R&Bオヤジの日本神話小説【参】 伊邪那岐命の禊祓(みそぎばらえ)
ふと思い立ち、日本最古の書物「古事記」をもとに小説を書いている。
古事記は上中下三巻あり、上巻は天地の始めから、神々の出生、日本を治められてきた皇室の始まりまでが書かれている。
わたしが書いているのは、この上巻部分「日本神話」と言われている時代だ。
今回は小説の第三回目。黄泉の国からやっとのことで戻ってきた伊邪那岐命が、死者の国の穢れを祓おうと身を清めるところから書いていく。
伊邪那岐命の左目から天照大御神がお産まれになる
黄泉の国から、もとの世界に戻った伊邪那岐命。
「わしは穢れた世界に行っていた。身の穢れを清めなければな」
そう言って禊祓(みそぎばらえ)をすることにした。
古来から、死者は穢れである。
伊邪那岐命が禊祓をした場所は、竺紫(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小戸(おど)の阿波岐原(あはきはら)というところ。現在の宮崎市である。
伊邪那岐命は身に付けていた服を全部脱いで、川の中に入った。
この禊祓のときに、多くの神様が産まれた。
まず初めに産まれたのは、伊邪那岐命が流れの程よい水の中にいたときにお産みなった八十禍津日神(やそまがつひのかみ)と大禍津日神(おおまがつひのかみ)だ。
これらの二神は、穢れから産まれた神である。人々に災厄と不幸をもたらす悪神とされる。
悪神を産んだままではいけない、この「禍(まが)=正しくない状態」をもとの状態に戻そうと考えた伊邪那岐命は、違う神様をお産みになった。
それが、神直毘神(かむなおびのかみ)、大直毘神(おおなおびのかみ)、伊豆能売神(いずのめのかみ)の三神だ。
禍をもとの状態に戻す霊力を持った神々だ。
それから、海の神様をお産みになった。
そして最後にお産みになったのが、わたしたちになじみの深い天照大御神(あまてらすおおみかみ)、月読命(つくよみのみこと)、建速須佐之男命(たけはやすさのをのみこと)の三神だ。
天照大御神は、伊邪那岐命が左の目をお洗いになったときに産まれた。
月読命は、右目をお洗いになったときに産まれた。
そして、鼻をお洗いになったときに産まれたのが建速須佐之男命だ。
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