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愛とビースト

Theo Jansen氏のストランドビースト。

上の動画のビーストは去年の新しいやつらしい。多分前に沖縄とかの展示に合わせて作られらた「ウミナミ」の進化した形態の一つだろう。

ストランドビーストはとても魅力的な作品群。海辺に置かれる彫刻作品(?)で、風を受けると風車が周り、その回転が特有のリンク機構によって脚の歩行運動に変換され、浜辺を一人でに歩き回る。というのが一番ベーシックというか有名なビーストだが、ストランドビーストにはさらにもう一捻りあって、「進化」する。

テオ氏が工夫を重ねている、と言ってしまえばそれだけの話なんだけど、アイデアを形にして、うまくいったものの要素を残したり、変化させて、次の世代へと受け継がせてゆく。その「進化」の過程も含めての「ストランドビースト」という作品なのだ。永遠に完成ということはなくて、「今はこういう形になっている」というものなんだと思う。今いる生き物たちがそうであるように。

中学生の頃このストランドビーストというものを本屋で知って、以来自分の生物観にまで影響を受けた。単純なパターンの組み合わせが、ここまで生物的な振る舞いを見せることに驚く。

特にある進化の系譜にある、ペットボトルに空気を圧縮して貯めておくことで、必要な時風が吹いていなくても歩き出すというシステムには、本当に言葉にならないほどワクワクする。

これほどのワクワクを自分も形にしてみたい。無からとっかかりを作るのが一番難しい。テオ氏の場合は、コンピュータ上の仮想生物の製作から始まり、塩ビパイプの工作とそれらのアイデアが噛み合ったとき、ビーストへ繋がるものが次第にできた。以降はそこに新たなアイデアを加えている形だ。

興味のわく方へ向かい続けるしかないんだろうなと思う。どこもゴールと思わずに。

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