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世界を再想像。NYのアベンジャーズ計画⁉︎

ゴールデンウィークが明けた。「GWだー! きゃっほーい」とテンションが上がることもなく、自粛生活と陸続きでなんとなく始まり、淡々と過ごした。仕事が再開された一昨日。GWの始まりは曖昧だったのに、その終わりは私にとっては明確だったように思う。

「もう、こんな自粛生活やってられないよね」というムードがまわりに立ちこめている。何がどうというわけではなく、誰が口にしたわけでもなく、そういう空気感を感じた。

新緑の季節。この曖昧な空気をやり過ごすには、あまりにも外の空気が気持ちいい。

抽象の世界

『ペスト』では、人間は災いに対峙したしても、その状況に簡単に慣れてしまう様子が描かれていた。その鈍感力が人間の愚かさであり、逆に強さでもあると言わんばかりに。ペストはそれが何か分からない時代の渦中にいれば、それはあまりにも非現実的で、抽象的なものに見えてしまう。具体的な被害を目の当たりにしても、人々はなかなかにそれを認め、具体性をもった行動をとることができない。

翻って私。本当に、その中で描かれたオランの街に住む人々同様に、ただ、もんやりと日々をやり過ごしているように感じる。できるかぎりのSTAY HOMEを実践しつつも、「このままでいいのか」という思いにはかられている。けれど、何かを決断するほどの決定的な材料を今はもっていない。

「(ペストで言うところ)“抽象の世界”の中に生きているな〜」と、少し憂鬱な気持ちになっている。

reimagine=再び想像

ニューヨーク州知事のクオモ氏の会見。今やニューヨーク州の人々だけではなく全米中の人々が毎日の会見を見ているという話を聞いた。この「抽象の世界」において、次から次へとファクトと道筋を示してくれる彼の会見は暗闇に灯りが見える思いで、皆の心の支えになると思う。

5月6日のクオモ氏の会見。以下、会見のサマリーをいつも分かりやすく発信してくれるyoshilogさんのツィートより。

クオモ氏は単なる再開を目指していないのだという。この構想は、危機的状況のNYにおいて、たくさんの人たちの明るい希望になっていると思う。

公衆衛生は、マイケル・ダウリング氏。

教育はビル・ゲイツ氏。

検査・追跡調査はマイケル・ブルームバーグ氏。

テクノロジーはエリック・シュミット氏。

最高の知能と財力が結集。まさに、アベンジャーズ‼︎

コロナ前に……

話は戻って、『ペスト』。その中で、黙々と自分にできることをやる登場人物の生き方にこそ希望が見えるという視点も描かれていた。クオモ氏の「自分にできること」のあり方は、なかなか真似できないものだと思いつつ、きちんとファクトの提示をしつつ、展望や指針を毎日の定例会見で発信し続ける彼の存在=具体性は羨ましいかぎり。

日本は、すべてを言葉にする必要がなくともお互いに理解し合えるハイコンテクスト社会だと言われてきた。その空気が今の「抽象」の世界をつくったのだとも思う。この不確かで不透明すぎる曖昧な「抽象」の世界で、自分の理性だけで自粛生活を続けるにはやはり無理がある。なんとなく鈍感になり始め、自分の意識がコロナ前に戻りつつあるような感覚を覚えている。

今日のプレイリスト

いかん、いかん。ビヨンセのプレイリストで気持ちを上げて行こう!

【追記】






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