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39年越しのはじめまして〜青春の忘れ物を取りに秩父へ

青春時代の忘れ物を取りに秩父まで行ってきた。そう、紅麗威のライブを見に行ってきたのだ。感無量で放心状態のまま、このコラムを書いている。

横浜銀蝿40thのラストツアー"バハハーイ集会"の番外編として行われたこのライブは横浜銀蝿40thの他に「キッスは目にして」でお馴染みのCONNYさん、紅麗威が参加してのイベントだった。いや、正確に言うと、3バンドによるイベントだと思って会場には向かったが、実際はそうではなかった。これに関しては後で詳しく書く。

40thとCONNYさんには申し訳ないが、個人的お目当てはもちろん紅麗威だ。どれだけこの日を待ちわびてきたことか。横浜銀蝿のライブを見たいという夢は40thで叶えられた。続いての夢は紅麗威のライブを見たいということだった。その夢が叶ったのだ。

ライブの内容は、年末の銀蝿一家祭に紅麗威も出演するのでここでは書かないでおく。内容やセットリストに触れずに書くとなると中々難しいのだが、とにかく終始フワフワした状態で見ていたライブだった。

自分がフワフワした状態だった理由は分かっている。夢が実現した瞬間だったからだ。ずっと見たいと思っていた紅麗威が今、目の前でライブをしている。信じられない思いでライブを見ていた。往年の名曲が次々と演奏されていく。予想では5曲くらいしかやらないかなぁと思っていたが、実際には8曲。聴きたいと思っていた曲はほぼ全てやってくれた。

先日の伊勢崎のライブが、数年ぶりのライブだったのでメンバーはかなり緊張したようだった。メンバー紹介を忘れるほどの緊張だったとMCで桃太郎が言っていた。

今日のライブはそこまで緊張しているようには見えなかったが、やはりブランクは隠せない。演奏も不安定なところがあったし、桃太郎は歌詞をかなり間違えていた。けれど、今日はとにかく紅麗威のライブを見れていることが幸せだった。ここ数年、なぜ活動をしていなかったのかは分からないが、こうやって横浜銀蝿40thの活動中に復活してくれたことが嬉しかった。おそらく40thの活動がなかったら、今回の復活はなかったのではないかと思っている。

中学生だったあの頃、何故か桃太郎が大好きだった。桃太郎の歌はもちろん、ラジオでのトークがたまらなく好きで憧れていた。その桃太郎の歌や喋りをようやく聞くことができたのだ。感動しないわけがない。桃くんが当時と同じように革ジャンの下に黄色のボーダーのシャツだったことも心にグッときた。リーやミッツもはつらつと演奏していた。それだけでもう満足なのだ。

このイベントが3バンドによるイベントだと思っていたが実際には違ったと書いたが、終わってみると、横浜銀蝿40thの"バハハーイ集会"のオープニングアクトとしてCONNYさんと紅麗威が出演した紛れもなく横浜銀蝿40thの"バハハーイ集会"そのものだったのだ。

とにかく40thのライブは圧倒的だった。オープニングアクトのCONNYさんと紅麗威とは何もかもが違っていた。演奏した曲は渋谷公会堂のセットから2曲少ないだけでほぼフルセットのライブだった。あからさまに音量は大きかったし、照明の派手さもあったけれど、それ以上に演奏やメンバーの動きが圧倒的で格の違いを見せつけた。

そして何より今日のMVPはドラムのAtsushiくんだ。彼のドラムのグルーヴは今まで見たライブの中でダントツの出来だった。TAKUのグルーヴィーなベースとの絡み合いは確実に40thのライブを最高なものにしていた。過去に書いたことがあるが、嵐さんのドラムの疾走感は誰にも出せないと思っている。あっくんのドラムでは若干もっさりした印象になってしまう曲が存在していた。けれど、今日はそのもっさり感は一切なかった。

これは嵐さんよりあっくんが劣っているとかそういう話ではなく、人それぞれが持つグルーヴ感が違うのだ。嵐さんの持つグルーヴ感はある意味特殊だったのだ。そして、サポートドラマーという立ち位置も若干影響はあるかもしれない。けれど、今日のライブはもはやサポートメンバーではない堂々としたドラムだった。この先続くツアーがいっそう楽しみになったのは間違いない。

終わってみれば、オープニングアクトと化してしまった2バンドは少々気の毒ではあったけれど、40thがあれだけ圧倒すれば誰も文句のつけようはないだろう。

初めて生で聴いたCONNYさんの歌は本物だった。この人は歌いっぽんで勝負できる人なんだと思った。これまた初めて生で聴いた紅麗威は、とにかく一直線で一生懸命。若々しさが今でもあるのはある意味凄い。40thとはリズム隊の違いがあからさまに出てしまっていたが、何度も言うがとにかく復活してくれたことが嬉しかったし、この先活動してくれるなら、オレは必ずライブをまた見に行く。

とても魅力的だった2バンドをも軽く飲み込んでしまった横浜銀蝿40thは別格すぎた。迫力が段違いだった。紅麗威のことを書くつもりだったこのコラムは結局40thの事で長くなってしまった。

この間の渋公でも思ったけれど、翔くんはオリジナルメンバーでのライブを本当に楽しんでいるように見える。そしてファンのことを愛おしく思ってくれていることも伝わる。演者が楽しんでやっているライブは必ず観客にも伝わる。それを実感している40thのライブ。40thの活動も残りわずかになってきたけれど、残りのバハハーイ集会も銀蝿一家祭もより楽しみになった。

39年越しのはじめましてということで、ファーストコンタクトとなった紅麗威は、お互い初対面の気恥ずかしさじゃないけど、こっちもソワソワ、モジモジしてしまったので、銀蝿一家祭では思いっきりノらせていただくので遠慮なくぶちかましてください。残り少ない夢の時間、ソワソワ、モジモジしてるうちに終わってしまう。悔いのないように楽しませてもらうことにする。

40thのおかげで実現するはずのなかった夢が実現している。青春時代の忘れ物をライブのたびにゲットできるという幸せを感じながら、大晦日までかっ飛ばしていくしかない。秩父はかなり遠かったが、行って大正解だった。この先40thのツアーに行く皆さんも行って大正解のライブをしてくれるはずだ。40thは裏切らない。


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