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会話をスムーズにし快感を引き出す:チーン理論(1)

話をすればするほど、話がスムーズになり、お互いが心地よくなり、ますます話したくなる。いつでも、誰が相手でも、そうできたら素晴らしいではありませんか!

結果はすごいのに、やることは極めて簡単な技、すなわち極意があります。
話をしている時、相手が話し終える時、相手が快いと思う一瞬を逃さず、その一瞬に鈴を鳴らすかのように反応を返す技です。
これを極意塾では「チーン理論」と称しています。その一瞬に鈴を鳴らすかのように反応するイメージです(笑)。

あいさつ、返事、会話などで、相手が心地よいと感じる返しのタイミングは、一瞬のみです。早すぎても駄目、遅すぎても駄目です。唯一無二の絶対の瞬間があります。

人は他人に言葉を投げかけたときは、当然ながら、反応を期待しています。實は無意識に、返しのタイミングも想定しています。その想定した一瞬に返されると快感が生じ、タイミングがずれると不快感とストレスが生じます。

話し終えていないのに返される、いわゆる「かぶり」。話し終えたのに、なんらの反応も返ってこない「無視」、あるいは、著しく遅い「鈍い反応」。こういうものに人は苛立ちストレスを感じます。その苛立ちやストレスは、想像以上に大きいものです。

反対に、いつも氣持ちのよいタイミングで反応が返ってくると、快感が生じます。きびきびしたコミュニケーションになり、会話が弾み、話も充実した中身になります。これが続くと、恍惚状態にさえなります。

では、どうすれば、相手が最も心地よいタイミングで反応できるようになるか。およそ誰でも、すぐに簡単にできるが技あります。それは、相手が話し終えた一瞬に、チーンと鈴を鳴らすように、反応することです。この時は、取り敢えずは、反応すればよいので、氣の利いた台詞を言うことはありません。タイミングがすべてです。

相手が話し終える一瞬を逃さず反応するためには、相手の話を息づかいまで注意して、次の話がどう展開するかを予想しながら、しっかり聴いていなければなりません。

そのためには、当然ながら、出来うる限りは、相手に正対し相手の表情の変化をとらえるべく鼻の辺りを見続けていることになります。正対が無理なら、耳をそばだてて相手の話の流れを追っていることになります。

だから、この技を使っているときは、結果として、これ以上ない程に、相手の話をよく聴いていることに必然的になってしまっています。真剣を持って格闘していて、相手の剣先がいつ向かってくるかに注意を払っている。それほど集中していれば、絶妙のタイミングで反応を返すことができるようになります。

やってみると、その絶妙のタイミングというのは、相手、時、場面、内容、その他あらゆるものがからみあっての「この一瞬」となります。だから、その一瞬はその都度変わります。

その都度変わるといっても、けっして難しいことではありません。相手が話し終えたら鈴をチーンと鳴らす。そのタイミングでいいわけです。相手の話が速ければ、反応も早くなるし、遅ければ遅くなる。こちらで決めることはなく、ただひたすら相手に合わせていればいいだけです。

鈴をチーンと鳴らすように反応する簡単な方法は、まず、「はい」と返事することです。兎も角、反応があった、ということで話し手は安心します。返答の内容はその後でよいのです。

この習慣を身に付けて実行していると、人に好かれやすくなり、この技を知らずに反応のタイミングを外してばかりいると、人から好かれにくくなります。

対人業務で、このチーン理論は絶大な効き目があります。対面でも、電話でも、とにかくタイミングよく反応が返ってくれば氣分よくなります。氣分がよくなれば、話しやすくなります。話しやすくなれば、話はスムーズになります。話がスムーズになれば、余計なことは不要になり、意思交換・情報交換は樂に達成されます。すなわち、コミュニケーションがよくなります。コミュニケーションがよくなれば、ストレスは減ります。ストレスが減れば、幸福感が増します。

相手が話し終える一瞬を逃さず反応する。チーン理論で幸福度は格段にアップします。
これは極意塾が特にお薦めするスゴ技です。(極意塾投稿No.050)


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