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建築家の運命って。

建築家ってどうやってなるんですかね。
まずは建築家の定義から調べてみます。

建築家とは建築士資格を有する者のこと。
建築士法に定められた国家資格であり、一級建築士・二級建築士・木造建築士にわかれています。 それぞれの資格によって、業務可能な範囲は異なります。

とあります。なので、

建築家になるには建築士を取らなければいけません。
建築士資格の難しいのは受験資格でしょう。1級建築士の受験資格を得る方法はいくつかありますが、最短では4年制の大学に行く。最長になると実務経験7年が必要になります。そうして合格したあとも、免許は有効にするには実務経験2年が必要になります。長い道のりですね。

では年収を見てみましょう。

「平成29年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると、一級建築士の月収は年収は653.5万円

となっております。資格は足の裏の米粒でしてあっても食えないけどないとだめなようですね。さらに、建築に限りませんがこういったクリエイティブなお仕事は一部のトップ層が大きく年収を引き上げている構造になっています。そもそも建築家の分母は多くありませんし、設計の仕事が終わらなければ、5時に「お疲れした〜」と言えません。世間ではこれをブラックと呼ぶらしいですね。まぁ足切りされてこちらは楽なのですが。

ここで皆さんは「ザハ・ハディド」という建築家をご存知ですか?新国立競技場のコンペを勝ち取ったにも関わらず廃案にされてしまったことで日本では有名になりました。(この記事のアイコンになっているのが、廃止された新国立競技場の完成予想図)
彼女(女性なんです)は近未来的な流線型を持ち味にしています。下の写真は彼女が設計したテーブルです(「マチネの終わりに」の描写で実は出てくるんです。)


彼女はある異名を持つ建築家でした。その名も、

アンビルドの女王

これは建築家にとっては当たり前なのですが、お施主さん(おせしゅさん、依頼主のことです)にこういうのはどうですか?と提案して共鳴したら実際に家を建てることになりますが、その過程ではたくさんの案を考え、具現化し、何度も提案するというチャレンジが隠れています。(なので家を建てる人は建築家の人をリスペクトしてくださいね)

つまり、ザハ・ハディドは実際に建てられることがなかった建築を多く抱えており、それでもなおトップの世界に君臨した方なんです。

「幻の奇想建築」という本があります。これは図面などでは残っているものの、実際の建物は存在しない(アンビルドな)ものを集めた本です。(これに乗ってる建築家はさぞ嬉しいことでしょう😭)

こういったことも含めて、建築家という職業の運命は難しいものですね。

ちなみに、実現が難しそうなザハ・ハディドの作品ですが、初めてこの世に実際に産み落とされた建築物は実は日本でした。今はもうありませんが、1990年札幌で作られた「ムーンスーンライト」というレストランです。

これも今はなくなってしまっています。

これも運命なんですかね、
ということで「建築の運命って」でした。

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