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初心者の西洋美術 新約聖書(2)東方の三博士

イエス誕生を示す星に導かれてベツレヘムへ

東方の三博士(とうほうのさんはかせ)とは、イエスが誕生した時にやってきて祝ったとされる人物たちです。

そのときの話は、このような感じです。

聖霊により身ごもったマリヤは、夫ヨセフとともに、ベツレヘムへ向かっていました。

それは、ローマ皇帝アウグストゥスが戸籍調査をするよう命じ、領民は出身地に帰る必要があったからです。

マリヤとヨセフはベツレヘムに着きましたが、宿屋は満室でした。

身重のマリヤは、厩(うまや)で男の子を産みました。イエスの誕生です。

そのとき、あたり一帯の夜空が光り輝いたといいます。

イエスが誕生すると、東方の三人の博士たちは(彼らは占星術師)、ユダヤ人の新しい王者が誕生したことを示す星を見ました。

博士たちは、その星に導かれながら、ベツレヘムを訪れ、イエスとの対面を果たしたのです。

人種、年齢ばらばらの三博士

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上の絵は、バルトロメ・エステバン・ムリーリョが描いた《東方三博士の礼拝》です。ムリーリョは、17世紀のスペイン美術を代表する画家です。

3人の博士が、誕生したばかりのイエスのもとを訪れています。

博士はたちの人種は、ヨーロッパ系、アフリカ系、アジア系と様々です。年代もそれぞれ青年、壮年、老年です。

人種も年齢も違うのは、世界中の老若男女がイエスの誕生を祝っているということを意味しています。

彼らは、黄金、乳香、没薬(もつやく)を贈り物として献げました。

黄金は、王位の象徴。乳香は祈りを意味し、神権の象徴。そして没薬は、投薬を意味し、死を象徴しています。

さらに、黄金は王、乳香は祭司、没薬はヒーラー(スピリチュアルな能力を持っている人)としてのイエスの役割を示唆していると言われます。

3人の博士に対する信仰も次第に生まれ、ドイツのケルンを中心に広がっていくことになります。


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