「地図」 はらまさかず

ハリネズミのおじいさんは、大そうじをしました。
そして、古い封筒をみつけました。
封筒には、『地図』と書いてありました。

それは、むかし、ハリネズミのおじいさんが、
ひとりだちするときに、お母さんからもらったものです。
お母さんは、
「迷ったときに開きなさい」
といって、それをくれました。

おじいさんは、これまで
何度も地図を開こうとしました。
でも、そのたびに踏ん張ってきました。
だけどもう年老いて、それに、お母さんがどんな地図をくれたのか、見たくなって、初めて、地図を開いて見たのです。
そこには、

『あなたがどこにいても、お母さんはいつもそばにいます。
あなたがなにをしても、お母さんはあなたのみかたです。
あなたがれんらくできなくても、お母さんにはわかっています。
あなたが死にそうなときは、お母さんのいのちをいつでもあげる。』
と、書いてありました。

ハリネズミのおじいさんは、うんうんとうなずきました。

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