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100均の材料でキャラドール作る(⑤ドールメイク)

この記事にはカスタム前のドール(人形)素体、生首状態のドールヘッドとその加工等の写真が多く含まれます。苦手な方はご注意ください。

これまでのあらすじ

様々な都合で工程があっちこっち行き来しています。
前回はウェフティング(毛束)をウィッグキャップに貼り付けて、ストレートのドールウィッグを作りました。


作業の前に、以前開けたアイホールの目頭付近の形が気になったので少しだけルーターで削って修正しました。

左:修正前 右:修正後

ライティングがガバガバすぎてわけがわからん。穴の形だけ見比べてもらうとわかると思うんですが、わずかな差でも垂れ目感がだいぶ増した気がします。

【今回やること】ドールメイク

ヘッドの状態を整えてから、アクリル絵の具とパステルを使って顔を描きます。
目はカボションで作ったアイを使用するので、メイクではアイラインや口、眉毛などを描いていきます。

使用する道具

先に謝っておかなければならないのですが、今回使うものはほとんど100均では手に入りません。タイトル詐欺です本当にすみません。

  • アクリル絵の具(リキテックスソフトタイプ)
    あらゆる素材に定着し、乾燥後は耐水性になる絵の具です。仕上がりはツヤが出ますがつや消しスプレーをかけますのであまり関係がありません。
    これでヘッドに顔を描きます。黒・白・茶・赤・青を用意しました。
    ぱっと見た感じだと同じ色なのに別の名前のものが何種類かあってどれを買えばいいかわからない場合は、まずは不透明色であることと、その色が何色寄りなのかで選ぶとよいです。
    例えば黒だとアイボリーブラックとマースブラックがありますが、前者は暖色寄り、後者は寒色寄りです。混色の際に顕著に出るので混色前提の色選びをしている場合は注意が必要です。

  • グラデーションメディウム
    メディウムとは絵の具に混ぜて使う添加剤のことで、絵の具にさまざまな効果をプラスすることができます。種類がいろいろあります。
    グラデーションメディウムは混ぜると絵の具の乾燥を遅らせることができます。主にこれを使って絵の具を希釈します。
    アクリル絵の具の扱いに慣れていてめっちゃ手が早い人ならいらないのかも。

  • ブラシエイド
    アクリル絵の具を溶かせるクリーニング剤です。絵の具を消して修正するのに使います。本来は筆を洗浄するための製品なので、作業後はこれで筆の汚れを落としてあげよう。

  • パステル
    主に顔の血色をよくするために使います。
    調べたら油分の含まれないソフトパステルが良いらしいです。比較的お安く手に入り、ケースに入っていて扱いやすそうだったのでホルベインを選びました。
    事前に下調べしましたが色が多すぎて意味不明だったので、店頭で見て気に入った2色を直感で買ってみました。

  • つや消しスプレー
    Mr.スーパークリアーつや消し。
    UVカットのものもあるらしいけど近所のお店では取り扱ってなかったので普通のやつです。
    メイクの下地と仕上げの保護に使います。溶剤系なので取扱いには要注意。

  • 面相筆
    タミヤ モデリングブラシHGII 面相筆(細)。
    経験上、筆はケチらずに買える範囲で良いものを使った方が絶対に良い…ので、柄がちょっと太めで持ちやすそうなこちらを選びました。私は細すぎる筆があまり好きじゃないので、極細ではなく細にしてみた。

  • 牛乳パック
    乾燥中の埃よけ、メイク中のパレット、そして筆洗い用の水入れに。
    機能が満たせればなんでもいいです。

  • コンタクトケース
    絵の具を入れておくのに使いました。蓋ができるのが大変便利です。

  • スポンジやすり・メラミンスポンジ
    ヘッド表面の細かな傷を消します。やすりは600番と800番を使いました。メラミンスポンジは直接ヘッドを擦って磨く他、やすりの目詰まりを除去するのにも活躍します。

  • 綿棒(通常/先尖り)
    メイクの修正やパステル作業で使うつもりで用意しました。
    ※パステルは結局メイクブラシを使いました。

  • (手袋)
    使い捨てのゴム手袋です。ソフビは色移りしやすいと聞いたので念の為白をチョイス。メイク中の皮脂対策だったんですが、手に付着した絵の具気付けずヘッドを汚してしまったりしたので途中から外しました。代わりにこまめに手を洗いながら作業しています。


