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二島さんのよしなしごと

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現代を生きる架空人物二島さんが、日々のよしなしごとを書き連ねた日記のようなエッセイのようなお話。
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2021年12月の記事一覧

口から宇宙語

「二島さんとお仕事するの初めてですよね。よかったらTwitterかLINEのアカウントを教えてくださいよー」 新卒の子と仕事をすると、自分の感覚と他人の感覚の差というものがはっきりわかるものである。私はどちらの私も彼に見せたくなかったから、のらりくらりと適当な言葉を交わして、仕事を終えた。 部署に戻り、経過報告をしたあと、先輩にこの話をしてみた。普通の人なら初対面でどういうことを聞くのが普通なのか、気になったから、そういう質問もしてみた。 「えー?そうだなあ。好きな

大体それは全部水

 連絡しても一向に返事がない友人の家に行った。合鍵でドアを開けてずかずかと入ると、彼女が自分で自分を殺そうとしているところに出くわした。水の音が嫌に耳に響いている。ぽっちゃん、ぽちゃぽちゃ、ぽたり。  「あ」  彼女が何かを口走るよりも先に、私は彼女の腕を引っ張る。取り急ぎ、彼女の保険証と診察券を所定の棚から引っ張り出すのも忘れない。腕の傷は浅そうだから、救急車じゃなくても多分平気だな。助手席を綺麗にしておいて良かったな。昨日が給料日だったからお金もあるし、どうにかなるだ