Pastel/坂口恭平

最近引っ越ししたのだが、新居周辺に書店が無い。市内ではわりと中心部に近いのに、TSUTAYAも戸田書店も閉店。
最寄りは、巨大モール内の紀伊國屋か、車で行きにくい老舗書店か、という状況になってしまった。
本屋さんに行くのが好きな私には、由々しき事態である。

しかしさすが老舗書店、郊外店にはない本がたくさん置いてある。
美術書も結構充実していて、ある日、特に目的もなく眺めていた。
すると、面陳してあった「Pastel」に惹き付けられた。恥ずかしながらその時は全然知らない作家さんだったが、好奇心のままに購入。

パステルで描かれたたくさんの風景画の画集だった。
考えてみれば、自分にとっては風景画は、水彩や油絵で描かれているイメージがあり、パステル画が珍しく感じ、目に留まったのかもしれない。

作品ももちろん素敵なのだが、あとがきが好きだ。もう何度も読み返している。

陽=良い、陰=悪い、という私の思い込みを一蹴してくれた。
強い光には濃い影が出来るのだと。

私も自分なりの健康を取り戻した後、イラストを描きたいと急に思い立った。
学生の頃は、仲間うちで同人誌みたいなものを作るくらい、イラストを描く事が好きなのを思い出したためだ。
はじめは全然思い通りに描けなかったが、だんだんと細かい描写ができるようになってきた。
それは、観察力が上がったためだと思う。

あとがきを読んで、つまりは、イラストを描きたい=もっと観察したい=もっと生きていきたい、ということなのか!と、答えをもらった気がした。

坂口恭平さんがnoteで文章を書かれているのも、noteを始めてみた理由のひとつだ。

私は別にクリエイティブでもなんでもないので、次から次へ文章があふれでる、何て事はない。悩み悩み書いている。
そしてSNSである以上、「本当に」自由に文章を書く事はできない。
「人を不快にしないように気をつけて」自由に書く必要があるのだろう。
それでも、その自由の中で自分を表現することが、何かしらの実りに繋がるような気がした。
そんな希望をもって、記事を書いている。



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