July, July / Tim O'Brien
1969年に同じ大学を卒業した学友たちの、2000年7月の同窓会の話。
主人公は不在で、卒業生1人1人の7月が順番に描かれていく。
感想としては、終盤のセリフに出てきたone last timeという表現が象徴的だと思った。
みんな53歳になって、旧友がこんなに集まるのも最後だろうという同窓会。
そんなシチュエーションが、人を大胆に、もしくは素直にしていく。
誰かが抱えていた重い秘密を打ち明けたり、
離婚した2人が初めてお互いの傷に寄り添ったり、
接点のなかった2人が一緒に踊ったり。
同窓生のなかには亡くなった人や戦場を生き抜いた人も居て、だからよりいっそう誰かと再会できる今が奇跡のように思える、温かい小説だった。
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