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【全文無料公開】士業・コンサルタントのためのプロ論-“素人専門家”を1日も早く卒業せよ-

横須賀輝尚です。
はじめましての方は、私については下記をどうぞ。今回は、2022年に書き下ろしたKindle「士業・コンサルタントのためのプロ論-“素人専門家”を1日も早く卒業せよ-」を全文無料公開することにしました。Kindleにて購入(Kindle Unlimitedなら無料)することもできますが、この記事ですべて読むことが可能です。

※なお、Kindleには読者特典があります。詳しくはこの記事の最後に。

感想ツイートも多数寄せられてます!

横須賀輝尚とは?
23歳のとき行政書士で独立開業し、1年で月商100万円達成。その後は全国2000名以上の士業にコンサルティングしてた士業法律家専門のマーケティングプロデューサー。20数冊20万部超のビジネス書作家。半分は法律書、半分は士業マーケティング関連書。

より詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

「プロ論」については、stand.fmやSpotifyでも音声配信を録り下ろしで配信しています。より最新の「プロ論」を学びたい方は、ぜひ下記の音声配信も合わせてお聞きください。

【全文無料公開】士業・コンサルタントのためのプロ論-“素人専門家”を1日も早く卒業せよ-

はじめに これでまた、私のことを嫌う人が増えるだろう

ああ…ついに書いてしまった

ただでさえ、「怖い」、「厳しい」、「キツイ」、「見た目がチャラい」という印象の私なのに、こんな本を書いてしまったら、一層それに拍車がかかる。まあ、見た目がチャラいというのは認めるけれど…。 

さて、そんなフォロワー大激減のリスクを背負ってまで、本書を上梓したには当然理由がある。それはシンプルで、士業・コンサルタントとしてあなたに「プロフェッショナル」になってほしいからだ。もちろん、生き方は自由だし、あなたはあなたらしく好きにやれば良いと思う。

でも、もしあなたが一ミリでも「プロになりたい」と思っていたら、本書は記憶に残る一冊になるはずだ。士業として、コンサルタントとして、私の二〇年を詰め込んだ。きっとあなたの「プロ観」を変えることになると約束しよう。

 本書のメッセージはストレート。

もし、あなたがプロになりたいと思っているのであれば、今日からプロを目指そう。そして、一日も早く“素人専門家”を卒業しよう。

 これだけ。

別の言い方をすれば、せっかく士業・コンサルタントとして独立し、事務所を経営していくのであれば、プロになろうよ。これは私の個人的なメッセージ。だってプロになった方が格好良いし、当然収入も自然と上がっていく。それがプロの世界だ。

私のメッセージは軽くない。重いとか厳しいという声もあれば、「劇薬」だって声もある。ただ、もしあなたが十把一絡げの存在から早く脱却したいというのであれば、一度は触れてみるのも良いと思うよ。ここまで読んだってことは、おそらく気になっているってことだから、一度は私の世界に触れてみてほしい。

では、今日からともにプロフェッショナルの道を歩んでいこう。

第1章 プロになりきれない”ダメ士業”、”ダメコンサルタント”とは?

自分の人生、好きなように決めればいい。でも…

最初に言っておくけど、これは私の考え方や価値観を押し付けるもんじゃない。多様化、ダイバーシティと言われて久しい現代。あなたはあなたの価値観で生きていけば良いと思う。とは言え、私には私の考えやプロ観があるからこそ、こうして本書を書いているわけなんだけど、前提として言いたいことはこれ。

私は私の言いたいことを言う。
あなたがそれに共感できれば嬉しいし、ぜひ一緒にプロの世界で切磋琢磨したい。
でも、合わなければ無理する必要はない。
ただし、私を信じてくれた人は絶対に勝たせたい。

この四つ。だから、すでにこの文体が嫌いとか、そういう人は時間の無駄だからすぐに職場に戻った方が良いと思う。まあ、ちょっと寂しい気もするけど、もはや絶対的価値観はない時代になったと思ってる。男らしさ、女らしさ、とかね。もはや迂闊に書くことができなくなったテーマも多い。だから、プロ論なんかも本当に価値観が相対化されちゃって、「あなたはあなた。わたしはわたし。」がスタンダードな基準になっちゃっている。

でも、こうした価値観が相対化される時代だからこそ、私は偏っていたとしても、持論を伝えたい。それが本書が生まれたきっかけでもある。

結論から言えば、前掲のとおりあなたの生き方は自由。半端な専門家でいることもひとつの選択だし、プロを目指すのもひとつの道。

ただ、私が言いたいのは「せっかく士業・コンサルタントとして独立するのであれば、プロになろうよ」ってこと。SNSでお客の悪口を匿名ツイートするような人、格好いいかな?あるいは、資格のヒエラルキーでマウントを取るの、そんなに楽しいかな?SNSでバズりたいが故に、業界あるあるばっかり言っているの、何のためにやってるの?そんなに承認欲求満たしたいの?自己顕示欲が押さえられないの?もちろん、ユーモアとしてのSNSは存分に楽しんだら良いと思う。

 でもさ、この世界に入ったからには、やっぱりプロになってほしい。それが私の意見であり、願いみたいなもの。さ、少しその気になったのなら、早速次にいってみよう。

あなたには、見られているという感覚があるか?

