はじめてのスマホ(毎週ショートショートnote)

長方形に合わせ貼り付けたデコパーツ。出来上がったその時は、うまくできたものだと自画自賛した。けれど時間が経つにつれて乱雑さが目につくようになって、新しく造り直したくても、100均一でスマホカバーなんてないAndroidでは、カバーを着せ替えることなんてできない。
iPhoneにすればよかったとぼやき、壊れてもいないのにスマホを買い換えるなんて言えない。仕方なくデコパーツを剥がし、別のパーツを貼り付け造り直して使い続けた。
「ああ、こんなところにあったのね」
ベッド下の引き出しの奥。それを手にしたん、ぼろぼろとデコパーツが剥がれ、白い機体が露わになる。
「この機種の充電器だなんて、既にないわよね~」
まるでピラミッドから発掘されたミイラ。デコパーツが黄金のマスクで、スマホはミイラ。それも白骨化したミイラ……

――わたしの青春時代は、終わりを迎えている。

お題は「白骨化スマホ」から。

物騒なお話が多そうなので、青春ものを。