『OMIR』ライブ、ディマシュ+マンスール/感想&妄想解説
(Dimash 41)
(8,873文字)
(第1稿:2024年2月13日)
★YouTube動画:『DIMASH & MANSUR QUDAIBERGEN "OMIR" LIVE』
By Dimash Qudaibergen(公式) 2024/02/11
【突然の「天国」出現】
2月11日の夕方の、狂喜乱舞とか驚愕というよりもむしろ、フリーズしてしまった心情を、どう説明したらいいだろう。
家の中にいきなり「天国」が形成されたのだ。
いったい何が起こってるんだ!??
それは、突然公開された冒頭の動画のせいだった。
家に帰った時YouTubeに公開されていたのは、「Dimash Iran」というお馴染みのdearの動画だった。
(現在はチャンネルに見当たらないので自主的に削除したのかも?)
インスタグラムからの動画とあったので、急いでそちらをチェックすると、ディマシュのIG公式に該当動画がアップされていた。
その返信欄に、
「5回チャイムが鳴ったけど、IGが問題を引き起こしているならYouTubeにそれをアップしてね」
みたいなコメントがあった。
どうやらディマシュ公式は、その動画をアップすることにとても苦労していたらしい。(現在は無事にアップ済)
それにしても、なんでまた突然こんな動画を?
他の人のIGを探っているうちに夜10時になり、もしかしたらこのクオリティならYouTube公式にも上げてんじゃないかと思い、そちらを覗いたら……
あるじゃん、それが!!!
あとはもう、ひたすらリピートするばかり。
【天国出現その1・顔】
なにせ、ディマシュとマンスールしか、いないのだ!!!
そしてこの兄弟の、なんという美しさよ。
「眼福」などという単語を超えてしまって、ただうっとり見るだけだ。
マンスールは、髪の毛の長さが香港ライブの時と同じぐらいなので、いかにもギタリストらしい風情だ。
彼は、正面から見る顔が美しいと思う。
眉毛が綺麗な形をしていて、鼻筋も通っており、伏し目がちに下を向いたアングルが良く似合う顔立ちをしているようだ。
隣で歌っている兄貴と違って無表情でギターを弾き、兄貴の方を一瞥もしない演出が非常に良かったと思う。
(あとで述べる事象とはもちろん全然違う雰囲気なのは言うまでもない)
で、兄貴のディマシュはというと。
左のアングルから撮影したディマシュは、特別に美しいと思う。
匹敵するのは『行かないで』の日本語バージョンの動画かな。
あの動画もやはり、ディマシュの左から撮った表情が非常に美しかった。
なぜかはよくわからない。
ディマシュは「雌雄眼」で、「陽」の気の強い左目の方が大きい。
目の大きさ自体は、時と場合によって変わるのだけれど、左側の黒目が、ほんのちょっと大きい。
以下の動画は特に左目(向かって右)が大きいのが良くわかる。
両目が正面を見た時にポーズすると、左の黒目が大きいのがわかるかな?
彼の左の顔が美しく見えるのは、それが理由なのかもしれないと思うことがある。
★kudaibergenov.dimash(公式)のIGより 2020年8月20日付
それに左の頬と首筋には、ホクロもある。
まるで「ここを狙って撮ってくれたまえ」と言わんばかりに(笑)
逆にディマシュの顔の右側には、右耳の前あたりの頬に、非常~に長い
「向かい傷」の跡があり、これがアップになるのを本人が嫌っている可能性も無きにしもあらずか?