プロに必要なものは何かっていうのは、あなたにもなんとなくイメージはあると思う。それはスキルだったり知識だったり、色んなものがあると思うけど、そんな知識やスキルがある自称プロでも、すっぽり抜けている感覚がある。それが、「見られている」という感覚だ

詳しくは後述するけど、難しくいえばこれは「メタ認知」の話。まあ、細かいことはあとにして、要は常に見られているって感覚があるか。これはプロとして極めて重要なことだと私は考えている。

「はじめに」で少し書いたけど、SNSでの発言などがまさにそれ。お客の愚痴、仕事のミス、SNSで発信することは自由だから何を書いてもいいんだけど、それを見た人がどう思うかってこと。お客が見れば、良い思いなんて当然しない。ミスをした人をプロとは呼べない。言われればあたり前のことなんだけど、意識がない人はついこうした情報発信をしてしまう。

資格試験合格後に、SNSのアカウント名に「開業準備中」なんて加えてしまう人もいる。まあ、匿名で備忘録的にするならまだわかるけど、実名顔写真付きで情報発信してしまう人もいる。開業準備中でしょ?開業したら開業中とでも書くんだろうか。それって「まだまだ駆け出しの素人です」って言ってるのと差して変わらない。もちろん、士業の世界は試験制度やそれに関わる開業プロセスなど、致し方ない部分はある。特に行政書士などは業務未経験から即独するしかない環境が多く、「新人行政書士」なんて言葉があったりする。 

特にひどいのは、こうした「開業準備中」や「新人」を自ら言ってしまうこと。こういうのは、必死で隠すものだ。そうしたことを悟られないように突っ張る。開業初期はどうしてもそういう時期がある。でも、開業してしまえば、キャリアなんて関係ない。プロの顔をしなきゃならない。少なくとも私はそうしてきた。そして最大の問題は、「開業準備中」、「新人」と表現してしまう場合、依頼するお客のことをまったく考えてないってことだ

お客からどう見られるか。これを考えたら、準備中も新人も絶対に書けないし、お客の愚痴や仕事のミスなんかも情報発信することは絶対にできないはずだ。あまりにも自分のことばかり考え過ぎて、ほかが見えていない。こんな存在、果たしてプロといえるだろうか。

私はプロなら、どう見られているか、きちんと意識すべきだと思う。これがわかれば、情報発信の仕方が変わるし、優秀な士業・コンサルタントを見抜く方法になる。本物のプロは見られているって感覚があるから、発言内容ひとつで選別できる。そういうことだ。

SNSに蔓延する愚痴、批判、中傷…すべての原因はどこにある?

SNSを鬼の首を取ったように批判しているように聞こえるかもしれないけど、別にSNSそのものが悪だってわけじゃない。私もブログ活用で世の中に出てきたわけだし、TwitterもFacebookもLinkedInもアカウントつくって情報発信している。

そんなSNSの中で、お客の愚痴や仕事のミス、同業者または他士業への批判などの情報発信が散見することはすでに伝えたとおりで、これは見られている感覚が欠如しているってことは説明した。見られている感覚があれば、当然こういった発言をすることはなくなるんだけど、そもそもこういったことが起きていることが、プロ意識の欠如につながっているんだ。どういうことか?

例えば、よくあるのが「私にもお客を選ぶ権利がある」投稿。もちろん、これに関しては否定することはないし、嫌な客は相手にしない方がメンタル的にも健全だ。でも、よく考えてみてほしい。そして、そんな投稿をしてしまう人に言いたい。

「そのお客って、あなたが呼んでるんだよ」

って。論外のクレーマーや迷惑客は例外として、値下げをしてくるお客、無茶な要求をしてくるお客。すべてこれって自分自身で呼んでしまっているからこそ、現れるんだ。値下げをしてくる客が来てしまうのは、あなた自身が安くやってくれそうという印象がある、あるいはマーケティング・プロセスが安そうな事務所に見える。そういうこと。そして、それって自分でつくったんでしょ?ってことです。

厳しい言い方だよ。でも、これが事実。誰かのせいじゃないの。自分のせい。これは2章のプロフェッショナルの条件に加えてもいいくらいだけど、プロは他責でものごとを考えない。必ず自責でものごとを考える。別の言い方をすれば、嫌な客を連れてきてしまうってことは、それだけのマーケティングスキルに過ぎないってこと。厳しい言い方だけどね。だから、お客が悪いんじゃないの。自分が悪い。

他責で考えるのは楽だよ。誰かのせいであってあなたのせいじゃないもん。でもさ、これってただの言い訳なんだよね。ビジネスの世界には色んな格言みたいなものがあって、「郵便ポストの色が赤いのも自分のせい。雨が降るのも自分のせいと考えよ」みたいな極論もあるけど、少なくとも自分の周りで起きていることのほとんどは自分が原因なんだよ。ここに立ち向かっていくのは勇気がいることなんだけど、立ち向かえるのがやはりプロなんだと思うよ。

その知識、低レベルです

なんだかSNSの悪口みたいなのが多くてアレだけど、別にSNSそのものは悪いもんじゃない。でも、そんなSNSで行われている残念なもののひとつが、自称専門家による醜いマウントの取り合いだと私は感じている。知識のマウントもあれば、成功度みたいなマウントの取り合いもある。「マウント」っていまでは普通の言葉になったけど、いつからこんな感じで使われるようになったんだろうか。 

まあ、マウントを取りたい人は承認欲求を満たしたい人。SNSでしか満たされることないんだね…とか書くと炎上しそうだけど、ポイントはそこじゃない。本書をお読みの読者に、まるで前世で承認欲求と自己顕示欲を拗らせたかのような人はいないと思うけど、知識を出すときには注意が必要。これもある意味「見られている感」に近い。 

例えば、LinkedInとかによく見られる傾向なんだけど、商談のテクニックやビジネス心理学についてドヤァと記事を投稿する人がいる。もちろん、お役立ち情報として投稿するのは良いことだし、情報発信することは重要だ。でも、その知識を出すときには注意が要る。それは、その知識が果たして世の中ではどのようなレベルなのか?ということだ

ビジネスに関することをすべて学ぶことは不可能だ。でも、ある程度まんべんなく学んでいくと、大概どこかで出てくる代表的なものがある。例えば心理学で言えば、接触回数が増えることで好印象を持つようになる「ザイオンス効果」や、誰かに期待されると成果が出やすくなる「ピグマリオン効果」など。こういうのは代表的なものであって、一定レベル以上のビジネスパーソンにとってはあたり前のこと。だから、これら代表的な知識を「こんなの知ってますか?知らなかったでしょ」ってドヤるのはかっこ悪い。つまり、プロには見えないってことになる。 

別の言い方をすれば、プロなら知識やスキルの全体観を持っているってことかな。あなたも例えば士業なら、商業登記の基礎的な仕組みをドヤられても「あたり前の知識じゃんそのなの」って思うでしょ。それが別のジャンルで起きてしまうわけ。

まとめると、プロとして出す情報や知識には、やはりプロらしさが要るってことだ。レベル観を知るには、相当な勉強量が要る。広範囲な知識がいる。こういうと萎えてしまうかもしれないけど、こうした高い壁を超えていこうとする姿勢がプロってもんじゃないの?

