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プログレスバーを見ている間、人は思考が停止する

と、思いません?私は思考が停止します。

プログレスバーに限らず Spinner なども、表示されると脳が「あっ、待ち時間だ」と認識してしまい、以降の人生が虚無になっていることがある。で、3秒ぐらいして意識が戻ってきて「まだ終わらないのか」ってなってまた3秒ぐらい人生が Sleep してしまう。そうやって人類は毎日何億秒もの時間を虚無へ投げ込んでいるんじゃないだろうか。"> /dev/null" 的な。

Spinner はまあ、出したいものが出すべきところに出せていないのでどうすることもできないけれど、プログレスバーについては控えめな表示をしたいところ。堂々とモーダルで「処理中でござい」となっているのを目にすることがあるけれど、極力ああいうのは裏でよしなに処理したい。

プログレスバーの「プログレス」はなかなか難しくて、処理したい対象を100に分けてそれぞれのチェックポイントを通過したタイミングでプログレスを進めるわけだけれど、分割の粒度を均等にできないことがある。そうするとバーの進みが途中から遅くなったりして、見ている側の安心・安全を損なってしまう。

そもそもなかなか進まないプログレスバーを見つめたところで処理が早くなるわけではないし、均等な粒度でないプログレスバーの進捗を見ても終了時間を見積もることはできない。バーで伝えたいこととバーから読み取れることがうまく一致しないことがある気がする。

実装する側からするとバーを出すと「やってる感」(実際やっているわけだが)を出せて、なんとなく丁寧な作りにできた気がしてしまうのだけれど、実際には人のかけがえのない人生の一部をナイーブに奪ってしまっているわけで、褒められたものではないと思うようになった。

プログレスバーの長さは、人生が空費されていく時間なのだ。見つめてしまったグルグルの時間は帰ってこない。


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