曲と顔の雰囲気が違っちゃうからね。
(『バトル・オブ・メモリーズ』のMVでは、右頬のあの傷が良い味を出していた)
ともあれ、わりとディマシュの左側の顔を見ることが多くて、我々が慣れてるってこともあるかもね。
そして、何が美しいって、ディマシュの口の動きだ。
大きく開けた口の形が、どの場面を切り取っても、元漫画描きにとってはそれはもう、理想的に美しい形なのだ。
私が絵を描いていた頃には、こんなに美しい口を持つモデルやミュージシャンはいなかったので、想像で書くしかなかったが、特に下唇から顎先にかけてのラインは、ディマシュで見ていなければ、この美しさは描きようがなかったなと思う。
そして、ディマシュの顎は標準より少し長い。
しかも、生まれつきなのか、歌うために後天的にそうなったのかは分からないが、ほんのちょっとだけ受け口だ。
そこが強烈に可愛らしくて、美しい。
ディマシュの口の動きをうっとりと見ているだけで、曲が終わってしまうんだが。
どうしたもんかね(笑)
【天国出現その2・音楽】
また、この曲の予想外の静けさにも驚いた。
もちろん、スタジオの中にはカメラマンがいてカメラ回してるし、外にはサウンドディレクターだの、スタイリストだの、関係者が山のようにいるだろう。でも。
この静謐さ。
雑音の無さ。
ただひたすら、ディマシュの声だけが響くサウンド・デザイン。
いやもう私、悶絶しました。
前回のNOTE記事「『聖なる神殿の奥深く』ドミンゴ&ディマシュ」の感想文に、ディマシュがソロシンガーであることを痛感した、などと書いた。
だが、まさかこんなに早く、わずか10日足らずで、ここまで徹底的にソロで歌うバージョンが出てきて自分の願望が叶ってしまうとは思いもよらず、嬉しいよりも先に、動揺しまくってしまった(笑)
ディマシュ君!
君は「very soon=3カ月」様じゃなかったのかい?
せめて1カ月ぐらい間隔をあけてくれよ、心臓に悪いわ😂
【2024年1月から2月のディマシュ】
さて、突然この曲が投稿されて、これを見たdearsが全員昇天したことは、想像に難くない(笑)
私自身が個人的にそうなる理由は割と明白だ。
それは、ここ2カ月のディマシュの仕事に関係する。
《1月》
前年になるが、12月31日にはCCTVの『启航2024——中央广播电视总台跨年晚会』で、ディマシュは吉克隽逸(ジケ・ジュンイー、夏桃子)という女性歌手と『一起出发/We are Moving On』という歌をデュエットした。
このデュエットは悪くなかった。
だが、印象が薄くて、すっかり忘れていた🤣
★YouTube動画:『【Full】《启航2024——中央广播电视总台跨年晚会》王一博/吴彤/周深/白鹿/陈立农/迪玛希/……』
by CCTV中国中央电视台 2023/12/31 にライブ配信
・該当箇所を頭出し。
明けて1月19日が、ディマシュとプラシド・ドミンゴがデュエットした、クラシック系新人発掘番組「ヴィルトゥオーソ V4+ 2023」決勝第1日目。
その1週間後の1月26日が、同番組の決勝第2日目で審査発表の回。
ここでディマシュは、出演者達とマイケル・ジャクソンの『ヒール・ザ・ワールド』を歌った。
★YouTube動画:『'Heal the World' by Dimash Qudaibergen, P.Domingo Jr., E.Miklósa, E.Nechayeva, P.Čulič, A.Anisovych』
by Deimash Qudaibegen(公式) 2024/01/27
《2月》
2月の中国には旧正月があるので、音楽番組にディマシュが出演することが多く、今年もこれまでに3つの番組に出て歌っていた。
ひとつめは2月5日に放送された、CCTVの「Classics Night(北京経典之夜)」という番組で、ディマシュは『甜蜜蜜(スイートハニー)』という曲を女性歌手とデュエットで歌った。(収録は1月18日)
この女性歌手が、リハーサルでは普通にふるまっていたらしいのに、本番になるとディマシュに全く顔を向けず、完全無視をしていたため、私の記憶から消去されてしまった。
ディマシュの声はとても良くて、ずっと聞いていたいほど低音が美しかったのに、非常に残念な結果に終わってしまった。