少なくとも、私はそういう考えでやってきた。だから20年も続いたんだと思ってる。

"素人専門家”を、1日も早く卒業せよ

さ、序章としてはだいぶ厳しいことを言ってきたと思う。もちろん、言いたいことはもっとあるんだけど、私のメッセージはひとつ。早く素人専門家を卒業して、本物のプロフェッショナルになりましょうってこと。

冒頭でも伝えましたけど、士業・コンサルタントとしての生き方は千差万別。あなたがどんなやり方、あり方をしても自由であり、それはあなたの選択です。

でも、どうせなら格好良く生きませんか?っていうのがあなたへの問いかけであり、私の意見。

お客にも同業者にも尊敬される。きとんとプロを目指せば、当然報酬も上がります。結果としてあなたの実現したいことは実現できるでしょうし、承認欲求だって自然と満たしちゃうことでしょう。まあ、少なくとも士業・コンサルタントというジャンルはそもそもプロとして見られる世界ですからね。目指さないというのは、結果としてこの世界で生き残ることが難しくなるっていうのも自明の理です

別の言い方をしましょうか。例えば、あなたが大切にしている人。両親や配偶者、子供や友人、知人。そういう人たちにどう認識されたいですか?「プロフェッショナルかつ人間的に尊敬できる人」って認識されたいですか?それとも「あいつは口だけ、資格だけはいっちょ前だけど、言動がダサい。プロじゃない。身内として恥ずかしい投稿をいつもしている」って思われたいですか?まあ、後者の意見はあえてかなり辛辣に書きましたが…

私自身ちょっと特殊なジャンルですが、士業ビジネスのプロフェッショナルと自称してきました。士業に関わるビジネスなら、何でも精通している。これってすごい自称なんですよ。そんな簡単に断言できることでもないし、勇気も要る。でも、この道のプロになろうという決意をして、日々積み重ねてきました。

自賛になっちゃいますが、まずは20年のビジネス継続。著作は商業出版21冊20万部。メディア掲載は、日本テレビ、日本経済新聞、週刊ダイヤモンドなど。まあ、このあたりはもうご存知かもしれませんね。「すごいなぁ…」って圧倒しちゃうかもしれませんが、私のスタートは、社会人経験、行政書士経験ゼロの23歳。なーんにもなかったんです。そこからコツコツ積み上げてきただけ。だから、あなたも必ずプロになれる。1日も早く素人専門家を卒業して、ともに本物のプロになりましょう。

第2章 プロフェッショナルの条件

専門領域があるのは「最低条件」。持論を持て。

さて、ここからはプロフェッショナルになるための条件について解説していく。もちろん本書にあることがすべてではないし、細かい条件を言い出したら切りがない。そこで、本書では最近私が考えている「プロの条件」について解説していこうと思う。まず、プロの条件としてよく挙げられるのが「専門領域」だ。プロは「専門家」ちと言い換えることもできるし、専門領域を持つことに異議はない。でも、ちょっとこのあたり履き違えている人が多いので注意喚起しておきたいのだ。

例えば、士業なら「○○専門」と掲げる人は多い。行政書士なら建設業許可専門とか相続専門とかそういうもの。では、この○○専門がイコールとしてプロの要件を満たしているかといえば、ちょっと違う。「○○専門」というのは、単なる自分の領域を表しているだけであって、看板を立てただけのようなもの。つまり、専門領域を決めて、研究と実践を重ねて本物の専門領域をつくっていくことが重要だ。少なくとも、その分野でプロと名乗るなら、国内でトップ10%に入るくらいの気概がほしい。できるかどうかではなく、気概ね。覚悟と言っても良い。

そして、単なる知識の詰め込みだけでは意味がない。知識だけなら、Googleの方が上だからね。ではどうすれば良いいかといえば、持論を持つこと。業務でも知識でもスキルでも、最初は守破離の文字のごとく、素直に学ぶことは大事だけれども、徐々に自分だけの考えを持ってほしい。それこそプロだと私は考えている。これは持論(基準)でも良いし、オリジナルのコンテンツをつくることでも良い。これは資金調達コンサルタントのトッププロの小堺桂悦郎先生の言葉を借りるなら、「プロなら自分の考えを1冊にまとめよ」ってことかな。商業出版でもKindleでも良い。プロなら自分の考えをきちんとまとめよということだ。

論文を書かない学者先生に価値はないってどこかで聞いたことないかな?勉強と研究だけなら誰でもできる。その上で自分の考えをまとめてこそ、プロ。これを覚えておこう。特にSNSでの投稿なんかは、借りてきた知識を披露する偽者も多いから、あなたには本物になってほしい。

結論を言えば、あたり前だけど実力を養おうってこと。プロになるんだからね。ちなみに、お酒大好きとかお菓子大好きとかキャラづくりをブランディングと勘違いしている人がいるけど、あんなの長い目で見れば無意味だからね。結局、高額報酬で重要な仕事は、実力ある人に集まっているから。目立つ人、人気ある人だから上手くいっているわけではないとも言えるね。

