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還暦の夜に響いたあたいのロックンロール

このライブは決まった時から行くと決めていた。そしてその時点で久々にコラムも書こうと決めていた。なんといっても、麗灑さんの還暦の記念となるライブだ。絶対に見ておきたかったし、記録として残しておきたかった。

ライブが始まってまず感じたのが、とにかく麗灑さんが楽しそうだということ。今こうして歌が歌えているのが嬉しくて、楽しくて仕方ないという感じ。過去に見たライブでもそうだったが、この人はとにかく歌が好きなんだと思う。歌うために生まれてきたとさえ思う。あの表情と歌声であっという間に会場全ての人の心を掴んでしまう。

なるべくレコードでの演奏をそのまま再現したいということで、「Party Night」や「哀愁のワインディングロード」辺りはかなり良かった。横浜銀蝿のカバーだけど、横浜銀蝿のアレンジとはひと味違う麗灑さんのバージョン。聞き慣れたアレンジに麗灑さんはこうでなくっちゃねと思わされた。

途中、お父さんをはじめ、何人かに言葉をかけた麗灑さん。その全ての言葉に含まれていたのが「感謝」の気持ちだった。このライブのテーマは「感謝」だったのかもしれない。こうやって歌を歌えていることにきっと感謝しながら歌っていたのだと思う。

嵐さんへの感謝の言葉を述べた後に演奏された「あたいのロックンロール」は抜群だった。元々いい曲のこの曲に、ありったけの想いを込めて歌うものだから聴いてるこっちにも想いは伝わるし、歌詞が沁みる。そしてなにより元気が出た。いつもこの曲に背中を押されているんだ。この曲を作った嵐さんもきっと喜んでいるに違いない。

個人的にテンション上がったのはなんといっても「ホロ酔いonly you」だ。当時からこの曲が大好きで一度ライブで聴いてみたかった。なんとライブでやったのは初だそうで、なんとも貴重な瞬間を楽しめたことになる。キーが高くて歌うのが大変だと言っていたが、そこは流石の麗灑さん。プロ根性で歌い切ってくれました。跳ねるようなリズムとキャッチャーなメロディーにこちらも身体が反応して最高だった。麗灑さん、この曲やってくれて本当にありがとうございました!

シークレットゲストとして登場した森一馬さんは流石のトーク力でばっちりステージ上のトークを仕切ってくれた。同じくシークレットゲストではなんとブル中野さん、紅夜叉さん、長嶋美智子さんの女子プロレスラー3人。個人的に彼女らが現役バリバリだった頃、プロレスが好きでよく観に行ってました。特に全日本女子は大好きだったので、ブル中野さんにはちょっと興奮。うっとりさせられた。紅夜叉さんは横浜銀蝿の歌をしっかり歌っていたので本当に銀蝿一家を通っている人なんだと思った。

そして、もう一人のシークレットゲストとして呼ばれたのは、会場となった四ツ谷ハニーバーストの店長である矢吹薫さん。麗灑さん、森一馬さんに矢吹薫さんを加えた3人で当時の思い出話で盛り上がる。

全てのメンバーがステージに揃ってのアンコール「あせかきベソかきRock'n Roll run」では、矢吹薫店長から声を出してのコールが許可されて、「Nice day!」「Allnight!」といったレスポンスができた。曲のエンディングの「Hey! Hey! Hey!」は声をあげて拳を挙げられて完全燃焼。これは自分で思っていた以上に気持ちが良かった。オーバーな話ではなくて、ここ数年における声を出せないライブでのストレスが少しだけ発散できた気がする。

麗灑さんの還暦を祝うライブは終始温かい雰囲気と笑顔の溢れるものだった。初めて麗灑さんの生歌を聴いて衝撃受けたのが銀蝿一家祭 令和冬の陣だったから、思えばあれから約1年。この1年もいろいろあった。いいこともあれば悪いことも。自覚はあまりなかったけれど、やっぱり心は疲れていたんだと思う。その疲れが麗灑さんのライブで吹っ飛んだ。なんともいえない清々しい気持ちになった。

やっぱり麗灑さんには歌が似合う。歌っている時の生き生きした表情、還暦になっても変わらないパワフルな歌声。僕らの知っている限りでも麗灑さんの人生にはいろいろなことがあった。きっと僕らの知らないことでもいろいろあったのだろう。そんないろいろなことを乗り越えて今でも最高の歌を歌っている。人生何があるか分からないけれど、何があっても好きなことは続けていたい。そんな人生の荒波を越えて生きている麗灑さんにはリスペクトしかない。自分が還暦になった時にどんな人生を送れているのか考えさせられる。

ライブには人間性が出ると常々思っている。正確にいうと、人間性の出るライブに僕らは惹きつけられる。

歌が上手いとか、演奏が上手いとか、音がいいとか、照明がいいとか、もちろんそれも一つのライブの要素として必要ではある。けれどもそれ以上にライブには、そのアーティストの人間性が出るし、そのアーティストがどんな想いでこのステージまでを過ごしてきたか。人生そのものが出ると考えると、今日のステージは麗灑さんの乗り越えてきた様々なことが表れた感動的なものだった。だから心に刺さるのだ。

自分の憧れる大人の一人として麗灑さんがいる。何かあっても、こんなことじゃ麗灑さんは笑ってやり過ごすだろうと考えて、自分に言い聞かせる。僕らは麗灑さんにはなれないけど、麗灑さんからもらった愛情は大切にしていかなくてはならない。あの歌を聴いて、しんどい明日も乗り切るのだ。それができる音楽はやはり強い。

ライブが終わって麗灑さんにご挨拶させてもらって、秘蔵の銀蝿一家ファイルにサインをもらった。ほんとはブル中野さんとも写真が撮りたかったけど、そういうの苦手だったりするので遠慮した。

ハニーバーストを出ると完全冬モードの寒さになっていたけど、「ホロ酔いonly you」のイントロをループで口ずさみながら、足取りも軽く四ツ谷の駅まであっという間だった。いい夜を過ごすことができて心も足も軽かった。

改めて麗灑さん、還暦おめでとうございます!アニバーサリーライブは素晴らしいものとなりました。これからも無理のない範囲で歌い続けてください。

2022年12月4日 麗灑還暦Anniversary Special Live! 四谷Honny Burst

1.ぶっちぎりRock'n Roll
2.だからいつものRock'n Roll
3.Party Night
4.I.C.ガール 
5.ホロ酔いOnly you
6.あんたにOK
7.あたいのロックンロール
(3人のトーク)
(還暦のお祝い)
8.ROCK'N ROLL恋占い 
9.ダーティーエンジェル
10.潮のかほり
11.あんたらしく
(アンコール)
12.哀愁のワインディングロード
13.あせかきベソかきRock'n Roll run

  

It's only Rock'n Roll
青くてごめん。

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