スナックで回転率が高いことの是非
先日スナックに行ってきた。
年1ペースで顔を出すようなお店だが、常連さんから「最近客の質が落ちている」と
聞いた。
興味深いなと思ったので少し深掘りしてみる。
前提情報
・駅から徒歩10分程度の立地
・カウンター8席
・ボックス席4テーブル
・タイムチャージなし(テーブルチャージのみ)
数年前までマスターがバリバリ店を回していたが病気により急逝
当時の女性スタッフが店を継いでリニューアルオープンした
・金曜夜20:00〜22:30滞在
・出勤女性スタッフは5名
カスタマーボイス
常連さん曰く
・ママがお客さんに強く言えないキャラ
・下品な飲み方をするお客さんが増えた
・結果、昔からのお客さんが離れてしまってる
うーん、どこかで聞いた事があるような耳の痛い話だ
確かに、その日だけでも
・シャンパン1本あけて、スタッフ2〜3人捕まえて飲み終わったら、とっとと退店した人
・カウンターで前のめりになってスタッフと話している人
など、今までそのお店で見たことないお客さんが…
楽しみ方は人それぞれなので、否定するつもりはないが、確かに私が知ってる頃のお店とは違うようだ
加えて、明らかな違いを感じたのは滞在時間の短さ
終電までのんびり飲んでいる人が多いイメージだったが、その日は1時間程度でスッと帰っていくお客さんが多かった。
すぐに次のお客さんが来るので席がガラガラに開くことはなく、単純に「回転率が高い」という印象。
スナックで回転率が高いことの是非
単純に売り上げを【顧客数×客単価×リピート率】と分解した場合、顧客数が増えるのは「良いこと」だろう
しかし、スナックは長時間滞在前提のはずなので、回転率が高い事が一概に良いことだと言い切れないのではないだろうか。
実際、私も「せわしない」という印象を抱いた。
お客さんが退店するたびに、お見送りと片づけで複数のスタッフの手がとられる。
入店も同じように、荷物を預かったり、キープボトルを探したりと、バタバタする。
すると何が起きるか。
スタッフは今まさに喋っていたお客さんとの会話を中断せざるを得ない。
会話が細切れになるごとに、お客さんの熱は冷めていく。
さらに、話しながらお酒を飲む時間が減るので、売り上げの要である「スタッフがいただくお酒の量」も減ってしまう。
しかも、熱が冷めてしまったお客さんは帰ってしまうから、せわしなさのループが止まらない。
スナックは誰かにとっての居場所
スナックは誰かにとっての「居場所」である。
ちょっと話を聞いてほしい時、まっすぐ家に帰りたくない気分の時、そんな時に宿木になるのがスナックだ。
お客さんが居心地よく過ごしてくれる方が、「スタッフがいただくお酒の量」も増えるし、ボトルの減りも早い。
そして満足度が高いので、リピート率も上がる。
さらには、他のお客さんを連れてきてくれることもある。
スナックは広告を出して見ず知らずの新規顧客を捕まえるよりも、紹介のお客さんの方が質も定着率も良いはずだ。
最初の話に戻ると、「客の質が悪い」とお客さんが感じてしまうことは、致命的なのではないだろうか。
誰かにとっての居場所づくりのためには、ときにお客さんを選ぶ強い覚悟も必要なのかもしれない
スナックで働いたこともないし、経営したこともない私が、想像でスナックを語る回はこれにて終了
毎日ネタがないんだよなぁ
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