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悲しき中間管理職・猗窩座

異空間・無限城でのパワハラ上弦会議で『青い彼岸花』という言葉が無惨様から出た瞬間に即座に反応したのは猗窩座だけだった。

恐らく無惨様は猗窩座にしか青い彼岸花の探索を命令していなかったのでは?と思う。

探知探索は玉壺の方が得意なはずだが、無惨様は敢えて猗窩座に青い彼岸花探索の重要任務を任せていたのだとしたら、猗窩座は無惨様に相当気に入られていて期待されていたのだと考えられる。

それを猗窩座も理解していて、だからこそ柱を一人始末したくらいで意気揚々と無惨様に報告へ行ったのだろう。(読みが外れて『何か思い違いをしている』とガン詰めされていたが)

猗窩座は忠義の人(鬼)である。

愛する人を誰一人として守れなかったことで自暴自棄になり、生きる意味を見失った猗窩座にとって無惨様は命の恩人なのかもしれない。

そんな君主に忠誠を誓い健気に鬼業に勤しむ猗窩座だが、気の許せる同僚は一人もおらず、後輩からは馬鹿にされ、後から入ってきた世渡り上手なパリピ鬼に先に出世される。

そんなパリピ鬼には顔を合わせる度にウザ絡みされ、窘めようものなら更に上の先輩に叱られる。

まさに八方塞がりなのである。

そんな中で偶然出会った自分と同じく『武の道を極める者』である強者の『杏寿郎』は、猗窩座の目に一体どう映ったのだろうか。

猗窩座にとって『杏寿郎』は憧れであり希望であり光だったのだと思う。

人間だった頃から鬼になった今でもずっと強さを求められ続けている猗窩座。


そんな悲しき『武の道を極める者』の胸の中にある誇りや葛藤、後悔を理解していたからこそ、煉獄さんは鬼である猗窩座に対して唯一『お前』ではなく『君』と呼んであげたのかな、と思った。

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