[詩]散歩

咲かせや 咲かせ

久しぶりの外気 刺すような冷たい風 

風が強い 頭の上は青空で左前方は灰色雲
時々雲のスキマから顔を出す太陽がその場を強く照らす

風が強い 冷たい風なのにどこか温かい。なんとなく春が近づいてきている事を予感させる風。

春が恋しい。あのくすぐったいような春風で撫でて欲しい

だけど僕は何も出来てない
何も進んでない
何も変わらない。

本当なんだ

止まっていたように見えても進んでるなんて嘘だろ

本当は止まっているのに時々進んでいるような気がする時がある
でも、しばらくするとそれは勘違いだったって気付く
やっぱり止まってたんだって実感する

春が来るのをじっと待つ

虚無な一日をベッドの上で消化してじっと待つ

川はやっぱりいいな

人生は川みたいだ

川に浮いてる枯葉かな

時間と共に川は流れる

僕らは川に浮かぶ枯葉だ

色んな思いと共に流れる

たまに自分の中に願いが生まれる

欲望と言ってもいい

そういえばどうして人間は願いや夢だとか綺麗な言葉を作ったんだろう
欲望じゃダメなのかな
そんな所に人間の嫌らしいところが見えるよ

話しを戻す

自らの中に生まれた欲望を叶える為に僕は必死に漕ぐ

まるで向かいたい場所があってそこにたどり着くためのように

でも僕らはただ浮かんで流されているだけの

鳥の群れが列を作って飛んでいた
とても懐かしい
子供の頃はいつもそんな鳥の群れを見ていた気がする
矢印みたい
そうだね
そんな会話もしていた気がする

そう、僕らはただ浮かんで流されているだけの枯木だ

僕らに決定権などない

信号機が青だった

僕は渡る

渡りかけにチカチカしだした

男の人が小走りに渡る

いったいどれくらいの人があのタイミングで小走りで渡れるのだろう

きっとみんな出来るんだ
それも驚くほど自然に

僕には出来ない
きっと昔の僕は出来たんだろう
でも今は出来ない
正直出来るがかなりの労力がいる
僕はそれを努力だと思ってしまう
きっと世の中一定数は同じように考える人はいるだろう
そう想像して僕は忘れる

そう、僕らは何も出来ない

決定権などない

運よく願ったとおりの場所に辿り着けたとしてもそれは本当にただ運が良かっただけだ

それは僕らの努力に比例しない

雨が降ってきた

もしかしたら途中の丸太に引っかかって流れなくなるかもしれない

でも僕らはどうすることも出来ない

どれだけ必死に漕いでもその丸太から抜け出せるかどうかはわからない

抜け出せるかもしれないし抜け出せないかもしれない

枯葉はいずれ朽ちて消えていくのだろう

僕らはその瞬間を見る事は出来ない

風が強い

頭上にうっすら雲がかかっている

弱い雨が降っている

もう充分な気がする

何故か変わりかけてた信号を渡れたよ

わからない

ただ嬉しかった

ありがとう

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