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待たせてごめん ダブルミーニングの深さ

横浜銀蝿40th「ぶっちぎりアゲイン」に収録されているJohnnyの「待たせてごめん」の歌詞が深い。この歌詞を読んでいると、期間限定のJohnnyの活動が、もしかしたら永遠に続くんじゃないかと錯覚する。

信念を貫く真の強さを感じるJohnnyのことだ。約束どおりこの期間限定の横浜銀蝿40thの活動を終えたら、またレコード会社の社長として本来の姿に戻ることになるだろう。しかし、ファンの誰もがこの先もずっと横浜銀蝿のJohnnyとしての活動を願っている。

人間というのは欲深いもので、Johnnyがいない横浜銀蝿を受け入れて何十年も生きてきたのに、1年限定で戻ってくるとなると、1年限定とはいえJohnnyが戻ってくるだけで嬉しい。そう誰もが1年限定のJohnnyの復活を納得して楽しむ気でいたに違いない。しかし、いざ活動が始まってみると、1年と言わずにこの先ずっと横浜銀蝿のJohnnyでいて欲しい。自分も含めてそう思ってしまうものだ。

そんなJohnnyが作詞作曲し、自ら歌っている「待たせてごめん」を聞いているととても不思議な気持ちになる。この曲の歌詞が実に深いのだ。一聴すると単なるラブソングのようだが、これ実はダブルミーニングの歌詞で今回の復活について歌っていると勝手に解釈している。


  ずっと 待たせてごめん
  涙拭いて笑って
  繋いだこの手もう離さない
  二度と 離さない

  もう一度やり直そうよ
  出会った頃に戻って
  今なら素直に言える
  あなたを失くしたくない

  もう一度恋しようよ
  甘いキスしようよ
  長い時が過ぎたね
  辛い思いさせたね

  ずっと そばにいてくれ
  もう どこにも行かない
  俺の腕の中で眠りなよ
  二度と 離さない

  もう一度 始めないか
  出会った頃に戻って
  潮風香るこの街で
  同じ未来 歩こう

  もう一度言わせてよ
  今もすごく綺麗だよ
  愛しい あなたに
  永久の愛を誓う

  ずっと 待たせてごめん
  涙拭いて笑って
  繋いだこの手もう離さない
  二度と 離さない

  ずっと そばにいてくれ
  もう どこにも行かない
  俺の腕の中で眠りなよ
  二度と 離さない
  二度と 離さない


「もう一度 始めないか 出会った頃に戻って」ということで、一度別れた恋人とやり直したいという思いを歌ったような内容になっている。実話や実際に思った言葉を歌詞にする傾向にあるJohnnyにしてはこの内容は珍しい気がする。というのも、Johnnyは高校1年の時の同級生と付き合って結婚し、今も幸せな付き合いをしているはずなのだ。Johnnyの私生活まで知り尽くしてるわけではないが、恋人と別れて寄りを戻しているイメージが湧かないのだ。

いや、今回のコラムはJohnnyの恋愛事情を語るものではない。この「待たせてごめん」は愛する人と「もう一度恋しようよ 甘いキスしようよ」と恋の続きを始める歌のように見せかけて、もう一つ別のストーリーがあるという仮説に基づいて語っていきたい。

もう一つのストーリー。それはJohnnyの横浜銀蝿への復活だ。そう、もう一度始めるのは横浜銀蝿のJohnnyだ。そう考えて改めてこの歌詞を見ながら曲を聞くと実にしっくりくる。ラブソングのように見せかけて、実は今回の横浜銀蝿復活にあたって、ファンへ向けたメッセージソングなのだ。以前コラムにも書いたが、Johnnyはロマンティストだ。Johnnyの歌詞にはロマンが溢れている。


これは個人的な勝手な解釈だが、この「待たせてごめん」は、愛する人へ向けて「待たせてごめん」と歌っているものの、実はダブルミーニングで、ファンに向けて「待たせてごめん」とJohnnyは歌っていると考える。もしこれが正解だとすると、このような表現をするJohnnyはやはり相当なロマンティストなんだと思う。

