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Libro pirataは海賊の物語ではなくて

先日スカイプでペルー人の先生からスペイン語のレッスンを受けていたときに、本屋の話になりました。ちなみに先生は元々リマに住んでいたけど、コロナ禍で地方へ移住。なんでも、今住んでいる街にはlibro originalを売っている本屋が1軒しかなくて、libro pirataばかりだと。

要は正規のルートを経て出版されている本がlibro original、違法にコピーされた海賊版がlibro pirata。日本で海賊版といえばDVDやゲームソフトのイメージだけど、本かあ……で、ふと思い出しました。

数年前にアマゾンで、手頃な値段のカタルーニャ語ースペイン語辞典を見つけて注文しました。「カタルーニャ語のすすめ」にちらっと書きましたが、なんせカタルーニャ語ー日本語の辞書は高くて手が出なかったのです(当時はまだ小辞典は出版されていませんでした)。が、届いてみたら何かおかしい。表紙はきれいなんだけど、背表紙に何も書いてない(上の写真がそれ)。開いてみると文字がかすれていたりゆがんでいたり。きわめつけは裏表紙の裏にアメリカの某大学図書館のハンコが! まさにlibro pirataでした。

せっかくなのでlibro pirataについて調べてみたら、メキシコの地方紙でこんな記事を見つけました。国際ブックフェアのイベントとして、書籍の著作権侵害をテーマとしたオンライン会議が開催されたとのこと。それによれば、15年前は市場に出回っている本の10冊中2冊が海賊版だったのが、現在は10冊中4冊に倍増しており、かなり深刻な状況のようです。出版産業への打撃はもちろんのこと、薬物や銃の密売、人身売買などの資金洗浄にも利用されているというなんともダークなお話。最近は電子書籍の海賊版サイトも増えていて、無料につられてダウンロードすると個人情報を盗まれたりパソコンをハッキングされたりということも。こわっ! Lo gratis sale caro.

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