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正解ではなく納得解を。

Yononakaを運営しております、キープオン株式会社の川原将一郎と申します。僕がどうしてYononakaをしているのか、どんな流れでYononakaに辿り着いたのか、その経緯についてお話しさせてください!

僕は1994年、大阪で生まれ、今年で30歳になります。10代の間はずっと野球に打ち込み、競争と努力を重ねてきました。大学受験や就職活動でも、周りより上に行くために「いかにして、早く、正確に、正解を答えていくか」というスタンスで頑張っていました。

その結果、大企業に入社し営業職としてキャリアをスタートしましたが、そこで仕事以前の問題に悩まされました。30歳年上の上司と、まったく価値観が合わなかったのです。

その上司の主な教えはこうです。
・顧客先ではリュック型のバックは背負うな。
・一刻も早く電話をかけろ。電話をかけてから何を話すか考えろ。
・カーナビを見ながら運転するな。

僕は戸惑いましたが、「社会人ってそういうものなのか」と思い込み、実践しました。特にカーナビなしでの運転は、大阪から上京したばかりの僕にとっては難関でした。そしてある時、自損事故を起こしてしまいました。

「川原は運転苦手だから車営業禁止!」

上司からそう言われ、電車で営業することに。。
担当していた運送会社はどこも駅から遠く、電車営業によって訪問数が減り、それによって営業ノルマが達成できず、だんだんとモチベーションも下がり、仕事のストレスをハイボールで流し込むのを生きがいとするような生活になりました。

上司との関係について、周りから「大丈夫?」の声もいただいていました。ですが、当時の僕は「悩みを聞いてもらうのはカッコ悪いこと」だと思っており、平気な顔をして自虐ネタっぽく振る舞っていました。

「自分がもっと頑張らないと。」
「我慢していたらいつか報われる。」
「我慢は正義だ。」
そんなことを考えていたのだと思います。決して上司が話すことには疑わず、違う方法を考えることもせず、ただじっと我慢していました。
「だって学校ではそうやって教わってきたのだから」

しかし、一向に状況は改善されず、気づけば2年半が過ぎていました。そんな中、お盆に実家に帰省した際、父のロボットプログラミング教室を手伝う機会がありました。

そこで目にしたのは、夢中になってロボットを作る子どもたちの姿。純粋無垢なまなざしで取り組む子どもたちはまぶしく、エネルギーを感じました。
ここでなら心機一転、楽しく仕事ができる!と思い、父の会社に転職する決意をしました。

子どもたちには、その純粋なままで何かにチャレンジし続けてほしい!そのために自分には何かわできるのか考えているとき、「よのなか科」に出会いました。

よのなか科は教育改革家の藤原和博さんが提唱した授業で、よのなかの身近なモノをテーマに、参加者同士がコミュニケーションを通じて理解を深めていきます。
先生の話を座って聞くのではなく、自分たちで意見を交わしながら学びを深めるアクティブラーニング。20年以上前から始まり、Jリーグなどでも導入されています。

ポイントは「正解がひとつでない」問いについて意見共有すること。主催者が用意した正解を当てにいくのではなく、自分自身が考える納得解を紡ぐということです。納得解とは、自分が納得できかつ他人が納得できる解答という意味です。

よのなか科を知った時、「これだ!」と思いました。今まで僕は、周りより早く、正確に、正解を答えることを追い求めてきました。なのでじっくり考えたり、時には疑ったりしながら、自分が納得できる解答を紡ぎ出すという発想はありませんでした。

でも、考えてみると、情報があふれる現代社会はオンラインで世界がつながり、価値観は入り乱れています。

みんなにとっての正解なんて存在しないのではないか。自分が目指していた「正解」って何だったのか。上司の言うことをなぜ疑わなかったのか。ナビなし運転なんてできるはずがないのに。それに、大企業に行きたかった理由は?名が知れているから?お金がもらえるから?そんな理由で人生を決めていいのか。自分の人生なんだから、自分は何がしたいのか。納得感を持って行動できているのか?
こうした疑問が次々と浮かび上がり、僕がとらわれていた「正解」という概念が崩れていくのを感じました。

そして2022年から、藤原さんの了承を得て、オンラインよのなか科「Yononaka」を毎月開催しています。先日、所属しているオンライン寺子屋「朝礼だけの学校」で藤原さんと対談もさせていただき、「進化版よのなか科」と命名いただきとても嬉しかったです。

過去の僕のように、正解を見つけて早く答えることだけに人生を投下するのはリスキーな生き方だと、今では思います。
「はやく、ちゃんと、いい子」を育てる教育はもう充分で、「じっくり、いろんな視点で、考え話す子」が集まる場所をつくっていく必要があると考えます。

情報があふれる成熟社会では、情報をつなぎ合わせ、編集する力が必要です。そのためには、自分の意見を持ち、それをしっかりと伝えられることが重要です。そんなYononakaの活動が少しでも多くの方に伝わればと願っています。

さらに、僕にとってYononakaはエネルギーの源です。ユニークな意見を聞くことでイマジネーションが広がり、創作意欲が湧いてくる感覚があります。

だからこそ、これからもYononakaを続けていきたいと思っています。デザイン×ファシリテーターを掛け合わせて「創造的なコミュニケーションを促進する場」を作ることを目指し、今後も活動を広げていきます。

少しでも興味のある方はぜひご連絡ください!
新しい一歩を踏み出すあなたをお待ちしています!

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