メタ認知を身に付けよ

メタ認知を身に付ければ、前述のキャラづくりだけの戦略が無意味なのもよく理解できると思う。確かにキャラが立っていれば目立つし、最初はそういうものも必要かもしれない。でも、最終的に重要な案件の依頼に、キャラが検討要素に入ることはない。キャラで依頼が決まるのは、誰がやっても変わらない仕事よ。士業で言えば単純な定型代行業務。こういうのは安ければ面白い人に頼んだって良いわけだし。

さて、メタ認知だ。これはアメリカの心理学者ジョン・H・フラベル氏が定義した心理学用語で、端的に言えば「自分の認知活動を客観的に捉える」ってこと。国内でもっともこれをわかりやすく説明した書籍は、「すべてが見えてくる飛躍の法則」(アスペクト)だ。著者の石原明先生は、私が大変お世話になった方でもある。残念ながら2021年に急逝されてしまったが、ビジネス上におけるメタ認知をこれだけわかりやすく解説した人はいないと私は思っている。

 詳しくは石原先生の書籍を読んで頂きたいのだが、石原先生はメタ認知を「人称」という表現で分解している。例を挙げてみよう。例えば、あなたが士業でこれから商談があったとする。メタ認知ができていないと、こんな心理状態になる。 

・わからないことを聞かれたらどうしよう/・契約が取れるかどうか心配/・どんな人が来るんだろう/etc

まあ、説明するまでもないけど、自分のことしか考えていない。ところが、メタ認知して相手側から考えるとこうなる

・お客はどんな心配や悩みを抱えているんだろう/・自分にどんなことを期待しているんだろう/・何に価値を感じて依頼をしようと考えているんだろう/etc 

と、同じ状況でも思考が変わってくる。もう一段階、客観化を上げると「今回の商談で、双方がベストの結果になるためには、何が必要か?」なんて問いが出てくる。ね?見え方も考え方も変わってくるでしょう。平たく言えば「客観視」なわけだけど、これができると商談もマーケティングもSNSでの発言も迷うことがなくなるし、誰かの誤解を招くことも少なくなる。

石原先生の書籍のように、これを語るには1冊分くらいの情報量が要る。本書で中途半端に解説するよりは、プロの石原先生の書籍を読むことをお勧めします。プロとしては。

専門家に必要な、もうひとつの顔

 「私、○○が苦手です」こんなことを言う人がいる。もちろん人には得手不得手があるから、苦手分野があること自体に問題はない。万能な人間なんていない。私は書くの話すのも得意だが、図解が苦手だ。商業出版の際に図表を挟んでくれと言われると頭が痛い。最終的にはひねり出すんだけど、20冊以上やってこれなんだから、たぶん苦手なんだと思う。ちなみに、これと似た表現で「私って○○な人」なのでって言う人がいるけど、やってもないことでこの表現使うのはもったいないと思うよ。自分の可能性を狭めてる。

さて、苦手分野については後述するとして、士業・コンサルタントに専門領域が必要だというのは先ほど伝えたと思うけど、もう一分野強くならなければいけない分野がある。それが「経営」だ。まあ、個人事務所なら「マーケティング」に置き換えても良いけど、要は事業体としてもきちんと結果を出さなければ、やはりプロだとは言えない。これは持論。

世の中、良い商品理論というものがある。良い商品さえつくっていれば、自然とお客は集まる…つまり、勉強さえしていれば、仕事はやってくる理論。しかしながら、現実はそんなに甘くない。よく私は「USP構築とその表現はセット」という説明をしているんだけど、現実は残念ながらそんなに甘くない。あなたの価値は、知ってもらって初めて存在する。これが現実だ。だから、「私は専門職だから、マーケティングは苦手で…」という段階からも早く卒業しよう。経営者としても成長し、専門職としても極めていく。ちょっとほかの業種と違って大変かもしれない。でも、だからこそ実現できたら痺れるほど格好良いと思う。だから、頑張って経営もマーケティングも学んでほしい。

基本的なマーケティングについては、まずは私の過去の書籍を読めば充分。そして、もはやそれを買う必要もない。ほとんどの書籍を私自身のnoteで公開してあるので、ぜひ読んでほしい。最新の士業マーケについては、YouTubeでも情報提供しているので、まずはここから。ちなみに、「○○が苦手で…」って言っていいのは、本物の専門領域があって経営が成立している人。そういう人は弱点が多少あるくらいが人間らしいから、言っても許される。まずは専門領域。そして経営も少しずつ学んでいこう。

資格起業BIBLEについては、YouTubeにて最新版を配信中です

プロに必要な仮説力、予測力、準備力とは?

 ここからはプロに求められるスキル。少し抽象的だけど、重要なことなので覚えておいてほしい。これは専門分野においても、経営分野においても大事なことだ。

まずは仮説力。私は23歳、未経験で開業した。なぜ、20年もの長い期間、成長する会社を継続することができたかといえば、この仮説力が大きく寄与していると考えている。ビジネスを起こすにも、専門領域での仕事をするにも、「これから何が起こるのか?」「自分が計画したものが、どのような結果になるのか?」未熟ながらずっと考えてきた。私は学歴も一浪を経て専修大学(偏差値50台後半)と決して良いわけではなく、行政書士試験もギリギリでの通過。いわゆる世間的な「頭が良い」部類には入らない。でも、考えて仮説を立てることは、誰でもできることだ。おそらく、私はこの考えた回数、仮説を立てた回数が多い。これによって、次の「予測」と「準備」につながっていく。あ、忘れないように伝えておくけど、仮説にも予測にも準備にも、メタ認知は重要だからね。

仮説を立てると対策を考えることができる。これが「予測」と「準備」だ。これから何が起こるかを予測して、それに備えた準備をする。小さなことで言えば、商談ならどのようなことが起こるか、何の準備が必要かってことだね。プロならプロらしい予測をする。同じくプロらしい準備を怠らない。こういう高いところからの視点が重要になってくる。

