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30年のファッション史

1990-1994

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ファッション誌「mcSister」や「Olive」ではラルフローレンやLLビーンなどアメリカンカジュアルを多く掲載して人気で、カート・コバーンのスタイルを手本にしたグランジファッションも派生。フリッパーズギターやピチカートファイブなど「渋谷系」ミュージシャンが登場し、Olive読者はみんなフリッパーズギターのファンでセントジェームズやアニエスベーなどのフレンチカジュアルに移行しました。

高級ブランドのコレクションに起用されるモデルは「スーパーモデル」と呼ばれて注目されました。(クラウディア・シファー、シンディ・クロフォード、ケイト・モス、リンダ・エヴァンジェリスタ、ナオミ・キャンベル、クリスティー・ターリントン)1994年にカルバン・クラインの香水「CK One」の広告にケイト・モスが起用されて、大ヒットしました。

個性的なファッションを好む女子を対象に1989年に創刊された「CUTiE」ではクラブファッションを多く取り上げていて、Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)やHYSTERIC GLAMOUR(ヒステリックグラマー)などを掲載していました。そして、メイクは細眉が流行しました。

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ゴールドで行われたステューシーのパーティーのために、インターナショナル・ステューシー・トライブのメンバーが集まりました。(左から、ALBEE、マイケル、MICHAEL K、JAMES、ALEX、PAUL、JULE、STUSSY、J.T、キム)CUTiE 1990

1995-1999

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トム・フォードが手がけた「Gucci」の1995年コレクションが話題となり70年代のシルエットがリバイバル。この頃からボトムスがどんどんローライズになりました。映画「KIDS/キッズ」が1996年に日本上映されてアメリカのストリートカルチャーが浸透してきました。チビT+ローライズパンツで腹出しスタイルが主流でした。NIKEエアマックス95やリーボックインスタポンプフューリーなど、ハイテクスニーカーも流行しました。

原宿のストリートスナップを掲載した雑誌「FRUiTS」が1997年に創刊されて、篠原ともえさんのような個性的なファッションを突き進む人たちを掲載していました。

1995年に「不安なの」でデビューし、Dragon Ashの「Grateful Days」にも参加して人気になったACOさん。足の蝶の刺青が印象的でした。蝶の刺青に時代を感じます。(Posted 2015)

安室奈美恵さんの人気で「アムラー」ブーム。渋谷109のギャルファッション「EGOIST」「LOVE BOAT」「CECIL McBEE」などの人気ショップ店員は「カリスマ店員」と呼ばれて雑誌に頻繁に取り上げられていました。「EGOIST」のカリスマ店員、森本容子さんは2000年に「MOUSSY」をプロデュースして人気ブランドになりました。(Psted 2014)


2000-2004

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GAPやZARAなど海外のファストファッションが流行し、巨大店舗が次々とできはじめました。メンズストリートブランドで人気の「A BATHING APE®」のレディースブランド「BAPY」ができてキャラクターのMilo(マイロ)グッズが流行りました。

謎にテンガロンハットが流行。それからアメリカのリアリティ番組でパリス・ヒルトンが話題になり、Juicy Coutureのセレブ寝巻きが人気になりました。そしてこの頃から有名人のことをセレブ(celebrity)と呼ぶようになりました。Dsquared2の2004年のコレクションで発表されたパンツシルエット(超ローライズアンクル丈)がとても斬新でした。

ファッション誌「mini」ではモデルとして活躍、2002年にCDデビュー。ファッションブランド「CAROLINA GLASER」のプロデュースをされたMEGさん。この頃は読者モデルとかセレクトショップスタッフの着こなしがファッション誌でよく見かけました。


2005-2009

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2004年からファッション通販サイト「ZOZOTOWN」がスタートし、携帯電話で洋服を買う人が急増しました。フリースなどで着々と業績を伸ばしてきたユニクロは2006年低価格ファッションのGUをスタート。また、2007年ユニクロTシャツ専門店UTを立ち上げ話題になりました。また、H&MやTOP SHOP、FOREVER 21など続々と海外のファストファッションが上陸してファストファッション戦争が激化してきました。

蛯原友里さん、山田優さん、押切もえさんが登場し、雑誌「CanCam」モデルが大流行しました。MINNETONKAのフリンジブーツやKITSON、ロンハーマンなどのLAスタイルが流行して、ViViの姉妹誌「GLAMOROUS」も創刊。岩堀せりさんや道端ジェシカさんなどのハーフモデルが活躍しました。また、梨花さんのブログで紹介されたCherのトートバッグなどのグッズが軒並み人気商品になりました。

