「うさぎのメイ（３）」　はらまさかず

大福とじゃがいもとメイは、大学にやってきました。
「大学は、ずいぶんと静かだなあ」
大福が大きな声でいいました。
「だれも、勉強してないよ」
メイがいいました。
大学には人がいません。
さんびきは、どんどん歩いていきました。すると、一つの部屋から小さな声が聞こえてきました。さんびきはドアの前までいき、メイがジャンプして鼻先でドアをあけました。
そこでは、女の人がカメラにむかって話していました。
それを見て、
「わかった、オンライン授業だ」
と、じゃがいもがいいました。
　「なんだそれ」
と、大福。
　「学生さんは、カメラのむこうにいるんだよ」
　じゃがいもがいいました。
　すると、大福はつまらなそうな顔で、
　「そんなの授業じゃないや。もっちゃんみたいに、手をとって、やり方をおしえてくれるのが授業だ」
と、いいました。
　「古いなあ。オンライン授業にだって、いいところはいっぱいあるよ。どこにいたって、勉強ができるんだよ」
　じゃがいもがいいました。それをきいて、メイは、（そうだ。どこにいるかは問題じゃないんだ！）と、思いました。