑷ 廃車

https://news.mynavi.jp/article/20180611-toei5500/より引用


都営浅草線では、2017年から新型車両の5500形を導入することになりました。これにより5300形は順次、廃車されていきました5320編成に関しては、5500形の新型無線装置の設置工事に伴う予備車両として、他の5300形より長く活躍することになりました。5320編成も、2023年2月23日(最終運用:07T)を持って運用を終えることになりました。これにより、本形式は引退することになりました。


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