ヨンゴトナキオク15 2020.12.14

ラプソディ イン 殿中  

『ヨンゴト』ではいつも、4に縁のある歴利的出来事を調べるんですが、12月14日といえば、赤穂労使もとい、赤穂浪士の討ち入りが一番有名ですよね。やはり、これに触れないわけにはまいりません。 

元禄14年(1701)3月14日、江戸城、松の廊下で浅野内匠頭が吉良上野介に切りつけました。喧嘩両成敗のルールでは両方が同罪なのに内匠頭だけが切腹、お家取り潰しにまで命じられた。これに憤り、家老の一人、大石内蔵助率いる四十七士が12月14日に吉良邸に討ち入り。かいつまんでいうとそんな悲劇でした。

そもそもの原因は今でいうパワハラの腹いせ?ドラマ的には吉良氏から何かと嫌がらせを受けて恨みを募らせた内匠頭の復讐劇という筋書きですが、実は吉良氏は地元では大変な名君として知られており、普段から神経症的だった内匠頭の逆恨みという逆の一面も指摘されています。そう、物事は「総合的俯瞰的に」(笑)見ないといけないという一例でもあります。

 時は進んで2020年12月14日。世界的に吹き荒れているコロナ禍の中で、某国の首相が、普段はぶすっと不機嫌なのに、誰も批判しないような場を与えられると急に頬が緩み、ニヤニヤ笑いしながら「ガースーで~す」とのたもうたばかりに、不評を買い、支持率ガタ落ちにビビって、ここまで頑なに手を付けなかったGotoトラベルの一時停止をいきなりぶち上げました。唐突というのはこういうことを言うのでしょう。こんなサプライズはちっとも嬉しくなく、むしろ混乱とさらなる不信をもたらすということに気づくこともない。先日惜しくもお亡くなりになった横山ホットブラザーズの横山アキラさん的に言えば、「お~ま~え~は~あ~ほ~か」なんです。関西ではこのギャグを知らない人はいない(40代以上限定笑)のですが、ま、雪深い秋田の農家の長男に生まれた方にはなかなか響かないことでしょう。ちなみに秋田で「アホ」に替わる言葉は「ホジナシ(正気・本心なし)」「タクランケ(まぬけで愚か)」「ハンカクサイ(吉原の遊女が通人ぶった客の野暮ったさを皮肉る「半可通」の「半可」が語源だそうです)」。ああ、勉強になります(笑)。上京後に住んでおられる横浜ではやはり、シンプルに「馬鹿」なのでしょうかね。 

彼に決定的に欠けているのは、人前できちんと話ができないこと。これって政治家には一番必要な資質ではないでしょうか。それなのに、昨日の会議での原稿棒読みのさまを見るにつけ、「原稿を読むことすらあの程度」であることを露呈しました。とにかく、耳を凝らして聞いても、いったい何を言っているか分からない。抑揚ゼロ~。これは、内容を理解しないで字面だけを追っているからです。前任者の安倍氏は、少なくとも「人が書いた原稿をあたかも自分でその場で思いついて言っているような」演技ができました(自画自賛が過ぎてシラケましたが)。これが、とりあえず8年近く続いた政権と、就任3カ月目でぽしゃり始めている政権の差なんでしょうね。メルケルさんと比較するなんて100万年早いことでした。なぜ、こんな人を首相という神輿に乗せたのか。どこまでさかのぼればいいか、振り返るとぞっとしますが、こんな時こそ、まさに「時を戻して」有権者たる私たち自身が今まで許してきてしまったさまざまなことに思いをはせるべきです。 

大石内蔵助は赤穂藩家老の中でも「かぶき者」と言われたはみだし分子だったそうです。それでも、彼の行動が今でも美談となって歴史に残っているのは、やはり己を捨てることで図らずも後世に「生き続ける」道を選んだからでしょう。ガースー首相もようやく病院を視察なさったそうですが、そうです。今こそたたき上げの本領を発揮し、年末年始は粋がってホテルで会食なんかしないでStayhomeし、奥さまのご苦労を知り、どこにも行けない辛さをたっぷり実感していただきたいと思います。お粗末。

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