よくこういう話をすると、仮説や予測、準備のマニュアルやフレームワークみたいなものはありますか?って質問をする人がいるんだけど、マニュアルやひな形から脱却するのもプロだと私は考えている。もちろん、最初は何か参考にしても良いけど、結局は自分で考え、実践したことしか残らない。

私なんて、フレームワークの存在も知らなかった。だから必死で仮説を立て、必死で予測し、死にものぐるいで準備した。こういった考える回数と経験値がプロを育てていく。結局のところ、便利なものに頼りすぎるってことは、自分を成長させないのと同義。これからより人工知能やRPAの台頭があるんだから、自分を磨かないでどうするのってことだ

もっと考えよう。これは私の会社、パワーコンテンツジャパン株式会社のコーポレートメッセージでもある。士業やコンサルタントは、そもそも勉強が得意な人が多いわけだから、ポテンシャルは必ず持っている。上手くいっていないなら、それを活かせていないだけ。ちょっと考えれば、もっと考えれば、必ず上手くいく。これも私の考えのひとつだ。 

極めるための自己投資の価値観

次に重要なのは自己投資。まわりくどいのが苦手なので、どストレートに言うともっと勉強にお金を使おうってこと。士業の典型例は、実務関連の書籍にはお金を厭わないけど、経営やマーケティングに関してはやや否定的。そんなところでしょう。 

実務も経営も、きちんと学べばお金がかかります。そんな費用、もったいない!って考える人もまだまだ多い。でも、自己投資しないで成功した人なんて存在しない。みんな死ぬほどお金つかって自己投資しているんです

過去、私が主宰する士業向けの経営スクール、LEGALBACKS(旧経営天才塾)で成功した会員複数名にこんな質問をしたことがある。みんな年商数千万円超え、中には億超えの事務所もあった。そんな成功者たちにした質問がこれ。

「これまで、自己投資のための勉強にいくらくらいつかいましたか?」

ほぼ全員の回答が、「いくらつかったのか、まったく覚えていません」というもの。もともとこの質問は、自己投資に躊躇しているほかの会員に伝えたくて聞いたものだから、せめて基準がほしい。成功した人はどのくらい自己投資にお金をつかっているのかという基準を。そこで、こんな質問を加えた。

「では、一〇〇万円は超えていますか?」

この追加質問には、全員が苦笑しながらこう答えた。「やめてくださいよ横須賀先生。100万円なんてとっくの昔に超えてますから」とまあ、成功する人はこんな感じ。学べば学ぶほど売上は伸びるし、自己投資のお金を使えば使うほど自分の能力が高まる。「自己投資は最も裏切らない投資」なんていう人もいた。自分を高めるために、躊躇なく自己投資する。これもひとつのプロのあり方だ。

ところで、多額の自己投資をしているのにも関わらず、成功できない人がいる。これには二つ原因があって、ひとつは自己投資のための教材等が本物でないこと。まがい物から学んでも成功しない。もうひとつは、やり方がズレている場合。これは客観的な視点から矯正する必要がある。そのあたりの因果関係は、「天則のマーケティング」にまとめてあるから、こちらも合わせて読んでもらえると効果的。KindleUnlimitedで無料です。

 自責と自信。自分を信じる力があなたをプロにする

 最後のプロフェッショナルの条件。言いたいことはほかにもいっぱいあるんだけど、エッセンスだけで言えばこれが最後。見出しのとおり、ものごとを自責で考え、自分を信じること。これがプロの条件だ

自責についてはもう解説したのでいいだろう。自己投資と経験によって、自分を成長させていく。そして、その成長していく自分をコントロールするのは自分自身であり、その原動力となるのはあなたの自信しかない。しかし、いまの世の中、自信を持てない人は多い。その理由は情報の多さにあると思う。SNSやブログなど、情報が増えすぎた。インターネットがあたり前の環境になったいま、ネットの情報を鵜呑みにする人も増えた。こうした不要な比較によって、自信が持てない人も多い。

重要なのは、どうでも良い知らない人との比較じゃない。あなたのお客を大事にすること、あなたの大切な人を守ること。そのために何ができるか。そのために何を学び、何を実践し、何を実現するのか。そっちの方が大事。どうせ本当かどうかわからない情報なんだから、ネットなんて

自分の人生を変えられるのは、自分だけ。そして、自信を持つためには、経験を積むしかない。机の前での勉強だけでは、絶対に自信はつかない。実践し、経験を積むことでしか、自信は持てない。最初は恥をかくこともあるだろう。悔しい思いをすることもあるだろう。でも、そういう経験があなたを育て、本物のプロに変えていく。

開業当初から、効率良く、仕事選ぶ。そんな宣言をする人もいる。戦略的なものであれ、その人の選択だから特にアレコレ言うつもりもないけど、これだけは言っておきたい。

経験値は、あとで足すことができない。

 と。経験は積み重ねだ。あとでお金をつかって経験を買う、なんてことはできない。疑似体験はできても、経験は絶対に手に入らない。そういう意味では、できるだけ開業間もない頃は経験値を重視することをお勧めしたい。

ちなみに、経験に加えて「健康」もあとでお金で買うことができないから、気をつけよう。自己投資をしてそれを体現するのはなた自身なのだから、健康を維持するのも、プロのしごと言えるだろう。不摂生して常に体調崩している人には、仕事は集まりにくいからね。

第3章 さあ、はじめの一歩を踏み出そう

いまのあなたのレベルは関係ない

だいぶマイルドにしたつもりだけど、それでも結構厳しいことを言ったと思う。専門領域も極めていかなければならないし、経営もできるようになる必要がある。思考力も鍛えていかなきゃいけないし、メタ認知的能力も必要。自分で書いていても、大変なことを言っていると思う。勉強も常に続けないといけないしね。

開業直後の私が本書を読んだら、圧倒的基準の高さに圧倒されていたことだろう。もしかしたら、あなたもそうかもしれない。でも、私は圧倒されたとしても、諦めるという選択はしなかったと思う