ディマシュ本人はしかし、デュエット相手の女性歌手がなにをどうしようと全く意に介した様子もなく歌を歌い、エンディングには階段の上から彼女の手を取ってエスコートするなど、動揺も憤慨もせず、番組の収録を楽しんでいたようだ。
★YouTube動画:『期待值拉满!央视《“经典之夜”年度盛典》和六小龄童、李雪健、唐国强、鲍国安、欧阳奋强、迪玛希、……』(題が長すぎて全部表示されてなかった…)
By CCTV中国中央电视台 2024/02/05にライブ配信
・該当箇所を頭出し。女性歌手の動向は、配信画面ではうまくカモフラージュされている。
・該当箇所を頭出し。
2月8日には、LiaoNingTVというサテライトTVの「Spring Festival Gala(2024辽宁春晚)」で、ディマシュはピアニストのラン・ランのピアノ伴奏で『万里夢同心』を歌い、任贤齐という男性歌手と『春天花会开』という曲でスキャットを担当した。
★kudaibergenov.dimash(公式)のIGより 2月10日付。
・公式なのに、なぜか写真集のみの投稿。
★YouTube動画:『辽宁卫视春节联欢晚会 2024 上:贾冰于洋爆笑父子局!变身“天生洗浴人”,烧烤店老板宋晓峰上演“炫啤酒”特技!』
by 中国辽宁卫视官方频道 China Liaoning TV Official Channel 2024/02/09
・ラン・ラン登場の場面から頭出し。
ラン・ランが友人の名前を伏せて紹介してから、ディマシュが登場する。
以下は同番組の前編?で、ディマシュは番組からモンゴル式の歓迎のマフラーを贈呈されたり、出店で紐で作ったオブジェをもらったりしている。
★YouTube動画:『辽视春晚倒计时欢乐家乡年 2024 第一期: 郎朗喊麦助力家乡,郑恺体验冰雪项目 综艺 高清完整正版视频在线观看』
by 中国辽宁卫视官方频道 China Liaoning TV Official Channel 2024/02/03
・該当箇所を頭出し。
このバラエティ場面は実際はもっと長くて、ディマシュは羊肉の串焼きを食べたり、飴細工かな?のお菓子を食べたり、翡翠の置物を見たり、房付きの飾りをもらったり、最後に紐のオブジェをもらい、画面に向かって新年の挨拶をしていた。
★YouTube動画:『Dimash cut Spring festival gala countdown special China』 by Dimash Iran 2024/02/02(長いバージョン)
また、同じ日の8日には、CCTV-3でも「Spring Festival Gala」が放送されたようで、こちらではディマシュは屋外で『アンフォーゲッタブル・デイ』と『ギブ・ミー・ユア・ラブ』を歌っていた。
★YouTube動画:『Dimash "Give me your love" + "Unforgettable day" Spring festival part 2』 By Dimash Iran 2024/02/08
【ディマシュを伴奏する難しさ】
《ラン・ランのピアノと喧嘩?して負けるディマシュ》
問題は、ラン・ランと共演した『万里夢同心』だ。
ふたりの演奏と歌唱には、何の落ち度もない。
だが聴いていると、かなりストレスを感じてしまった。
ディマシュの声は、非常に繊細で、抑揚が小節ごとに変わり、単語ごとにイメージが変わっていく。
そして彼は、後半のコーラスだけフォルティシモのような大きな声で歌うのだが、前半中盤はピアニシモとメゾフォルテのあたりを行き来して歌うため、バックミュージックの具合によっては聞こえにくくなる。香港ライブの『When I've Got You』のコーラスのようになってしまうのだ。
そして、ラン・ランの伴奏でも、そうなってしまった。
なぜかというと、ラン・ランも「ソロ」のピアニストだからだ。
彼もディマシュと同じくスターなので、当然、自分の音が1番美しく聞こえるように弾いている。
だが、ディマシュの声の肝心な場所……たとえば1小節の中の3拍目は、歌にとって非常に大事な表現が多い箇所なのだが、ラン・ランはそこで思い切り素晴らしいパッセージをガンガン繰り出してしまう。彼のピアノにとっても、3拍目は大事な箇所だからだ。
そして、ディマシュの声の響きを継続するための大事な3拍目が、ラン・ランの華麗なピアノのパッセージでマスキングされてしまうのだ。
