「くものアンダーソン(3)」 はらまさかず

「ちょっと待ってな」
太った猫はそういうと、どこかへ行ってしまいました。
大丈夫かなあとアンダーソンはとても心配でしたが、しばらくすると、太った猫は小さなうさぎをつれてやってきました。
「俺の名前は大福、そしてこいつはメイっていうんだ」
大福がいいました。
「ぼく、アンダーソンです。よろしくお願いします」
アンダーソンはぺこりとおじぎをします。
「よし、行こうぜ」
三びきはマンションにむかいました。

「ここです」
「入れるかなあ」
メイが、ゆうびん受けをしらべます。
「なんとかいけそうだ」
メイは、ゆうびん受けめがけてジャンプしました。

かりんさんが、一体これからどうしようかと、ベッドの上で考えていると、玄関のドアがバタンと音をたてました。そして、何やらゴソゴソと、ゆうびん受けから音がするのです。何だろうと思って、かりんさんが顔だけドアの方にむけると、バンと、小さなうさぎが飛び出してきました。
「えっ!」
かりんさんは、びっくり。
すると、うさぎはジャンプをし、鼻の先で器用にドアのかぎをあけました。
ドアがあいて、なかに入ってきたのは、
「えっ、ええーっ!」
太った猫でした。

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