理由は、プロになりたかったから
何かしらの一端の人間になりたかったから

 何より、務めていた会社をリストラされたことで始まった私のビジネス人生は、どん底がスタートだった。もう普通の人生が歩めない私は、自分の人生を取り戻さなければならなかった。だから、プロとして生きる道を選び、積み重ねてきた。

 いま、あなたがどんなレベルなのか、私にはわからない。

そして、いまのレベルは関係ない。どのようなレベルだろうと、あなたがプロになると覚悟を決めたのならば、あとは上がっていくだけだからだ。

 正直、私が開業したときよりも不利な人は少ないと思う。社会人経験、行政書士経験ゼロ。開業資金は40万円にも満たない。人脈も当然ない。知識もスキルもない。そんな人間が少しずつ小さな成功を積み重ねてきて、ここまでやってきた。だから、あなたにも必ずできる。

これまで、2000名を超える士業のコンサルティングをしてきた。その経験の中で言えることは、そこまで知識格差、情報格差はないということだ。言い換えれば、みんな勉強熱心。では、どこで差がつくかといえば、やっぱりメンタリティ。覚悟と情熱がある人は、個人差あるけど必ずプロになっている

だからあなたに情熱と覚悟があれば、いまのレベルなんて関係ない。ゼロから積み上げてきた私が言うのだから、安心してほしい。

なぜ、いまの自分を受け止めることが重要なのか?

プロになると決めたその次に行うことは何か?もちろん自己投資を始めても良いし、早速何かを実践するのもOK。メタ認知や仮説について勉強しても良いだろう。でも、その前にもう少しだけ前提のようなものがある。それが自分自身のマインド的なこと。 

成功を妨げるものって無数にあると思う。間違った情報、悪い人脈、第三者による妨害。その中でも最大の敵は、私は「プライド」だと考えている。もちろん、自分の仕事に誇りを持つことは良いことだし、自信を持ってプロになるためにはプライドは必要なものだと思う。ここで言うのは、「つまんないプライド」だ。 

つまんないプライドは、言い訳発生機になる。別の言い方をすると、自分がかわいいがゆえに、恥をかきたくないがゆえに、マウントを取りたいがために生まれる思考のこと。自分の方が年長者だから、年下からは学びたくない。実践して失敗するのが恥ずかしいから、マーケティングの実践をしない。発信した情報に何か言われるのが怖いから発信しない。こういうのは自分を守るためだけの本当につまんないプライドだと言える。結局、カッコ悪いことをしたくがないために、何も行動しないというカッコ悪い自分になっているのにね

そういうつまんないプライドは本当に邪魔だ。まずは、いまのありのままを受け入れること。できない自分、ダメな自分、こういうところを素直に受け入れることが重要。もちろん、長所や客観的にみて得意な部分はしっかり自信を持てばいい。でも、自分の体裁を繕うだけのプライドは本当に邪魔なので、燃えないゴミの日にでも捨ててしまってください。

いまの自分を素直に受け入れれば、自分に足りないことがわかる。素直に学べる。つまんないプライドがあると「いまさら初歩的なことを勉強するのは恥ずかしい」みたいになって、知ったかぶりに走ってしまうので、これは絶対にやめた方が良い。別の言い方をすれば、ありのままの自分を受け入れられないと、自己投資もちぐはぐになってしまうってことだね

ダメな自分を受け入れるってのは、結構勇気がいること。誰しも自分はできると思っているからね。でも、そのつまんないプライドが成長を必ず妨げる。これだけは覚えておいて。

ところで、そもそも自分に自信がありません。まったく何も持ってません。そんな人は成功が近い。だって学ぶことが全部プラスになるんだからね。私もそうだった。何も持ってないからこそ、会う人会う人全員が先生になった。こうやって考えると私の成功要因のひとつは、23歳のときにつまんないプライドを失ったことかもしれないなぁ。

他人の力を借りることは、プロ失格なのか?

 プロ、と言われるとどうしても孤高の存在をイメージしてしまう。そんな人も多いんじゃないかと思います。あらゆることをひとりでする、できる。確かにそれもひとつの美学だと思うし、否定することもしません。

でも、成功する人ほど、成功するのが早い人ほど、他人の力を借りるのも上手いのです。従業員の採用ひとつとってもそう。誰かの力を借りているにほかなりません。また、成功が早い人は、コンサルタントの活用というか、良き相談相手がいることも多いというかほとんどです。プロになりたい、成功したいという人ほど「自分にしかできないこと」に注力しなければなりませんし、やりたいことが多くても身体はひとつ。時間は平等で有限。だから、他人の力を借りるのです。あとは成功までの推進力が強すぎて、前述の「やり方のズレ」を矯正するためにも、やはり客観的な相談相手という存在を大切にします。ゼロから始めて、年商1億円を超えた会員士業も、いまでも私のところに相談にきます。やっぱり成功する人はつまんないプライド持ってない人です。「もうおれは成功したから、コンサルタントに相談するのは恥ずかしい」なんて思いは微塵も持っていない。 

それから、外注という存在もプロは上手く使いこなします。例えば、同じく会員士業でもマーケティングは全部うちの会社任せという人も。自分が極めたいことがあって、それを追求するのに集客の時間を取るのがもったいない。これもひとつの判断。もちろん、経営自体はきちんと学んでいますので、その結果、一部を外注する。本当にプロは周りを使うのが上手いと言えます。

「誰かの力を借りたくない。頼りたくない。」そんな気持ちを持っている人も多いと思います。でもね、もしあなたがそんな想いを持っていたら、それはまだ仕事を通じて実現したいことが、自分のためだけなんだと思います

 例えば、より大きな理念として「世の中を良くしたい」。こんな理念があれば、考え方が変わってきます。そんな思いは何人で実現したっていいでしょう?むしろ、協力者が多い方がその理念は実現しやすいと言えます

 ひとりでできることは、本当に限られたものです。予算との相談もあるでしょうけど、早い段階で任せられた人、相談できる人をつくった人が成功する。これも20年近くコンサルティングを実践してきた私の結論でもあります。

なぜ、あなたはその道を選んだのか?

