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PCを起動してワードを立ち上げて「文章3」を開くと、絶対に知人には知られたくないような「自己PR」が400文字で書いてあった。昨日の夜、酒の力を借りながらネットのテンプレートを自分に当てはめてもギリギリ違和感ないようにして作られたそのキメラみたいな文章は、なんだか絶妙に気持ち悪かった。

この気持ち悪い文章をなんとか気持ち悪くなくして本日二十時の締め切りに間に合わせないといけない。ついでに明日の一次面接で喋ることを考えておかなければならない。

大学生なら誰でもそうだと思うけど就活が嫌いだ。

なぜ年の離れた初対面の相手に、現時点ではなんの役にも立たない自分を売り込むという異次元行為をしなければならないのか。無理すぎる。

五月十二日現在、21卒の内定率は7割を超えている。前年この時期の内定率が5割だったことを考えると異常といえよう。就職活動における指針(スケジュールの目安)が撤廃されて全体の動きが早まったことと、オリンピックでなんとなく好景気であるというのが影響しているらしい。

しかし、自分に内定は出ていない。就活を終了した友達がツイッターで遊び歩いている様子を報告しているのを見ると気が狂いそうになる。憎しみが湧いてくる。内定もらった人たちのSNSはブロックしておいた方が精神衛生上いいかもしれない。

自分が内定できていない原因は、面接が極度に苦手であるからだと思う。今までESで落とされることはあまりなかったけど、一次面接はほぼ落とされた。10社受けて9社落とされた。

口下手と緊張体質が重なった結果、面接ではまともに喋れない。練習ではすらすらと言うことができた自己PRは本番では処理落ちしたPCのようにカクカクで離滅裂な内容となってしまう。緊張しなくていいですよと笑われてさらに沼にはまってしまう

大概面接開始5分後で面接官は自分の話に頷くことをやめて、こいつは要らないと判断し早く面接を切り上げようと誘導してくる。なんども落とされているから面接官が考えていることがなんとなくわかる。


さすがに9社も祈られるというのは心が折れる。一つだけ一次面接を突破することができたのは福岡の企業で、東京と離れているからオンラインで面接を実施してくれた。

オンライン面接となればいつもの自宅で受けることができるからとても都合がいい。開始の直前まで、煙草を吸うことができる。自分は煙草を吸うとアッパーになる特殊体質で、いつもはカクツク自己PRもそのときは煙草の力を借りてスラスラ自信を持って言うことができた。

ただ、二次面接は直接現地でだったから、いつものように処理落ちして飛行機代を無駄にしてしまった。

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