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新米タクシードライバーが遭遇した高額の乗り逃げ。その巧妙な手口とは!?  


(今回、初めて有料noteに挑戦しました。実際に私が体験したタクシー・ドキュメントです。タクシー会社では絶対に教えてくれない「乗り逃げ」のリアルを書きました。読んで頂けたら幸いです)

🚕

これは、私がタクシーを始めて、まだ1か月目くらいの話だ。
今から20年前になる。
タイトルにある「新米タクシードライバー」とは、私の事である。

この頃、私は「夜日勤」ではなく、「隔日勤務」だった。
「隔日勤務」とは、1日おきに乗務することを言う。
例えば、朝7時から乗ると、休憩をはさんで、次の日の4時まで乗ることが出来る。
次の日は、「明け番」で、休日になる。

20年前、タクシーを始めたばかりの私は、お客さんに乗ってもらえるのが楽しくて、横浜市内のいろんな場所を流したり、JRの駅につけたりした。

横浜駅の西口、東口。
東神奈川駅。
桜木町駅。
関内駅。
石川町駅。
山手駅。
根岸駅。
磯子駅。

それぞれが横浜の主要な駅であり、乗り場にもそれぞれの顔がある。
私は、いろんなお客さんに出会い、そして乗って頂いた。
この時の私は、タクシーの仕事への夢に溢れていたと言ってもいい。

その日は、12月最初の金曜日で、少しずつ忘年会が始まっている頃だった。
今にも、雪が降りそうな寒い日だった。

私は、この日、朝から順調だった。行くところ行くところお客さんが立っていて、次から次に乗ってもらえた。
おそらく、この年の10月からタクシーを始めて、一番忙しかったのではないか。
夜の12時には、5万円を超えていた。

私は、さらに欲が出ていた。
あと3万円は稼ぎたい。
どこに行こうか。
私は先輩の言葉を思い出した。
「アソコに行けば、オバケが出るらしいよ」
「オバケ!?」

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