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2022/7/24 19:00〜舞台挨拶メモ『RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編] 僕は君を愛してる』


2022/7/24にグランドシネマサンシャイン 池袋 メイン会場で行われた《公開記念舞台挨拶》16:20〜19:25の回での上映後 舞台挨拶メモです。メモから再現しているんですが、会話が抜けているところや不正確なところが多いと思うので、ニュアンスでお願いします。

【上映後の舞台挨拶(19:00〜19:25)のため、最初から終盤のネタバレありです。】

登壇者: 幾原邦彦(監督)、木村昴(高倉冠葉役)、荒川美穂(高倉陽毬役)、三宅麻理恵(荻野目苹果役)

オープニングトーク

幾原: (観客の人たちも、前編だけでなく)後編まで観ないと、なかなか、いろいろと(感想を)言うのが難しい作品だったんじゃないか。
荒川: 新しくOPが制作されたことに驚いた。歌詞の「神様 僕を全部使って」に、冠葉を重ねて聴いた。
幾原: OPには桃果のアダルトな姿が出てくる。桃果が神様に見えるように演出した。劇中では出会わない3人が一緒に走っているところに注目してほしい。
木村: TV版とは違い、同じ方向を向いて走っているんですよね。

監督の頭に10年間あったこと(苹果と晶馬のシーン)

三宅: 運命の乗り換えを行うラストシーン(苹果から晶馬に炎が移り、晶馬が苹果に「ありがとう、愛してる」と言い残して燃え尽きる場面)で、脚本には「リアクション芝居(「あっ」や「っ!」のような声)のみ」と書かれていたが、TVシリーズのアフレコ時、監督に「私も…!」と(晶馬に応えて)言っても良いですか? と提案した。その時、監督は「うーん、ここはどうかなぁ…」という反応で、結局採用はされなかった。
今回、後編の台本を受け取って読んだら、該当のシーンに「私も」というセリフがあった。アフレコ当日、監督にそのことを訊いたら「(当時)言ってたよね」と覚えておられて、役者として嬉しかった。
実際のアフレコで監督は「(セリフが変わったとしても)TVシリーズが好きな人を否定したくはないんだよね」と言っていた。前編・後編を通じてこのセリフはいろんなパターンを含めて、最もリテイクを重ねた。
司会: 監督、当時のことは覚えておられたんですか。
幾原: もちろん、覚えていました。10年前からモヤッとしていたし、記憶に残っていた。当時、作品に対して自分が客観視できていたのかどうか、10年間ずっと考えていた気がする。今回、TVシリーズの否定というわけではなく「このパターンはどうかな」ということを見せたかった。
三宅: 試写で観たところ「私も」は使われていた。

少年姿の冠葉と晶馬の解釈

木村: 劇場版では、少年姿の冠葉と晶馬が登場する。自分はTVシリーズとは繋がっていない、新しいキャラクターとして演じたが、それを監督に訊いたら「そうかもしれないし、そうじゃないかも…」という返答だった。

幼い7人が浜辺で出会うラストシーン

木村: (幼い少年少女の姿の7人がカメラに向かって「愛してる」と代わる代わるに喋りかける)浜辺のラストシーンについて、アフレコ後に「『愛してる』を言う相手は特定の誰か、たとえば冠葉なら陽毬への『愛してる』をイメージして芝居をしたが、監督の解釈はどうか」を訊いたところ、違う回答が返ってきた。監督、どういう話でしたっけ。
幾原: (僅かに逡巡して)あー。多蕗とゆりがその直前で「誰かの『愛してる』という言葉が欲しかった、それは世界中の子供たちの誰もが同じ」ということを言う。そのあと7人はカメラ目線で「愛してる」と言うじゃないですか、あれは観客に言っているし、それを観客と共有したかった。キャラクターと観客たちが「愛してる」で繋がる。『輪るピングドラム』の(連なりの)最後が観客の皆さんと繋がるってことですよ。
木村: っていうことをそのとき監督に言われて「やるーーゥ!」ってなりました。

なぜ6人はペンギンになったのか

木村: 雑誌の取材の最中、監督と「6人がペンギンになる意味は?」という話になったことがあった。自分は「ペンギンって飛べないですよね。でもラストで6人はペンギンになって(水中を)飛んでるじゃないですか。彼らは『愛してる』によって自由になって、飛んでいけたんじゃないか」という話をしたら、監督から「冴えてるなー!」と誉められた。今までで一番誉められた瞬間かもしれない。笑
幾原: あれ、それは(木村)良平としたんじゃなかったっけ。冴えてる話は大抵良平としたものだと。
木村: 俺もたまには冴えてる話くらいしますって!

エンディングトーク

木村: こぼれ話。眞悧役の小泉豊さんとは、アフレコでほとんどTVシリーズぶりに再会した。「変わらないですねー!」と話しかけたら「だよね」とだけ返されて、本当に変わらないなーと思いました。
幾原: 映像の中にいろんな仕込みをした作品。ぜひ何度も観ていただけたらと思います。

以上

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