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日々のきろく。海外のこと、映画・本のこと、日々の想いをエッセイっぽく綴ります

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最近の記事

読書日記『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

この本を初めて手に取ったのは小学5年生の時。 学校に来る教材屋さんが持ってきてくれたカタログにあったこの本がどうしても気になり、母にお願いして注文してもらった。 その頃の私は自分の生き方として海外との関わりに少しずつ興味を持ち始めていた時期だった。様々なバックグラウンドを持つ人たちとそのバックグラウンドを気にせずに協力したり、お話ししたりするのがこんなに楽しいんだともう少し大きくなってから実体験したが、先んじてそのことを教えてくれたのがこの本だ。 米原万里がチェコ・プラハ

    • 読書日記『マチネの終わりに』

      どうしても読みたくて、留学先で買った日本語の本がある。それがまさに『マチネの終わりに』だ。 私自身もいつか海外で暮らし、働くんだろうなという思いと、昔地元のホールにクラシックギタリストがいらして、ピアノの先生と見に行ったなあと主人公のふたりについて思いを重ねながら読み進めていた。 この物語は、一度心に湧き出た欲望に従い、起こした小さな事件が、取り巻く人々の人生を揺り動かすスイッチになることを描いていると思う。 それが人として正しいかという正義論は置いておくとして、そのス

      • 映画日記『La La Land』

        まだ大学生だったあの頃に映画館で見た映画。 確か当時付き合い始めたばかりの恋人と見に行った私には残酷なラストだった。 それから数年後社会人になり、インドに行く飛行機の中でこの映画を見た。 いつの間にかミアとセブの選択が、私にとっても選択肢のひとつになっていた。 ポップな色使い、夢を追う人たちの姿、ジャズ。 ハリウッドの映画の世界に浸り安心しきったところで、現実世界に戻される。 キャリアか恋か。 タイミングや様々な事情から、別れを選ぶこともあると思う。 一見この映画はこの

        • 大切な相談相手

          幼馴染や大学の同期、会社の同期、先輩、上司、恋人、家族。 様々な人たちがこれまで私のモヤモヤの相談相手になってくれた。 今日はその中でも、ちょっとはたから見ると不思議な関係かもしれない大切な相談相手について書きたいと思う。 ひーちゃんは、私の親戚で、年も確かひとまわり以上違う。むしろひーちゃんと両親の方が歳が近い。でも、ひーちゃんを前にすると、自分の心の底にある思いを、自然に話せてしまう。 自分の本音やモヤモヤをそんなひーちゃんに話すと、その解決策を適切に教えてくれるだ

        読書日記『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

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        記事

          さようならの流儀〜続・もし、あのとき。〜

          私はさようならが苦手だ。 特に、「お互いこの世界に生き続けるけれど、もう2度と会わない約束をするさようなら」が苦手だ。 この類の別れは、一方が申し出ることで成立してしまうのが肝で、 なかなか受け入れることができない日々を私はついつい過ごしてしまう。 とても長い時間はかかったけれど、そこから脱却する方法をきちんと言語化できたので、そんな時のことをちょっとだけ、私のために、そして私と同じような道を辿っている方のために、役立つかわからないけれど、書き記しておきたい。 実は私は

          さようならの流儀〜続・もし、あのとき。〜

          読書日記『きみの隣りで』

          この本の主人公である早川さんのように柔らかにたおやかにそして自由に軽やかに生きたい。 早川さんは、妻であり、母であり、翻訳家である。 お取り寄せが大好きでもある。 そんな早川さんとその家族の好きなところは、 毎年早川さんが一人旅に出かける時期があるところだ。 私も自分自身のアイデンティティや環境が変わっても、 一人旅に出かける時間は大切にしたい。 一人旅でなくても、行ったことのない国に行き続けたい。 きっとこれからやってくるであろう私の子どもも、早川さんの息子・太郎

          読書日記『きみの隣りで』

          素敵なご夫婦

          「ありがとう。あなたのおかげで良い結婚記念日になったよ」 ちょうど2年ほど前の春、都内のとある神社にお詣りに行った。 以前から行ってみたかった神社で、足取りも軽く向かった。 境内に入ると、前にお詣りをするご夫婦がいらした。 私も彼らに続きお詣りをする。 おみくじを引こうと歩き始めると、交代で写真を撮るご夫婦の姿が。 せっかくなのでと思い、お写真お撮りします、とお声かけをしてみた。 奥様は少し恥ずかしそうに、ご主人はとても嬉しそうに笑顔を作り並んでいた。 写真を撮り終

          素敵なご夫婦

          読書日記『深夜特急』

          「あ、このひとと仲良くなれそう」 そう思ったひとに好きな本を尋ねると、必ず沢木耕太郎の『深夜特急』と返ってくる。 このシリーズを本格的に読み始めたのは、ちょうど横浜に着港しようとしていたダイアモンド・プリンセス号のニュースで持ちきりだった日だった。 たまたま、旧友がダイアモンド・プリンセス号に乗る予定というので、見送りに知り合いたちが集まり、互いに感染対策をしながら過ごしていた。 その中に初対面の方がふたり。 おふたりとも海外にかなり縁がある方で、これまでやこれからの話

