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映画『もったいないキッチン』

フードロスを取材してきたオーストリアの監督が、日本の食や農の現場をめぐるドキュメンタリー。

フードロス大国の日本をもっと批判する内容にも出来ただろうに、終始日本の「もったいない」にリスペクトを持ってポジティブに食材を救出していく監督がクールだった。

この映画の中で描かれる環境問題も貧困も絶望的なだけに、監督の姿勢と映画のトーンが終始明るいのが本当に救い、というか推進力になった。

1番印象的だったのは、野草を調理する京都のおばあちゃん。
自分は食べ物の99%を買っていて、流通網が途絶えたら何も食べられない脆弱なシステムの中に生きている。
しかも唯一買っていないパセリすら、ベランダという限られた私有地で、買ってきた土で育てている。
都会は安心して食べていけるためのコモンズが圧倒的にないことを実感した。

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