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全国通訳案内士試験(フランス語)二次試験対策 話し方編

新人研修で知った、試験前に知りたかったこと

今回は私が合格後に通訳ガイド新人研修で学んだことのなかから、「それ、受験前に知っておきたかった!!」と思った情報の共有です。
口述試験で通訳ガイドとしての適性がどの程度問われているのかは分かりませんが、話の組み立て方、話し方に迷っている方の参考になれば幸いです。

心がまえと話し方

通訳ガイドとして大切なことは、お客様の物理的、精神的満足を追求すること。ツアー参加者の人数によっては限界があるとは思いますが、できるだけお客様と互いに対話しながら進めていき、お客様も発言できるような雰囲気づくりが大切とのことでした。
具体的には、アイコンタクトを欠かさない、楽しげな話し方を心がけているそうです。口述試験でも、プレゼン後に質疑応答があり、最後は観光中よくあるシチュエーションでのロールプレイングがありますが、質疑応答というより「応対」に近づけられると良いかもしれませんね。

話の内容と組み立て方

お客様へのアテンドやツアー中、特定の事象や文化について説明する場面が多々ありますが、特定のトピックについての説明準備段階では、聞き手がまっさらな知識の人という前提で、外国人観光客の一般的「なぜ?」への答えも含め、説明を考えておくそうです。
さらに、ガイドブックに掲載されている情報やイヤホンガイドの説明との差別化も考えているとのこと。具体的には数値的なデータ、ファクトを含めた「公の情報」だけでなく、それらをバックアップする生の情報として、ガイド本人の経験や私見、一般的な日本人がどう考えて生活しているのかも盛り込んでいるそうです。
もちろんバランスが大切です。ガイドの個人体験や私見が多すぎると、雑談と何ら変わりない話の内容になってしまいます。
つまり有償ガイドならではの情報とは、事実と観光客のニーズを踏まえた情報、さらに一般的日本人の意見、これらがバランスよく含まれる内容でなくてはならない、ということのようです。
口述試験の私のプレゼン回答をこれに当てはめてみると、ガイドブックに掲載されている情報ほどの厚みはなかったものの、私見を交えて楽しげに紹介できたこと、観光客ニーズは踏まえていたなと思います。

話の組み立てかた

あるベテラン通訳ガイドの方が研修の中でおっしゃっていたことです。
ガイディングの際、ひとつのトピックについて15分も20分もだらだらしゃべるのはNGだそう。聞き手の関心が逸れがちだからです。
聞き手が食いつかない、長い説明にならないよう、内容を2分程度にバラせるようにしておき、状況に応じて2分ブロックを組み立てられるようにしておくそうです。
まずはコンパクトに概要説明を2分。聞き手がまだ関心がありそうだったら、さらに詳細を2分。移動中でまだ目的地につかない。ならばあと2分。というように、2分毎のブロックを足したり引いたりするそうです。
このお話で、口述試験の2分間のプレゼンで何を話すべきかが分かった気がしました。(もっと早くに知っておきたかった…)

受験後に後悔したこと

私はプレゼン後の質疑応答では適当な回答しかできませんでしたし、試験の最後のロールプレイングでも、ガイドとして完璧な応対ができませんでした。試験終了後、観光客のことを知ろうとする意識が全く足りていなかったことを痛感しました。日本を深く知ろう、説明力をつけようと頑張ったものの、彼らがどんなことに関心を持っているか、日本で何が欲しいか、何にとまどい、何に困るかを知ろうとする意識が欠けていたことことに気づきました。

日々忙しい中、何とか勉強時間を捻出し、限られた範囲で試験に向けて努力していらっしゃる方がほとんどだと思います。いつもの街を外国人観光客目線で歩いてみるだけでも、きっと得られる情報がたくさんあるはずです。ぜひぜひ実践してみてください。


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