メイクの準備

ヘッドのクリーニング

前回のルーター作業でついてしまった細かな傷を取り除きます。
スポンジやすりの600番→800番→メラミンスポンジで軽く擦って仕上げ。
メラミンスポンジはやすりの目詰まりを取り除くのにも使えます。

形が変わるほどには削れませんが、念のため擦りすぎないようにしました

なんか気づいたら(写真で撮るのも難しいくらい小さいものですが)眉間に色素沈着が発生していて、やすりをかけてみても消えませんでした。髪で隠れそうな位置だし、まあ今回はよしとします。どこから付着したのか謎ですが、まあ次からは気を付けよう。

気になりだすと無限にやすりがけしてしまうのでそこそこで切り上げて、ヘッドを中性洗剤と水で洗い、中までしっかりと乾かします。

下地を吹く

ヘッドに刺さっているのはピンセットです

ヘッドにつや消しスプレーを吹きます。ヘッド自体の保護と、メイクのノリをよくする効果があるみたいです。

屋外で作業したので写真がありませんが…
吹く前に「これでもか」ってぐらい缶を振ってから、一度虚空に空吹きして噴射の度合い?を確認します。そして20~30cmくらい離れたところから、ムラができないようにまんべんなく吹きつけます。
こういうスプレーは一度に長時間吹くより、ササッとくぐらせるのを何回か繰り返すといい感じに全体につきます。

この作業を行ったのは風の強い日だったので、スプレーの飛散方向がうまく制御できず結構苦労しました。晴れていて風のない日がベストですね。(湿度が高すぎると白っぽくなったりまだらになるので雨は避けた方がよいらしいです)

耳より後ろはウィッグで隠れるしメイクもしないのですが、色移りの防止になるかなと思ったのでとりあえず全体に吹きつけておきました。

ホコリが付着しないように牛乳パックを被せて乾かしました。60分くらい乾燥させるといいらしいです。冬なので余裕を見てたっぷり2時間放置しました。

さらさらの良い質感に仕上がりました。

ちなみに溶剤系の塗料ですので吹きつける際は周囲の環境に注意して必ずマスクを着用し、その後も完全に乾燥するまではしっかりと部屋を換気しましょう。
開けた窓のそばに置いていたので家が寒かったです。

ドールヘッドにメイクを入れる

下書き

リキテックスを使って下書きをしていきます。
下書きは両目共に髪色に合わせてグレーで行います。
でも最終的にあまり見えなくなりますので、多分何色でもいいです。

コンタクトケースに色を作っています。使っていない時に蓋をしておくことで乾燥を防ぎます。

アクリル絵の具でグレーを作り、グラデーションメディウムを混ぜて薄めます。

上側アイラインのイメージ

見本のイメージをよく見ながら、ごく薄いグレーで形を決めていきます。
下書きの段階では色を気にせず、形だけを決めます。とはいえ乾いてから塗り重ねることでどんどん色が濃くなっちゃうので、塗り重ねる回数が少ないうちに形を決めてしまいたいところ。

どんどん描きます

描いてしまった線を直したいときはブラシエイドを綿棒につけて擦ると消えます。
乾く前なら水でも消えるので、水筆の穂先だけを使うとかなりピンポイントで作業できて便利です。
ただ、いずれの場合も色によっては少し色残りしたのであまり過信はしないほうが良いかなと思いました。

綿棒の綺麗な部分を使って擦るようにしましょう

アイホールのキワの部分、ソフビの厚み部分にも色を塗ります。すごく難しいです。

筆先で慎重に色を流していきます

アイラインを描くのに必死で忘れそうになってましたが瞼、口、眉も描きます。眉だけ少し明るめのグレーを使いました。

口が一番難しかったです。

なるべく左右同じように描きたいですが、ヘッド自体の歪みもあるし、そもそもアイホールが左右非対称なのでもう完璧には無理です。
実際の人間の顔だって左右非対称だし、可愛ければオッケー👌

