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悪趣味系コメディ。【映画】「人間人形 デッドドヲル」(2004)

ホラー映画って本質的にラブストーリーなのよね。感情のベクトルが少し違うだけで。

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タイトルとジャケ絵をみて「ははーん、アレだな?」って思った人は、その通りですご安心下さい。
きっしょ! 趣味ワルッ! こっわ! って思った人はやめたがいいです。

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この映画は、タイトル通りのところもあるけれども、もちろん気にかけてもらう為にわざとズラしてるところもある。だから「ははーん、アレだな?」って思った人にしかすすめられない。趣味が悪い。それはほんとう。

物語は、人間人形を巡るホラー映画である。と、書いてて思ったけど(あ、けっこう怖そう)って思っちゃうあたりがいけない。怖いというより、趣味が悪いので、けっこう眉をひそめちゃったりするんじゃないかな。と、書いてて思ったけど(趣味の良いホラーってなんだっけ?)ってわりと根源的な問題にブチ当たったので、悪趣味なホラーは正しいってことになる。

お金を払って恐怖を買うというのは見せ物小屋、フリークショーという形で古くから在るわけで、けだし、ホラー映画はその系譜にあたるであろう。

なんでこんな映画をレコメンドしてるかっていうと、まあ、知られなければ観られない。観られたとしても、有意義な映画体験かなんて分かりっこない。だからであろう、ある種の呪いのビデオとして普及したくなる。自分だけがこのアホ映画を見てしまったという事実を薄めたいのである。こうして素晴らしいホラーの連鎖、「リング(1998)」が完成する。

この作品は、人間人形を巡る男たちを描いた、少しもやっとする恋愛映画である。ただの悪趣味な映画だよと、貶めてるわけじゃない。そうでなければ円盤を中古ショップで見つけた時に即買いしてるわけないじゃないの。だから、「ははーん、アレだな?」って思った人は手に取って欲しい観て欲しい。ホラーのバトンを、あなたに繋げる。


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