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インド更紗の花々

こんにちは! 陽子絵画制作室です。

次々春の花々が咲いているのに合わせて、絵画教室の、インド絵画を希望する方々のご希望で、インド更紗の花を描くことにしました。

冒頭の写真は、参考にしたインド更紗です。デカン高原地方で17世紀中期に作られたもので、手描きと型防染めを併用しているそうです。

絵画教室の場合は、日本画の画材で、麻紙という丈夫な和紙に描きます。

上の写真は、冒頭の更紗の中の花1パターンを拡大したものです。

これを元に、トレーシングペーパーに鉛筆で輪郭を写し、上から墨で描いたものをコピーして、麻紙をパネルに水張りしたものに重ね、間に鉛筆を塗って作ったカーボン紙をはさみ、赤ボールペンで線をなぞって転写します。転写した線を、更に墨で骨描きします。

上の写真は麻紙に骨描きが終わった段階の様子です。

この上から、胡粉(牡蠣の貝殻をしばらく晒して、粉にした白色顔料)をニカワで溶いて、墨線が見える程度に薄く2,3回塗ります。

麻紙が元々クリーム色なので、胡粉を塗ってもちょうどよいクリーム色になりました。

その後、葉や花を彩色します。

参考作品の図版をよく見ると、花によって部分部分の彩色も少しずつ違っていました。

元の作品が染料で染めた物なので、絵の彩色も、岩絵の具などポリュームのあるものでなく、染料系の絵の具を多く使いました。

例えば、空色、緑色部分には、棒絵の具の藍色を使いました。

緑色の下地には、黄土色を塗っておきました。空色は胡粉に藍色を混ぜました。

また、赤紫色部分には、染料系の臙脂色を使いました。

赤茶色の下塗りは、濃い赤茶色の顔料と胡粉を混ぜたピンク色を塗りました。

淡黄色部分には、雌黄という色を使いました。

赤色部分は、黄土色と赤茶色を混ぜた下地を塗っておいてから、岩絵の具の朱色を塗りました。そのため、他の部分より色が強くなりました。

最終的に上の写真のようになりました。

更紗より臙脂色部分が浅い色になったようですが、少し華やかさもあっていいかなと思うので、これで完成にしました。

左下隅に、ベンガル語で「よ」と読む字の篆刻を押しました。

まとめ

今回、絵画教室の教材の目的で、インド更紗の花を日本画で描いてみたところ、単純なようで、思いの外デザインの素晴らしさや、色の美しさに魅了されました。

これを機に、他にも更紗で素敵なデザインを見つけて、日本画の画材で描いてみたいと思いました。

もしかすると、当然ながら日本の着物の柄を日本画で描いても面白いかも!? 

他の国の布の柄も!?

いろいろ夢が広がります。

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