見出し画像

2日目のラッキーは、あったのか?

おとといは、珍しくラッキーが続いて、東京・西池袋まわりの用賀というお客がいて、それだけで、約20,000円の売り上げになった。

私は、ふっと、こんなラッキーな出来事が、2日続くことがあるものだろうかと考えた。

もしも、私が、一時的に、幸運を呼び込む体質になっていたとしたら、今夜の乗務でも、ラッキーなお客が乗ってくれるんじゃないかと、勝手に思ったのである。
しかし、早い時間帯で、横浜から東京なんて、そんなにしょっちゅうあるもんじゃないしな、と思いながら、いつものように近くの駅へつけた。


夜の7時10分くらいだったと思う。
最初のお客が乗って来られた。
外国人の若いカップルだった。
お客は、行き先を「なんとかかんとかホテル」と言った。
私には、最初よく聞き取れなかった。
女性の方が、スマホで、ホテルの名前を示してくれた。
そこには、「なんとかかんとかホテル舞浜」と表示されていた。
その時点で、私はピンと来なかった。
そんな名前のホテル、この辺にあったか?
「みなとみらいですか?」
と、とんちんかんな質問をすると、女性がもどかしそうに、「ディズニーランド」と言った。
そこで、私は、初めて、行き先がディズニーランドの近くのホテルだと理解した。

なんとも、まだるっこしい受け答えで申し訳なかったが、私は、やっと「OK OK!! ディズニーランド!!」と言いながら、ナビをセットして、タクシーを出発させた。

ディズニーランド!! まじか?
私は、はやる気持ちで、高速に乗り湾岸線へ向かった。

横浜から、ディズニーランドまでタクシーなんて、そうそうあるもんじゃない。
みなとみらいあたりのホテルだったら、あり得るかもしれないが、ご近所の駅からこんな時間帯に行くなんて、本当に稀なケースだ。

私は、前日と同じく緊張してしまった。
タクシーでディズニーランドなんて、私は、一度しか行ったことがない。
それも、数年前の話だ。

それにしても、夜の湾岸線はイリミネーションが綺麗だ。
途中、羽田もあるので、頭上を飛んで行く飛行機も見ることが出来る。

いや、景色なんて、二の次。
私は、とにかく道を間違えないように、そして、事故を起こさないように、注意を払いながら、お客を目的地のホテルまでお届けした。

時間にして、約50分。料金は、約18,000円。
お客は、「サンキュー」と言いながら、笑顔で降りて行った。

私は、帰りのサービスエリアでタクシーを停め、休憩した。
自動販売機で、どら焼きとコーヒーを買って、食べた。
どら焼きの甘いつぶあんが、緊張した脳をやさしくほぐしてくれた。

そうか。
2日続けて、ラッキーが続くなんてこともあるんだな。
平日の、早い時間帯で、東京に行く事自体が(実際は、千葉だったが)珍しい。
ラッキーがラッキーを呼びこむ。
私は、間違いなく、仕事に出る時に、今夜もラッキーがあるんじゃないかと思った。
少しだけ、「引き寄せの法則」が働いたのかもしれない。
そんなことを考えた。

因みに、思いがけない場所から、思いがけない遠い場所へ行くお客のことを、タクシー業界では、「オバケ」と言う。
過去20年で、私も、何度か「オバケ」を乗せたことがあるが、いろんなお客がいたなあ。
これは、また違う機会にお話ししたい。

私は、サービスエリアを出て、横浜へ向かった。
そして、まっすぐ近くの駅のタクシー乗り場へ戻った。
その後、「オバケ」は、出なかった。

私は、いつものように終電まで、お客をお乗せして、33,000円の売り上げを達成した。
前日には、及ばなかったが、疲れたので、血圧のことも考えてこの日は上がることにした。

次の乗務でもラッキーは続くのだろうか?
そんなはずはない。こんなラッキーが続くはずがない。
たまたまが2回続いただけですよ。
私は、自分に言い聞かせた。

いずれにしても、乗っていただいたお客さんと、無事に帰って来れたこと、そして、相棒の車に感謝して仕事を終えた。

ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?