これは、どちらも悪くない。
どちらも現在、脂の乗り切ったソロ・アーティストだからこそ起こってしまった「音の喧嘩」だ。
しかも、ディマシュが圧倒的に負けてたしなぁ……😂
もしかしたらこれは中国の番組なので、意図的にラン・ランのピアノの音を大きくマスタリングした可能性も、あるにはあるけどね。
ディマシュの歌が非常に良かったので、以前のタン・ウェイウェイさんとのデュエットの時の不満解消となるようなソロになるはず……だったのに、ピアノがうるさくてディマシュの声が聴こえないという、ラン・ランと彼のファンの皆さんには大変申し訳ないのだが、ディマシュのファンの私にとっては残念な結果に終わってしまった。
そのあとの、任贤齐さん+ディマシュ+ラン・ランのピアノ伴奏のトリオは、とても良かったのになあ。
《Gaissin氏とクルトイ氏のピアノ伴奏》
たとえば、ピアノ伴奏だけの曲で最も美しいと思うのは、ディマシュの公式YouTubeにある、2020年「カザフコンサート」60周年記念コンサートで、ディマシュが歌った『Qaraǵym-aı』。
ここでピアノを弾いているのは、『Qairan Elim』の作曲者で、MVでもピアノを弾いていたRenat Gaissin氏ではないかと思うのだが、彼のピアノはディマシュの歌をまったく邪魔しない。
彼のピアノは音も大きくて、非常によく鳴っているのだが、ディマシュのボーカルラインとはまったく別のメロディラインを弾いているので、ぶつからないのだ。
また、イーゴル・クルトイ氏がディマシュと共演している時の、彼のピアノ伴奏。
彼はディマシュの微妙な声の変化を慎重に聴いて、彼の声に合わせた音量で弾いている。
ディマシュの公式YouTubeにある『Love Is Like A Dream』の動画の中盤、ディマシュが少女のように高いエアリーな声で、
「Любовь, похожая на сон,(ルボーフ パホーシャヤ ナ ソーン)」
の「ナ ソーーーン」のあとを歌うところなど、クルトイ氏は非常に華麗なピアノのパッセージを弾いているのだが、音量が小さいのでかなり意識して聴かないと聞こえない。小さいというよりも、鍵盤を下まで叩き切っていないので、非常にソフトな音なのだ。
クルトイ氏もシンガーなので、どう伴奏すればシンガーの声が聴衆にちゃんと聴こえるかをよくご存じなのだと思う。
そんなわけで、私はこの2カ月、中国でのディマシュの歌には音楽的な理由のためにストレスを溜め、ヴィルトゥオーソの番組では門外漢のエリアってことでストレスを溜め、けっこうヘトヘトになってしまった。
物凄ーく久しぶりにTVゲームに手を出すほど疲れてしまっていた。
【天国出現その3・伴奏】
という時に、この『OMIR』ライブ・バージョンが来たのだ。
なんといっても、ディマシュの声を伴奏が邪魔していない。
もう、それだけで天国だ。
1番はほとんどエアリーな声で、ディマシュは歌うというよりも、何かをつぶやいているようだ。
しかもその大量の息の中に声が拡散せず、すうーっと前に出て行って通っていくというのは、いつも思うけどホントに凄いと思う。
カザフスタン語の少し複雑で微妙な音をディマシュが発音する声も、非常によく聞こえている。
以前、NOTE記事のどこかで「実は、ディマシュの歌がいちばん上手に聴こえるのは、伴奏もエフェクトもないア・カペラだ」と書いたことがあるが、まさにその状態を保ったままで最低限の伴奏をつけた、という感じだ。
しかもその伴奏が、弟のアコースティック・ギターと来た。
ディマシュのピアノ伴奏は1番ではほとんど聞こえない。
マンスールのギターも、ほとんど聞こえない。
そして、このマンスールのアコギの音が、非常に美しい。
17才でこういう雑音の無い澄んだ音を出せるのは珍しいかもしれない。
そして、彼の指の関節の柔らかさだ。
もう仰天するほど柔らかい。
まずは、右手を支えている右の小指の曲がり具合。
それから、1番のコーラスになる直前、画面がストロークを弾くマンスールの手のアップになり、そのあとのアウフタクトの時、どうやら「B」を押さえているらしいのだが、この時のマンスールの薬指と小指の第一関節が、反対側に90度近く曲がっているのだ!
難しい方のやり方で「B」押さえられるんかい!