「長い時が過ぎたね 辛い思いさせたね」というのは解散から37年、ずっとJohnnyを待ち続けていたファンへの思いだと思われる。しかし、Johnnyが謝る必要はない。むしろ戻ってきてくれてありがとうと言いたいのがファンからの総意だと思う。それなのにJohnnyは「待たせてごめん」と言ってくれる。

この曲の歌詞がダブルミーニングで、実は復帰を待っていたファンへの「待たせてごめん」というメッセージだとして聞いていくと、実に心に沁みる曲となるわけだが、しかし、そうするとどうしても曲のサビの歌詞が引っかかってくるのだ。

「繋いだこの手もう離さない 二度と離さない」の繋いだ手は今回の復活で再会できたJohnnyとファンだとするとJohnnyは「二度と離さない」と言っている。そんなはずはない。Johnnyは今年1年の限定の活動とはっきりと言っている。要するに、今年が終わればまた繋いだ手は離さなくてはいけないのだ。

さらに、「ずっとそばにいてくれ もうどこにも行かない」とJohnnyは歌っている。まるでこの先ずっと横浜銀蝿のJohnnyでいてくれるかのような言い方だ。この先ずっと横浜銀蝿のJohnnyでいるからずっと応援してくれと言わんばかりだ。この部分が凄く気になってたまらない。

実際に翔くんは「今年1年の限定とは言ってるけど、終わった後にJohnnyがもうちょっとやりたいって言ってくれないかなと密かに思ってる」なんて言っていたが、本当にそんなことになったら最高だ。そして、Johnnyも「戻ってみて、こんなに楽しいとは思ってなかった」と語っている。これから始まる横浜銀蝿40thのライブツアーで何が起きるのか?そこでJohnnyの気持ちに変化はあるのか?それは来年になってみないと分からない。

おそらく頑固なJohnnyのことだから、今年1年の活動と決めたら絶対にそれを曲げない性格だと思っている。なので、来年もJohnnyが横浜銀蝿のJohnnyとして活動を続けてくれるとは考えにくい。ただ、今回の再会だって誰もが驚いた奇跡だとすると、この先さらなる奇跡が訪れることも無いとは言えない。

とにかく今回Johnnyは帰ってきてくれた。それは事実だ。そして「待たせてごめん」というメッセージソングを残してくれた。これもまた事実だ。もし、この「待たせてごめん」がダブルミーニングだというこのコラムが正しかったら、横浜銀蝿のメンバーとしての活動は難しくとも精神的にはこの先もずっと離れないとJohnnyは考えてくれていると感じる。もちろんこれは個人的な思い込みかもしれないが、この「待たせてごめん」の歌詞は非常にシンプルでありながら、凄く深い歌詞に出来上がっている。深いからこそいろいろと探りたくもなるわけで、ラストのフレーズで頭の中がモヤモヤしている。

歌の最後にJohnnyは「二度と離さない」と繰り返している。もちろんこの先も横浜銀蝿もJohnnyも好きでいるし、こちらから離れることはない。それだけのたくさんの宝物をもらってきたのだから。もし、Johnnyがこの先ずっと横浜銀蝿でいたいと思うなら、ずっと横浜銀蝿のJohnnyでいてくれていい。最初に決めた予定など変わるものなのだから。デビュー時に「2年で解散する」と決めて、結局3年3ヶ月活動した横浜銀蝿。今回だって1年の予定がさらに延びることは誰もが大歓迎だ。反対する人なんてどこにもいない。

ずっと横浜銀蝿のJohnnyでいてもらいたいからって自分の都合のいいように解釈しすぎていることは重々承知だ。しかし、はっきり言おう。今回のJohnny復活で、横浜銀蝿にJohnnyは必要だったことが証明された。TAKUだって「これでやっと役者が揃った」と言っていたように、横浜銀蝿はやはりこの4人じゃないとダメなんだ。そう、彼らの職業は横浜銀蝿なのだから。

活動期限の12月31日まではJohnnyは横浜銀蝿のJohnnyであり、オレたちのJohnnyであることは間違いない。その日までは横浜銀蝿のJohnnyを存分に楽しむ所存である。その先のことはその時に考えればいい。

Johnny、もしあなたが横浜銀蝿を離れないなら、オレたちがあなたから離れることは永遠にないよ。


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