「風にのって」 はらまさかず

「人の思いはね、空気のなかにとけこんで、風にのって流れていくんです」
博士がいいました。
「だからね、ちょっとした機械を通せば、かんたんに翻訳できるんですよ」
そういって、博士は小さな機械を取り出し、スイッチを押しました。

心地いい風が、ふきぬけます。
すると、機械から、
「どんなに 困ったことが あっても、お父さんは かならず そばにいるから だいじょうぶ」
と、優しい声がきこえてきました。

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