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僕が『太山寺珈琲焙煎室』をはじめた理由。

反響がすごい。
この一言に尽きるnoteの影響力。びっくりしてます。こんな駄文をお読みいただきありがとうございます。感謝です。
ただ、ひとつ甘えたことを言わせていただけるのであれば、フォローしてくださったらもっと感謝です(笑)。書き続けるための圧力となりますので!どうぞ後押しをよろしくお願い申し上げます。
(どうでもいいですが、フォローやスキをして下さると、お楽しみの一言が出てきます!それも楽しみにしていただければ…)

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さて。
今日は、自分のことを伝えようと思います。きっかけは先日ご来店くださった風花ちゃん。好きなコーヒーを仕事にするために東京に行きます、とわざわざご報告に来てくれました。風花ちゃんの目には希望が漲っていて、これから始まる冒険に心を躍らせているようで、あー、いいなー。と心から羨ましくなりました。
この嬉しい訪問は、もしかしたら、開業して約7年の月日が流れたんだからそろそろ初心に帰るのはいかが?、というきっかけを、神様と風花ちゃんがくれたのではないかと思いましたので、ちょこっと話します。

開業した理由はたくさんあります。
その中でも大きな理由は、『挫折だらけの人生の中で、一つだけでもいいから自分で何かをやり遂げたい』という、中学2年生のような病的なものです(笑)。

そう、僕の人生は本当に挫折まみれです。
・高校受験にしくじる
・大学入試は震災で浪人(震災がなくてもきっと浪人でしたがw)。
・一浪でも希望していた教育大に進めず、お金のかかる私学に入学(震災真っ直中ということや長男ということもあって心痛…)
・教員目指して猛勉強するも、教育実習のオリエンテーションと就職活動の最終面接が重なり、小学生から夢を見ていた教員免許が取れない上に、最終面接で複数社落ちる
・ド文系なのに独立系IT企業に入社し、Excelすらできないので途方に暮れる

などなど、何一つ上手くいったという実感のない人生を歩んできました。『失敗を笑いに変えられたらOKやん』という自虐もものともしない持ち前の関西の気性が功を奏しまして、そんな中でも楽しく過ごせていました。
が、そうした達成感のない日々を過ごしていく中で、負けず嫌いな気質も持つ僕は『いつか見てろよ…😖』という気持ちを心の中に澱のように溜めていきました。

でも、教員になる夢を失った時から、いったい何をやりたいのか、何をしたらやり遂げたと思えるのか全くわかりませんでした。

そんなある日、結婚して子どもが生まれ、若くして一児の父になっていた僕は、出勤するために玄関で支度をしていました。行きたくねーな。眼精疲労辛いなー、と思いながらの渋々の支度。そんな背中をチビが見てました。
チビがこっちを見ていることに気づいた時、ふと昔の自分を思い出しました。それは仕事に行きたくなさそうに家を出る親父の姿。親父の背中を見ながら、大人はなんで辛い気持ちを抱えて仕事に行くんだろう?嫌なら休めばいいのに。仕事変えればいいのに。
大人の事情を理解できない不思議な気持ちと、父親がかわいそうな気持ちとが入り混じり、僕は大人になりたくないと思うようになってました。

月日が流れ自分が親になり、自分が否定していた大人の背中を自分の子どもに見せているのでは、と思うととても怖くなりました。
自分の子どもには、変な先入観を持たずに大人になってほしい。でも子どもは少なからず親の『背中』を見て育つ。だったら、せめて楽しそうに見えて子どもが真似したいと思う背中を見せたい
そう決意し、その日に妻にIT企業を退職する相談をしました。

辞めることを決めたはいいが、何をしたらいいのだろう?この問いに答えるのは簡単でした。
毎日が楽しく、数百円でもいいからありがとう!と言ってもらえる仕事をしよう。
大人が楽しそうにしていて、働いてるのか遊んでいるのかわからないけど、みんな幸せそう。これが子どもに見せたい世界だなぁと僕は思ったんです。今思えば幼い世界ですが(笑)。

その後、専門学校に行き、そこでコーヒーも飲めなかった僕が運命的に『バリスタ』という仕事に出逢い、本格的にコーヒーというものを知ります。(この辺りの話はまたいつか)
人と人をつなげていくコーヒーの魔力に取り憑かれ、焙煎までするようになりました。そのコーヒーを通じてたくさんの方と出会い、仲間が生まれ、泣き笑いがあり、毎日幸せと思える日々を過ごせています。

幸い、子どもたちは大人は楽しい生き物だと思ってくれているようで(笑)、それぞれ大きな夢を持って、叶えるために楽しそうに努力しています。あのまましょうもない背中を見せ続けていたらどうなっていたか…。想像するだけでも恐ろしいです。間に合ってよかったと心から思ってます。

太山寺珈琲焙煎室には、そんな楽しく馬鹿なことばかりやっている店主の元にたくさんのスタッフや仲間が集ってくれました。そのスタッフ目当てにまたまたたくさんのお客様が来てくれました。その波紋のように広がっていく楽しい世界に触れて、風花ちゃんのように今度は自分が自分の世界を創ろう!とチャレンジする人が出てきたことは、僕にとっては本当に喜びなんです。

僕は350円のブラックコーヒーでお客様の笑顔をいただけるという、世界で一番ステキな仕事をさせていただいています
開業できたということは、いろいろな努力を経て成し遂げた証明ですのでやり遂げた!と言えるかもしれませんが、実感としてはまだまだです。そういったことを言うと欲張りに思われるかもしれません。が、お客様やスタッフがコーヒー片手に笑い合うシーンをまだまだ見たいのです。なので、今日もどうやったらお客様に喜んでもらえるかをわくわくしながら妄想したいと思います。

今日も読んでいただいてありがとうございます。たまには初心に帰って、襟をたださないとねー!風花ちゃん、がんばれー!

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