本書は、プロになるための具体論というよりはマインドを変えてほしくて書きました。そんな本書も大詰め。世界観の話です。 

実力もある。経営能力もある。でも、思ったより人がついてこない。支持されることや応援されることが少ない。そういう人っていたりしますよね。もちろん、結果を出しているので言うことはないです。では、なぜこのような現象が起きてしまうかと言えば、理由と背景、そして物語が明確でないからです。 

逆に言えば、魅力的なプロからは世界観が見えます。なぜ、その仕事を選んだのかという理由。どうしていまに至るのかという背景。これまでの物語とこれからの未来。こういったものが見えるからこそ、その人の世界観がわかり、ファンになっていくわけです。まあ、あくまでこのあたりは付加要素。それよりは勉強と実践の方が重要です。

もっとも、特に士業は強い創業理由がない人も多いのが事実。「会社を辞めて独立したかったから」「取りやすそうな資格だったから」のようななんとなくの理由で資格を取って独立した人も多いと思います。

私もそうでした。私が運良く行政書士試験に受かったのは、大学法学部3年のとき。行政法が必修科目だから、せっかく勉強するなら資格でも取ろうと思ったのが最初のきっかけ。こんな「なんとなく」から私のビジネスも始まっている。 

最初は「食べていきたい」というだけのエゴで始まったビジネスも、資格業界を人気業界にしたいという想いが生まれ、いまや法律実務家のための新しい未来をつくりたいと考えているんだから、人というのはわからないもの。

だから、あと付けでも良い。自分の理念や動機を明確にしていこう。こうした深みがあるからこそ、人は人に惹かれるものだ。だって「金稼ぎのためだけ」とか「自分が儲かりたいから」みたいな人を応援しようとは思わないでしょ?そういうこと。

このあたりのことは決して優先順位は高くない。でも、いずれ考えなければならないし、理念や動機については、一度は立ちはだかる壁。理念というのは面白いもので、最初に躓き、そのあとにその悩みが消え、そしてもう一度悩むという性質を持っている。あなたも本物のプロだったら、きっとこのあたりわかるんじゃないかな。そのくらい、最終的には理念や動機が重要だと、ここで言っておくね

あなたを信じてくれる人のために、プロになろう

 さあ、説教臭い本書もこれで最後。最後の最後はシンプルで、前項とちょっと似ているけど、誰のために仕事をするのか、プロになるのかをもう一度考えてみようということ。これが最後に言いたいことだ。

最初は誰もがエゴ。自分のためだけに頑張る。もちろんそれで構わないし、そうする必要もある。だって食べていかなきゃいけないからね。それで良い。でも、ある程度事業が伸び、専門家としても評価さえるようになると、徐々に仕事にルーティン性を感じるようになる。もちろん、新しい案件なんだけど、なぜか既視感を感じるようになるんだ。

そのとき、金銭的なことがある程度満たされていると、自分のためだけでは頑張れない。だってもう満たされているからね。ここで初めて「誰のための仕事」「何のための仕事」という問いが重要になってくる

私の経験上、自分のためだけに頑張れる人って案外少ない。誰かに感謝され、褒められ、そして満たされることが多い。その対象は家族だったり、お客だったり、人によって様々だ。特に日本人の幸福感は、誰かとの関係性によって感じられることが多いと言われる。無人島に大金持ってひとりで住むのと同じ。人はひとりでは幸せになれないのかもしれない。

そして、その動機と双璧をなすのが「何のために」ということ。これは士業事務所であれば、よく考えなければならないことだし、必ずぶつかる壁と言っても良い。例えば、誤解を恐れずに言うと普通の税理士事務所がひとつ潰れたところで、社会に影響はない。ほかの事務所に依頼すればいいからね。私はほかの著作や媒体で、必ず「USPを持て」「代替性のない事務所を目指すべきだ」と言ってきた。あなたの事務所がなくても、世の中関係ないよ、なんて言われたくないよね。だからこれはプロとしては最後に追求すること。それがUSPであり、あなただけの存在価値。

「何のために」これも抽象的だけど、前述の「誰のために」と似ている。このあたりの動機については、本当に人によるとしか言えないんだけど、「家族のために」でモチベーションが維持できる人もいれば、「世の中のために」のようなことで情熱が生まれる人もいる。

こればかりは答えはない。でも、答えは必ずあなたが持っている。自分自身ときちんと向き合っていくこと。これもプロの条件だと思うし、あなたの存在意義を確かめる重要なプロセスだと、長年やってきたからこそ言えることだ。

終わりに

 プロの定義は人それぞれ。本書では、私のプロ論のエッセンスをお伝えしました。共感できればともに歩んでいければいいなと思うし、そうでなかったらあなたらしい世界を行けば良いと思う。まあ、ここまで読んで1ミリも共感しなかったって人はいないと思うけどね。

ちょっとスケールが大きくなっちゃうけど、日本はどんどん人口が減っている。その一方で、株価はなぜか2020年から景気が良いけど(まあ、これは大企業の内部留保のせいだな)、税金は上がり、手取りは下がる。そして2022年には物価の上昇がニュースで飛び交う。2040年には、人口減により会計事務所の2割が不要になるなんて試算も出ている。

そう、あなたが生き残るには、唯一無二の存在。
つまりプロになるしか道は残されてないんだ。

本書を読んだのも、何かのきっかけだと思うし、啓示なのかもしれない。いずれにせよ、プロにならなければ、苦しい思いをするのは自明の理だ。本書の中で何度か伝えたけど、プロになるためのショートカットはない。思い立ったいま、この瞬間から始めるべきだ。