羨ましすぎる🤣(←大人になってアコギ習ったけど指が固くて挫折😂)
マンスールの、この指の関節の柔らかさが、指弾きの音の柔らかさになっているような気がする。
オケ自体は、後からアディショナルされた演奏もあるようだが、ほとんど聞こえない。
2番になってようやくピアノが聞こえ、ギターを叩く「スラム奏法」が出てくるが、それでも曲の静けさを消すほどではない。
ていうか、私たちどうせディマシュの声しか聴いてないから、伴奏はこの程度で良かったのだ。
【天国出現の意味・祖父の存在】
《DNAと、黒いカーテン》
このライブ・バージョンの演奏形態は、ほとんどホーム・コンサートのようで、完全なアンプラグドではないが、それに近い雰囲気だ。
この「幽き声」と「幽き音」が、真っ白い真綿のようで、それがふわふわとやってきて自分の部屋を天国に変えてしまった。
そして不思議なことだが、兄弟という血の近さ、DNAの近さが、何かを物語っているようにも感じる。
この曲は作詞も作曲もディマシュが書いた、現在のところ唯一の曲だ。
わざわざ弟の伴奏を加える理由は、それほどないはずだ。
私は最初、ディマシュはこの年若い弟が成人するまで、さまざまな演奏の場面で自分と共演することで経験を積み、そのうえで成人した時に彼がどうするかを決めればいいと考えて、彼を伴奏者にしたのかと思っていた。
だが、何回か見るうちに、妙なことに気がついた。
マンスールの上着とギターの色はともかく、インナーとズボンは黒。
ディマシュは、黒と白の縞模様のふわふわセーターに、彼のズボンも黒。
エレキピアノは当然、黒い。
マンスールは元々あまり表情を変えないが、それでも妙に神妙な表情だ。
スタジオの背景には、白い壁の両側に「黒いカーテン」がそれぞれ下げられている。
「黒いカーテン」?
《追憶する声》
そして、最も意外だったのは、このライブ・バージョンのディマシュの声に、「追憶」を強く感じることだ。
昨年発表された原曲の『OMIR』には、この響きは無い。
原曲の方は、ある事象の中、歌詞に沿えば「自分の船を揺らす嵐」の真っ只中にいるような臨場感と、その嵐に対する恐怖心、焦燥感、誰かに助けを求める悲鳴のような深刻な表現だった。
だがこのライブ・バージョンの声には、それらは殆どない。
「追憶」と、静かな悲しみ、さらに、原曲よりも強く深い「感謝」「願い」そして「祈り」。
ディマシュは最初のメジャー転調の時、うっすらと笑いさえするのだ。
もしかしてこれは、昨年亡くなった彼らの祖父への「追悼のための演奏」なのではないか?
ディマシュは、彼の祖父との思い出を「追憶」しながら歌っているのではないか?
だからこのバージョンの伴奏は、弟のマンスールでなければならなかったのではないか?
私は時折、昨年の6月18日にディマシュが祖父の追悼のために綴った文章を思い出す。
祖父への感謝の言葉のあと、
「あなたの末っ子…(Сенің,кенжетайың…)」
と、彼は自分をそう呼んだ。
あなたと僕は「祖父と孫」という関係ではなく、もっと深くてもっと強いきずなを持つ「父と息子」、僕はあなたに育ててもらった最後の子供だったのだ、と。
この言葉に、ディマシュの溢れんばかりの祖父への気持ちを感じて、思い出すと今でも胸が痛む。
★kudaibergenov.dimash(公式)のIGより 2023年6月18日
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もしもそうだとしたら、ディマシュは追憶と感謝とともに、祖父に何を願い、何を祈っているのだろう。
お爺ちゃんパパ、僕たちはもう大丈夫だよ、何とかやっていけるから。
お爺ちゃんの末っ子に、孫に、生まれて来た僕たちは本当に幸せっだと思ってるよ。
だけど……。
音楽の世界という荒れ狂う海に漕ぎ出した僕たちふたりの兄弟を、どうか守っていてほしい。
僕たちの船が無事に航海出来るように、見守っていてほしいんだ。
兄弟は祖父にそう願っているのだろうか。
それらの祈りを祖父に届けるために、彼らはスタジオを祖父に最も近い「天国」への入り口のような場所にしたかったのだろうか。
我々は、彼らがこの演奏をそこへ届けたいと願っている「天国」それ自体を、この歌に感じているのだろうか。
(終了)
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