ただの的当て

あれは的当ての的です。

わりと長い事的をやっています。

いつも撃たれて、色々な所を陥没させられて

よくやってるなあって思います。

長い事やっているので陥没する場所がなくなってしまいました。

狙う場所がありません。

もう、埋まった弾だらけです。

そしたらあの的は

撃った弾を跳ね返してくるようになりました。

跳ね返して、弾を撃った本人にぶつけてくるようになりました。

やがて、どうやったのか埋まった弾を抜き出して全く関係ない人間にも弾を当てるようになりました。

的は、的にされていると気付いて、ずっと弾を撃ってきた人間を倣って反撃を始めるのです。

誰に反撃するか

それはこれを読んでいるあなたです。

長い事的になると誰が撃ってきていたのかわからない、というかどうでもよくなります。

的が憎いのは個人ではなく、社会です。

あなたが的を目がけて撃ったかどうかなんて、もはやどうでもいいのです。

的はとにかく、あなたを含めた社会、またはこの世の全ての人間が憎く、撃ち殺してやりたいのです。


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