2006年に発売したバッグがヒットし、「BALENCIAGA」が注目されました。2007年の秋冬コレクションのトラディショナルなジャケットスタイルがすてきでした。

2005年からブログ「サエコ栽培」でおしゃれなファッションが注目されていた紗栄子さん。2008年にダルビッシュ有さんと結婚し、芸能活動を休止して、その後もいろいろあったけど、2013年からスタートしたインスタグラムは話題になったZOZOTOWNのパーティの様子など、見応えありますね。(posted 2013)


2010-2014

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10代に人気のファッションブランド「earth music&ecology」が2010年からテレビCMに宮崎あおいさんを起用して話題に。「森ガール」も一時ブームになりました。「WEGO」では2012年にケミカルウォシュデニムを発売して 80年代リバイバルに私ら世代は正直ビビリました。そして、ボトムスがだんだんハイウエストになる傾向。2013年ZOZOTOWNがファッションコーディネートアプリ「WEAR」をスタート。「American Apparel 」のトートバッグだけが急に売れ出しました。

2011年の東北大震災から女性のスニーカーブーム。スポーティすぎないNew Balanceが人気に。ブランド別注スニーカーも多数発売されました。

2011年にデビューしたきゃりーぱみゅぱみゅの原宿系ファッションが注目されました。「FRUiTS」にも掲載。しかし、2014年に突如として「normcore」究極の普通、超シンプルスタイルのトレンドがきてしまい原宿ファッションにも終焉のきざしがおとずれました。2015年「CUTiE」休刊。

雑誌「ViVi」のモデルだったローラさんがテレビのバラエティ番組で話題になり、ファッショナブルなインスタグラムも人気になりました。(posted 2012)

2012年に代官山にオープンした「メゾン ド リーファー(MAISON DE REEFUR)」が大人気となりましたが2019年に閉店。梨花さんのインスタグラム(posted 2014)


2015-2019

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スポーツ&アウトドアブランドアイテムをタウンユースで取り入れることが多くなってきて、adidas x HYKE(2016)やsacai x NIKE(2019)などスポーツブランドとのコラボレーションも多くありました。また2017年にストリートブランドの「Supreme」と「LOUIS VUITTON」がコラボレーションしたコレクションが発表され、話題になりました。

2018年GUが元LOUIS VUITTONのデザイナー、キム・ジョーンズとのコラボレーションアイテムを発売。2015年頃からワイドパンツが流行し、スカートもロング丈が主流に。トップスもワイドシルエットをボトムスインしてウエストラインを高めに着こなす傾向。

SNS利用が増え、ファッション誌が次々と休刊しました。EC事業が好調だったZOZOTOWNは莫大な資金を投じて2018年ZOZOSUITSを開発し、プライベートブランド立ち上げに失敗してあっさり会社売却。前澤社長辞任。もう、ファッション業界にはもどってこないでほしいです。ファッションの低価格化、廃棄量の増加が止まらず、SPA(製造小売業)システムの悪化で海外のファストファッションブランドが軒並み撤退。ユナイテッドアローズ やBEAMSのオンラインショップもZOZOTOWNのシステムを使用していましたがそれぞれ自社ECに切替。

2019年、渋谷スクランブルスクエアやPARCOなど大型副業施設がオープンしましたが、アパレルショップは売り上げを伸ばせるのでしょうか。毎年それほど代わり映えのないトレンドのファッション業界の中で企画力・コスパ最強ユニクロの一人勝ち、といった感じがします。

インスタグラムが超人気の渡辺直美さん。プロデュースしているファッションブランド「PUNYUS」はWEGOが運営。(Posted 2019)

〈Supreme(シュプリーム)〉はブランド設立から16周年となる2010年にその歴史を振り返るべく『Rizzoli International(リッゾーリ インターナショナル)』からモノグラフを出版していたが、その第2弾が登場する。今回の出版元はイギリス・ロンドンを拠点とする出版社「Phaidon(ファイドン)」。
『Supreme(Vol 2)』と題されたこのビジュアルブックは、プロダクト、コラボレーション、文化的な記録など、2010年から2018年までのブランドの歩みを収めたもの。そのほかにも、映画『KIDS/キッズ』の脚本を手がけたことでも知られるHarmony Korine(ハーモニー・コリン)によるポエム、ポップカルチャーの批評家 Carlo McCormick(カーロ・マコーミック)によるエッセイに加えて、David Sims(デイビット・シムズ)、Kate Moss(ケイト・モス)、Dash Snow(ダッシュ・スノウ)らをフィーチャーしたプロジェクトも収録されている。さらに、その期間にリリースされたTシャツ一覧やアーカイブのルックブックからの抜粋などを網羅した351ページの特大ボリューム。


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