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追いかけて 追いもとめても さむざむ ひえびえとして つらくて 悲しくて やりきれません…
[散り落ちた薔薇] いまや単衣の 新酒の味を試る季節 わたしは旅の身 いたずらに時を過ご…
[柳のうた] まっすぐな柳の蔭 薄もやのなか 碧の細い枝がゆらゆらと 隋堤のほとりで い…
柳の薄暗がりに鴉が鳴いている 単衣一つで佇む 小さな簾をあげた朱塗りの戸口 半畝ばかり咲…
ここは章台通り 梅の梢には もう色褪せた花 桃の樹には いま咲きそめた花 路地はひっそり…
[章質夫の「楊花(=柳絮、柳の綿)」の詞に次韻する] 君は花のようで また花ではないよう…
[赤壁にて古をしのぶ] 長江は東へ滔々と流れゆく その波は いにしえの英傑たちをすっかり濯ぎ去っていった 古城の石垣の西のあたり そこがかの周瑜ゆかりの赤壁だと人は言う ふぞろいな岩は空へ突き出し さかまく波は岸へ激しく打ちつけ 雪のごとき飛沫を巻き起こす 一幅の絵のような山と江 ここへかつて 多くの豪傑たちがいた 周瑜はそのとき 小喬を娶ったばかり その姿は勇ましく 才気に満ち溢れていた 手には羽のうちわ 頭には綸巾をかぶり 涼しげに談笑する間に
しとしとと 暮れなずむ長江に雨は降りそそぎ 洗われた秋の空は 冷たく澄みわたります いつ…
思えば あの部屋であなたと初めて会ったとき あのままずっと いっしょにいればよかったので…