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「エリザベスの話(2)」 はらまさかず

大福とエリザベスは、窓越しに話をするようになりました。
「外へ行こうよ」
「いや」

エリザベスは思い悩み、ある日、大福に打ち明けます。
「あたし、歩けない」
すると、大福は
「知ってるさ」
「うそ?」
「ほんと」
大福は、ふふんとひげをゆらしました。
「だから、おんぶしてやるよ」
「い、いやよ」
エリザベスは、はずかしそうにいいました。

大福は町をぶらぶらしていた時、窓辺でさみしそうにしているエリザベスを見つけたのです。その、さみしそうな目がとっても気になって、ここまで通ってきていたのでした。

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