日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」規定違反問題について考えてみる

2022年シーズンも終了し、各球団来季向けてキャンプや補強を着々と進んでいる。そんな中で突如発生した「新球場問題」。バックネットからの距離15mというのは、大分前からニュースなどで報道されており、大きな臨場感を味わえると新球場の目玉ともなっていた。工事ももう少しで完了というときに今更のように「規約違反だ」などという報道に、ハムファン含め誰もが驚きや困惑したことと思う。
先日の12球団代表者会議でどうにか来年は「特例」として公式戦が行えることとなり、来年再来年のオフで改修することで一応の収束は見せた。
こうなるしかないよなと思う反面、どうにも腑に落ちない点がある。きっと似たような感情を抱いている方がいるのではないだろうか。
ということで、自分なりにこの「新球場問題」について乱文ではあるがまとめてみた。

球団側に非があるのは大前提

最初に確認しておかなくてはいけないのが、この点であろう。
予めNPBや規則の確認をせずに工事を進めてしまったことは、お粗末というほかない。アメリカの規則に準じて設計をおこなったから問題ないと判断したという説明もあったが、当然ここは日本である。なんの言い訳にもならない。誰一人日本の規則を確認しようとしなかったのか、まったく理解に苦しむ。

今すぐ規則の改正を、という話にはならない

ファンの意見の中には「アメリカや韓国では問題ない、規約を改正しよう」なんていうのもいくつか見られた。が、これは一番してはいけないことである。ルールはルールである。ルールを破ったものに合わせて変えてしまっては、もはや規約が何も意味を果たさなくなってしまう。当然の単純なはなしである。やったもん勝ちでは他の球団が納得するわけがない。

妥当とも思う反面釈然ともしないNPBの判断

というわけでNPBが下した判断は前述でも記述した通り「①来シーズンは特例で公式戦が行える②2023,24年のオフシーズンで改修を行うこと」と落とし所としては妥当であるといえるであろう。来年どうにか新球場で試合ができるので一先ずは安心。…だけどどうにももやもやする。「来年ペナルティもなく試合が可能なら改修する必要があるのか」と個人的には思ってしまうのである。

ある意味退路を絶たれた新球場

来年試合ができることはある意味NPB側の取り計らいともいえるが、この判断を下した以上、「15m」を改修しなくてはならない、すなわち「バックネットからの距離18.288m以上を必要とする」という規約に対してなにもメスが入れられることなくこの問題が収束しそうな気がしてならない。そうなれば、ファンとしては非常に残念としか言いようがないし、そうなってはほしくなかった(いくら日ハムがルールを破ったとはいえ)。

15mが認められる余地をつくってほしかった

それであれば、「来シーズンに限り新球場での試合を特例で認める代わり、日ハム側にペナルティを与え、規約については来年オフを目処に検討を行う」などとしてくれればなあ、と個人的に思ってしまう。
それならば今後の動向によっては改修することをせずにいける余地もあった。
ペナルティに関しては、該当ゾーンの客席の使用禁止や使うにしても得た収入をNPBが持ってくとか11球団に分配するなど、必要だったのではないかとも思う。
なぜなら、なにもお咎めなしに新球場が使えるだけでなく、該当ゾーンの座席ですら観客を入れることが果たして良いのかどうかという疑問が浮かぶからである。

現行の規約の意義とは

「バックネットからの距離18.288m以上を必要とする」という現行の規約にどのようない意義があるのか。18mという距離にどのような趣旨があるのか、なぜアメリカの規則から翻訳したときに「推奨」から「必要」と訳した(あるいは意図的に変えた)のか。この新球場の問題とは「別に」考えてほしかった。すぐに答えが出るわけではないが、この点に言及がなかった点は残念だった。もしそれが「観客への安全のため」に意図的に変えていたのであれば、観客を入れることが正しいのかについても検討が必要なのではないだろうか。

規約を厳密に守る必要があるならチェック体制を

そもそも、球場を新設や改修をする際に確認を行わなかった、そのような審査が必要なかったのも原因のひとつ。セリーグは必要みたいなので、パリーグについても足並みを揃えるべきであろう。

総括

今回の件については、日ハム側の落ち度があるのは疑う余地もない。ただ、来年再来年のオフで改修してこの問題が終了となってしまいそうなのが、仕方ないとはいえ残念である。日ハム側にペナルティを与え改修せずに行く道も残してほしかったなあと思わずにはいられない。


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