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Y:80 さん付けのルール

2023.1.21

SONYさん

私はYoutubeでガジェットのレビューをよく見る。スマホやタブレット端末、イヤホンといった電子機器を使ってみてここがいい、ここが悪いというチャンネルだ。

昔から見ているチャンネルだと、レビュアーの変化を感じる時がある。昔はメーカー(企業)名を呼び捨てで言ってたのが、ある時からメーカー名+さんで呼ぶようになる。(例:SONYをSONYさん)

だいたいそうなる時には、動画の左上に「プロモーションを含みます」という表示が出ている。つまり、レビュアーは企業から商品紹介を有料で請け負ったということを意味する。
*Appleさんという人は少ない。商品の提供が少ないから??

企業名をさん付けで呼ぶようになったら、レビューは話半分で聞かなきゃなと思ってしまう(笑)もしかしたら、忖度があるかもしれない。お金や商品をもらって、けちをつけるのは難しいだろう。

企業名をさん付けで呼ぶのはどういう時だろうか。自分と同じ業界だったり、商売相手(お客さん)だったりすると、さんを付けて呼びそうだ。

たけしさん

芸能人なんかもおもしろい。おそらく、今これを呼んでいるほとんどの人はビートたけしを普段の会話で「ビートたけしさん」という人は少ない思う。なんなら「たけし」がなんて言うこともありそうだ。これは、別に敬意がないというわけではないだろう。

一方、お笑い芸人がビートたけしのことを「たけし」と呼ぶことはないだろう。だいたい、「たけしさん」と呼んでいる気がする。これは、同業者という意味で、さんが付けられるのか。実際に会うことがあるから、さんが付けられるのか(駆け出しの芸人で、ビートたけしと面識がなくてもさんはつけると思うが)。

鈴木(2020)

学術論文で引用をするときには、著者名と出版年を記述するルールがある。例えば、鈴木太郎さんという人が2020年に書いた論文を引用する時には「鈴木(2020)」というような書き方をする。

これが会ったことないような人なら、別に気にならないが、例えば自分の指導教官(鈴木太郎)の論文を引用し、本人を前にして、口頭発表するようなことがあると、目の前で、鈴木(2020)では…と言わなければならない。そういうしきたりなので、別に呼び捨てにしようが誰もなんてことはないのだが、それでもいつも、鈴木先生と呼んでいる人を呼び捨てにすると、少し心拍数が上がる。

太宰ってさぁ…

また、いつもたわいもない話をしている友人が、急に「太宰ってさぁ、後期の作風は…」とか言い出したら、”何をかっこつけてるのか”と思ってしまう。「太宰治の後期の作風は…」でいいじゃないか。これも、学術論文の話に近いのかもしれない。専門家になると、敬称は略して言うような類の話なのだろうか。

NHKによると

ここまで書いて、調べてみると、NHK放送文化研究所のQ&Aが出てきた。明確な基準はないようだが、こんな感じで書かれている。

「さん」は、名前のあとについて、敬意や親しみの気持ちを表す敬称です。しかし、自分の実生活とは直接関わりのない、客観的な存在、例えば、歴史上の人物などには、「さん」を付けず、呼び捨てにするのが一般的です。

NHK放送文化研究所 websサイトより

「ビートたけし」の例は、実生活とは直接関わりのないというところだろうか。

おわりに

あめ(飴)ちゃん、さかなクン、お稲荷さんおつかれさん、おはようさん?探してみると敬称がいろいろある。単純にある・なしが敬意のある・なしを表すわけではないのが難しいところだ。企業・団体名に「さん」つけるとビジネスの匂いがしてくるし、おつかれさん、おはようさんはモノや人でもない(敬称と言えるのかもわからない)。

これまで付けていなかったのに「さん」をつける時、つけていたのを外す時、そこには何か心境の変化があると思うとおもしろい。

いつもより、ちょっとよい茶葉や甘味をいただくのに使わせていただきます。よいインプットのおかげで、よいアウトプットができるはずです!