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東京砂漠

「私、東京に住んでいるな〜」と深く実感する時がたまにある。

以前、以下のような記事を書いた。

20代のとき、私は新宿の歌舞伎町にあるロフトプラスワンという“トーク”ライブハウスに通っていたことがありました。扱われていたテーマは、驚くほどにニッチ(≒サブカル)でした。そのニッチなもの、フェティッシュなものをトークで掘り下げまくる作家さんや漫画家さん、ライターさん……そして何よりお客さんたちそれぞれから放たれる“偏愛熱”の渦の中に身を置くのが本当に心地良かった。極めてニッチなネタに対し、同じように笑ったり、興奮したりしたりする人の中に身を置くことで、「(自分のすぐまわりにはいなかったけれど)同志はこんなにたくさんいたんだなぁ」と励まされたことは数えきれません。
「東京ってすごい!」。キラキラと光るイルミネーションの中を歩いたり、都心の夜景を見下ろしたり、流行のレストランに足を運ぶことより、私はその時ほど人口密集地、大都会・東京の偉大さをかみしめ、懐の深さに身震いするほど感動したことはない気がします。

昨晩は、夜の遅い時間に、環七のドン・キホーテへ。そして、その帰りにファミレスへ。ドリンクバーなどしながら、ボーッとしていると、東京で日常を営む人たちの中に急に紛れ込んだ異邦人のような気持ちになる。そして、しばらくするとムクムクと無敵感が急に湧いてくる。

結局、自分が東京を感じる瞬間というのは、漫画『宇宙兄弟』の名言で言うところの”We are lonely,but not alone.”を感じられる場所。孤独だけれど、一人ではない。だいたい脳内では『東京砂漠』がBGMに流れている。

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