本書き

下書きでしっかり形を決めたので、あとはひたすら本番の色を重ねていきます。結構雰囲気でやっているのであんまり上手に説明できないのですが…。

写真が黄味がかってしまっていますが、右目側に青を1回重ねています

グレーで描いた下書きの上から、右目には青、左目には赤を塗り重ねます(それぞれ絵の具の色に少しだけ下書きのグレーを混ぜて色を作っています)。
グラデーションメディウムで薄めているので、塗ったところは半透明に薄く色づきます。それを乾かしてから再度塗り重ねていくことで色を濃くしていきます。地道な作業。

乾燥待ちの間にもう片方の目をやります。交互に進めていくことで左右のバランスが良く仕上がる…気がする。
目尻側は瞳の色に近いくすみ系の色にしようと思っていましたが、リキテックスの青の発色が思っていたよりも元気すぎて全然くすまないのでいっそ鮮やかにしてみました。

ここで一旦アイを入れてマスキングテープで仮止めします。目が入っている状態で筆メイクを仕上げていきます。

全体が色づいたら今度は黒を混ぜた暗めの色を重ねていきます。
目尻から色のグラデーションを作るように意識して重ね塗りを続けます。

黒いところはしっかり黒を塗るとアイラインにメリハリが出て二次元キャラっぽくなる気がする。

写真撮り忘れましたが、アイライン以外の場所も同じように下書きをなぞる形で本書きをします。
口と瞼は茶(バーントアンバー)にグレーを混ぜて落ち着かせた色でちょんちょんと本書きしました。
眉は髪色に合わせたグレーで。最終的にウィッグで見えなくなっちゃうだろうな~と思いつつ…。

筆メイク完了です

より良くなることを求めてついついずーっと筆を動かしてしまうのですが、ある程度妥協しないと永遠に完成しないので、ここで切り上げました。

終わったら一度つや消しスプレーを吹いて乾燥させます。
つや消しの時はアイを外します。曇っちゃうので。
ちなみにつや消しの下の層にあるアクリル絵の具はブラシエイドでは消せなくなりますので、修正はつや消しの前に済ませておきましょう。


パステルで血色感を足す

パステルをカッターで削ったり綿棒で擦ったりすることで粉状にして、それをメイクブラシでとってからドールヘッドに乗せていきます。

オレンジにピンクを少しだけ混ぜて、頬などに乗せていきます。

最初は綿棒で塗っていましたが、使いにくかったのでメイクブラシにしました。

自分は普段から絵を描くときもチークはそんなに入れないので、ピンポイントに控えめに入れました。最低限の血色感が出ればそれでいいかなって…

その結果写真だと全然わからんのですが……

頬、耳、おでこあたり乗せてます

……写真だと作業用の電灯を消してやっと見えるか見えないかくらいなんですが…………
肉眼で見るとけっこうしっかり色付いているので、実物の見た目を優先してこの辺で切り上げました。記事的にはめっちゃ分かりづらくてすみません。

仕上げ

最後に筆でハイライトを入れます。
グラデーションメディウムを混ぜた白で入れていきます。
アニメキャラっぽい顔にあまり細かく入れすぎると印象がぼやけてしまうので、ごく控えめに…

アイラインの上とまぶたにほんの少しだけ入れてみました。
まつ毛のないシンプルなデザインだし入れ目なのでマジで入れるところないなこれ。
瞳まで筆で描くタイプの顔だったら瞳のハイライトとかも手描きで入れるので、もっとやりがいがありそうです。

ハイライトを入れ終わったら、つや消しスプレーを吹いてメイク完了!

やらかしました。
アイを外し忘れてつや消しを吹いてしまったせいでツヤツヤだった瞳が曇ってしまいました。悲しい。

つや消し乾かす間に作り直しました

気を取り直して新しいアイを装着したら…
顔の完成です!

写真だとちょっと寄り目気味に写ってしまいますが、初めてにしてはけっこういい感じに作れたのではないでしょうか。
反省点もありますが、自分で作ったものは5割増で可愛く見えるね。

次回予告

次回はウィッグのセットをしていきます。
ヘッドとウィッグが揃ってやっと頭が完成するわけですね。
一番難しい工程なので成功を祈りながら気長にお待ちいただければ幸いです。

ではまた次回~~

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