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「日本のお笑い」と「準備入り表明見通し」と

昨夜の「緊急事態宣言の準備入り表明見通し」というニュース。一瞬では理解できず、マッキーの『もう恋なんてしない』の中の歌詞、「もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対」くらい、初めて聞いた時には面食らう。「んっ? 結局、なんだ?」。

思い出したのは、昨年末のM-1決勝に残った3組。ミルクボーイ。かまいたち。ぺこぱ。

ミルクボーイ「緊急事態宣言の準備入り表明見通しやねん」「ほな、緊急事態宣言とちゃうわ」 

かまいたち「一回逆の立場になって考えてみてな。もし、俺が緊急事態宣言の準備入り表明見通しをされてしまったりしたら、絶対に認められてたと思うか?」

ぺこぱ「緊急事態宣言……をしたいわけじゃない。ヒューッ! 時を戻そう」

ビックリするくらい3組ともすぐにネタにできそう。「安心」「肯定」のお笑いのボス(私調べ)、サンドイッチマンもそうか。

サンドイッチマン「緊急事態宣言の準備入り表明見通しに入るね」「ちょっと何言っているかわからない」

昔だったら、お笑いは政治に切り込む風刺ネタも多かったような気がするが、空気を読まざるをえない時代には「ノリつっこまないボケ」がうけるし、「ノリつっこまないボケ」が成立しやすい曖昧な表現(ボケのようなもの)が社会にあふれているのかもしれない。煙に巻く笑いと言おうか。誰も傷つけないけれど、ちょっとだけ残尿感が残る笑いと言おうか。

人間は、自由であることを願うと同時に、自由になることを恐れる。私がうすらボンヤリ思っていたことを、哲学者で作家の千葉雅也さんのつぶやきがピシャリと言語化してくれていた。

【追記】




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