私も開業した頃は、自分のレベルの低さに絶望しかなかった。

でも、積み上げていった経験は絶対に裏切らなかった。培った知識は必ずどこかで活きた。

あなたが諦めず、正しい努力をすれば必ず報われる日がくるはず。

まあ、本書を通じてまた私のことを怖いとか厳しいとか言う人が出るでしょ。でも、それは私にとってどうでも良いことで、私は嫌われようとも正しいことを発信し続けようと思ってる。

それが、私がプロのコンサルタントとしてのスタンスなのだから。

パワーコンテンツジャパン株式会社
代表取締役 横須賀輝尚

追伸

 

本書にも、読者特典をつけようなんて話が社内であがった。

こういうときの特典って、例えば「本書の内容をより深く学べる動画教材」とか昔でいえばE-BOOKプレゼント的なことなんだろうけど、例えば本書はさらに発展させていくようなテクニックがあるわけじゃない。

では、本書の読者には何がいったい必要だろうか?

そう考えたとき、あなたのいまを整理整頓して、これからの道筋をハッキリさせることにあるんじゃないかと私は考えた。

そこで。

本書の読者限定で、25分間のコンサルティングを実施することにしました。しかも無料。私がやりますよ、本当に。直接話せます。事前に経営診断的なフォームを用意するので、そちらにご記入頂いて、その内容を見ながら当日は25分であなたのこれからを明確にする。この無料コンサルティングを読者限定特典としました(ただし、一回だけね)。

無料だからといって、手を抜くことはないし、人生を変えるくらいの真剣勝負で申し込んでほしい。冷やかしはお断り。士業でも、コンサルタントでも大丈夫です(ただし、うちの会社とどストライクにバッティングする事業をしている方については、お断りさせていただくことがあります。悪しからず)。

形式はZoomでのオンライン面談のみ。さあ、人生を変えるのはあなた自身だし、このきっっかけをどう活かすかもあなた次第。私はいつでも、あなたが信じてくれるのであれば、応えます。

本書を通じての出会いが良いものになりますように。

25分間の無料コンサルティングのお申し込みリンクは、Kindleの中にご用意しています。無料コンサルティングをご希望の方は、下記リンクよりKindleをお読みいただき、巻末のリンクからお申し込みください。

予告なしに無料コンサルティングの受け付けを終了させていただくことがあります。
悪しからずご了承ください。

無料コンサルティングを受けた方の感想 (一部掲載)


「苦痛にならない戦い方」を提案してくださいました。

社労士として、今後の方向性に悩んでコンサルティングを受けました。私の性格や現状を踏まえて「苦痛にならない戦い方」を提案してくださいました。私はいわゆる「バリバリ、キラキラ」したタイプじゃないし、個人事業主として弱いところもたくさんあり「厳しいことを言われてしまうのでは?」と不安に感じていたのですが全くの杞憂でした。今日からアドバイスいただいたコンテンツ作りに取り組んでいきたいと思います。ありがとうございました。

徳保美和様(社会保険労務士)

刺さりまくりました。

クリエイター支援✕行政書士を模索中ですが、横須賀さんの発信は以前から拝見していて。「プロ論」も自分の専門性を突き詰める上で、刺さりまくりました。とても大切なことが書かれています。不安ももちろんありますが、ワクワクの方が何倍も大きいです。ありがとうございました!

矢野雅哉様(行政書士開業予定)

無料とは思えない内容

無料とは思えない内容で、今までに悩んでいたことや、抱えていた不安がコンサルティングが終わることには無くなっていました。自分が目指したい自分像と、コンセプトが繋がり、今後やるべきことやビジネスモデルが明確になったことが不安解消になったのだと思います。コンサルティングで頂いたアドバイスをしっかり自分の中に落とし込み、整理整頓をして行政書士としての一歩を踏み出していきます。横須賀先生、本当にありがとうございました。

國政睦美様(行政書士開業予定)

人の本質を的確に見抜かれたことにさすがだと思いました

「やらなくていい理由を探している」と指摘され、 自分でなんとなくわかっていた部分が まさしくそのとおりだと納得しました。 30分と短い時間の中で、人の本質を的確に見抜かれたことにさすがだと思いました。 崖を飛び越えるのに誰かが背中を押してくれることは期待しない。できるのは自分しかいない。 気持ちではなく環境を変えよう。 

難波知美様(行政書士開業予定)

モチベーションが爆上がりしました!

先生の本を読んでおりましたが、お話した情報量、アイデア、本を読んで聞きたかったこと、個別の相談、どれも出し惜しみなく教えてくださり、本当に勉強になりました!!解像度が上がるというのはまさにこの事!とモチベーションが爆上がりしました!早速、行動に繋げていきます!

辛嶋麻己子様(行政書士開業予定)

自分がワクワクを感じるものや本当にやりたいことをセッションの中で浮き上がらせてもらった。

なるだけ短時間の無料コンサルティングでより深い話ができるよう、申込フォームをかなり詳細に書いたとはいえ、わたしの性格や思考傾向を踏まえた上で、まさに「的を得た」アドバイスをいただけました。

コンサルティング中に、「こうしたほうが良い」や「こうすべきだ」という話は、少なくともわたしに対しては一切ありませんでした。自分の中でモヤモヤしていたものをクリアにしていただいた上で、自分がワクワクを感じるものや本当にやりたいことをセッションの中で浮き上がらせてもらった。というのが素直な感想です。

石本憲史様(司法書士)

25分、濃かったです。

明確でしたね。ちょこちょこっと書いた経歴で、「こっちが向いてると思う。方法はね・・・」と、惜しみない。仮のネーミングまで考えてくださって。25分、濃かったです。

辻本由香様(FP)

サポートは要らないので、スキやいいねお待ちしてます。TwitterやFacebookなどで感想いただけると嬉しいです。エゴサしてます。#横須賀輝尚