          読書日記『深夜特急』

          遅ればせながらの自己紹介

          そういえば自己紹介を全くしてなかったのでこの機会にしようと思います はじめてまして!よもぎと申します。 海外や本、日々の暮らしの中で思ったことを自由に楽しく綴る場が欲しいと思い、noteを始めました。いつかは物語も作り出せたらいいなと思っています。 空港と飛行機の雰囲気が大好きで、飛行機を使う旅行は一段とわくわくします。そんなわくわくを日々の生活からもすくいとって記録していきます。 どうぞよろしくお願いいたします!

          遅ればせながらの自己紹介

          心あたたまるお取り引き

          この前、とても心があたたまる出来事があった。 私はその方が数十年前にお母様が仕立てたというお着物を譲っていただくことになった。とても素敵なお方で、サイズやしわの取り方、保管の仕方などをとても丁寧にわかりやすく教えてくださった。 お写真で一目惚れしたお着物。 実際届いて箱を開けてみると、美しく着物や襦袢が畳み重ねられていた。 その方がこの着物を大切に大切に保管されてきたのだろうなというのが着物を通じて伝わってきて、さらにその着物を好きになった。 これから私がその着物を大切

          心あたたまるお取り引き

          私と夫の物語

          ちょっとだけ、私と夫の物語を書いておこうと思う。 私と夫は、マッチングアプリで知り合った。 『ローマの休日』を見ている時に繋がり、 映画の話や好きなもの、これまでやこれからについてLINEでお話しした。 今だから言えるけれど、 実は夫とは付き合ってから初めて会った。 声も顔も付き合ってからちゃんと知った(写真は見ていたけれど…) 当時遠距離で、なかなか会えない場所にお互いいたためだ。 なんで夫と付き合ったかというと、 この人と話している自分自身が穏やかで私らしいと思えた

          私と夫の物語

          読書日記『四月になれば彼女は』

          本を通じて自分の成長と時の流れを知る そんな体験をさせてくれたのがこの小説だ。 確か、発売された当初にこの小説を読んだと思う。 まだ大学に入りたてで、ラテンアメリカ熱に浮かされていた私は、 ウユニ塩湖が美しく描かれた表紙に惹かれこの本を手に取った。 残念ながら、当時はこの小説に登場する人物に共感できず、胸が苦しくなって読み終え、その後、引っ越した際に手放してしまった。 年月を経て、なぜか最近、その本がふと読みたくなった。 過去の苦い記憶とわくわく感と共にページをめくる

          読書日記『四月になれば彼女は』

          もし、あのとき。

          ちょっとだけ、昔のことを。 好きなひとができた。彼はユーモアがあり、いろいろなことを考えているひとだった。とても賢くて、鋭くて、私とは違う思考回路で生きている人だと思った。背もとても高くて、彼の背丈になってみたらどんな世界が見えるんだろうとちょっと憧れてもいた。 知り合ったのは、友達に呼ばれたホームパーティ。そのあとインスタでフォロリクが来て、おしゃべりを始めた。ご飯に行ったり、ちょっとお出かけしてみたり、カフェでいろんな議論をしたり、とても楽しい時間だった。ちょっと遅れ

          もし、あのとき。

          読書日記・彬子女王(2024)『赤と青のガウン オックスフォード留学記』

          オックスフォード大学で博士号を取得なさった彬子女王の作品。 思わずクスッと笑ってしまうようなエピソードがたくさん詰まった宝箱のような1冊だった。 彬子さまのつづる文章は、すっと私の隣に来てくださり、話しかけてくださるようであった。一場面一場面を瑞々しく想像しつつ、私自身の留学時代・大学院時代の記憶をめぐる中で、私もこんな経験したなあと彬子さまとの共通点を恐れ多くも見つけられるのがこの本を読み進める楽しみとなっていた。 いつかこの本をかばんに入れ、オックスフォードの街並みを

          読書日記・彬子女王(2024)『赤と青のガウン オックスフォード留学記』

          おじいちゃんと桜

          2024年春。今年は去年より桜の開花が遅かった。 満開に咲いた翌週、おじいちゃんが他界した。 90代で、20年以上も体に不自由さを抱えながら暮らしたおじいちゃん。努力家で、美味しいものと犬が大好きで、家族思いだった。 小さい頃はおじいちゃんと、おじいちゃんの部屋で水戸黄門を見てから寝るのが習慣だった。小学校から帰ると日向ぼっこをするおじいちゃんの隣にいき、お話しした。 高校生になると、おじいちゃんの部屋を私の勉強部屋として使わせてもらった。おじいちゃんがおばあちゃんに頼

          おじいちゃんと桜